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エイリアンズのこと

公団の屋根の上
バイパスの澄んだ空気

気が向いてふと立ち寄った、写真の展示会で
びびっと打たれる、青天の霹靂

明らかに異彩を放つ一枚
自分の内面を代弁してくれる、情景の切り抜き

そんな写真が、無造作に、乱雑に、しかしどこか丁寧なバランスで
誰かのカバンから落ちてしまったのか、
はたまた緻密に仕組まれたデザインなのか、
雨上がりのアスファルトの上に何枚も散らばっている

情景を一枚の限定された写真として切り取り、散りばめ
一定の背景の上に繋いでいく

散らかった写真の継ぎ接ぎは、映像にはならない
写真を継いでできるのはまた、写真。だけど
ひとつ確かに違うのは、そこに旋律が生まれること

深夜の高速
遠くの街の明かり、暗がり
ライトに照らされる、道端の紫陽花
雨上がりの匂い、空気の質感

切り取ったものを、繋ぐことで
そこに旋律が生まれる

過ぎた日々の中には、おびただしい写真が山積していて
それはふとした拍子に、浮かんだり、靄に消えたりする

何枚かを選び取り、繋いでいく
繋ぐたびに旋律は表情を変えていく
繋ぎ方を変えると、旋律も変わる

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