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【展示感想】世の中を良くする不快のデザイン展

「不快のデザイン展」に行ってきました!

様々な展示があったなかで特に、
「不快で危険を伝える」デザインについて展示内容と感想をお伝えしたいと思います。

1.展示内容

まずは、展示概要と興味深かった展示「不快で危険を伝える」デザインを抜粋して紹介します。


1-1.展示概要

こちらのサイトより、以下が展示概要です。


一般的に良い印象を持つデザインは、「使いやすく、分かりやすいこと」「見た目が美しく、洗練されているもの」「誰もが幸せになるもの」といった側面が強く、 “快”を求める傾向にあります。一方、“不快”なものは排除されがちで、不要なものとして捉えられています。
世の中を見渡すと、 “不快”という視点に着目し、世の中を良くするデザインへと昇華させたコト・モノが数多く存在します。私たちの暮らしの中で心理効果を上手く使い、“不快”の側面からアプローチした、身近なモノからちょっと面白いコトまで、さまざまな事例をご紹介します。



1-2.展示抜粋〜「不快で危険を伝える」デザイン〜

展示は写真可・SNSシェア可だったため、
一番興味深かった「不快で危険を伝える」デザインについてご紹介します。

▼展示より


〜「不快で危険を伝える」デザイン〜
「不快で危険を伝える」デザインとは、
意図的に「不快」を作り出すことで人々を危険から守るデザイン。
天敵や食材の発見などの危険は生物にとって生死に関わるため、
「不快」は「快」よりも伝達スピードが速い。

1.NHKの緊急地震速報チャイム

緊急地震速報チャイムには、「四度堆積和音」が採用されている。
この音では、ドキッとはするもののパニックを起こさず冷静な行動を促す・適度な緊張感を与えることができる。
また人間の聴覚は上昇する音に注意を感じるため和音をバラしている。
<コンセプト>
・揺れへの備えを注意喚起するトリガーとなる音
・危険を知らせ、すぐに行動したくなるような音
・従来の警報音や、家電、ゲームなどの電子音とは似ていない音
・老若男女、聴覚障害のある人にも聞き取りやすい音

2.都市ガスの付臭

都市ガスの原料には本来ニオイがないが、
ガス漏れによる爆発事故を防ぐために都市ガスには不快な臭いを付けている。
<一般的な付臭剤のニオイ>
・インパクトが強い、温泉のようなニオイ
・接着剤、シンナー系のツンとしたニオイ
・青海苔のようなニオイ(他と混合して使用される)

3.苦いおもちゃ

苦いおもちゃの例としてNintendo Switchのゲームカードには世界一苦い「デナトニウムペンゾエイト」が塗られている。
苦いおもちゃによって、味覚が敏感である子供はおもちゃを口に入れた瞬間にすぐに吐き出すことができ、健康に害なく誤飲を防ぐことができる。

4.イメージハンプ(立体路面表示)

イメージハンプ(立体路面表示)は、物理的な凸凹をつけずに視覚のマジックで驚き(不快)を刺激して車の事故を防ぐ。
運転手がびっくりして急ブレーキをしないよう、車を安全に緩やかに減速できるように工夫がされたものが採用されている。
<イメージハンプの例>
・マウンテンタイプ
 :道路に立体物が転がっているように見せる
・ブロックタイプ L
 :道路を狭く見せることで減速を促す
・ブロックタイプ W
 :縁石があるように見せる
・クロスマークタイプ
 :交差点での出合頭の事故を防ぐ

5.踏切の複合的な不快設計

■視覚の不快
踏切の黄色と黒は、動物が本能的に警戒する警告色になっている。
JIS安全色で「注意」を促す黄色と、対比色の黒を組み合わせることで強いコントラストを生み出し危険区域であることを知らせている。
警告灯は、赤で警告より強く危険を感じさせ、それを点滅させてさらに目立たせている。

■聴覚の不快
カンカンカンカン…という警告音は、世の中に存在する最も”汚い”音程と言われる「短9度音程」で強烈な不協和音を生むことで不快を作っている。

■触覚の不快
遮断かん(遮断機の竿)は、法令で高さが地面から0.8mで水平であることと定められている。
これは「小学校低学年の児童の目線が0.8mに近い」ことが理由としてあり、さらに潜ったり跨いだりして侵入するには難しい(不快)な高さである。


その他にも様々な不快のデザイン設計の紹介がされていました。


2.感想

2-1.五感への不快の刺激について

展示を見ていて一番感じたのは、
不快のデザインは人の【五感】を刺激するように設計されていることです。
上記に挙げた例も、まさに五感それぞれに訴えかけているものでした。
 緊急地震速報  →聴覚
 都市ガスの付臭 →嗅覚
 苦いおもちゃ  →味覚
 イメージハンプ →視覚
 踏切      →視覚、聴覚、触覚
人が五感で不快に思うモノ・コトってある程度基準が決まっているんだなと感じました。
そしてデザインの役割に「人々を危険から守る」ことも含まれていることを再認識しました。


2-2.展示観覧後の自己の変化について

不快のデザイン展の後、以下のような自己の変化がありました。

◯不快のデザインを探すようになった
自分の生活の範囲で、不快のデザインを探しました。
意識してみても、不快を使用したデザインを見つけるのは少し難しかったです。
<聴覚>
・駅の発車ベルやクラクション
→非常にうるさいが、危険を知らせてくれる
<触覚>
・節電で止まっているエスカレーターの動きだし
→ゆっくり動き始めるので、停止から動き始める動きを予期できる
<視覚>
・あらゆる禁止マーク🚭
・あらゆる点滅する電光表示
→バスの降り口や段差、立ち入り禁止の表示など、注意を促してくれる

◯世の中のデザインを意識的にみるようになった
身の回りの不快のデザインを探すなかで、世の中のプロダクトは全て綿密に効果を考えられて「デザイン」されていてすごいなぁと思いました。
色、配置、構図、五感への刺激などなど、エンドユーザがどのような印象をもつかを考えて意図を持って作られていると思います。
(逆に、意図が伝わらないデザインは意味がないデザインだと思いました。)
また、広告やプロダクトの色の意味にも興味を持つようになったので、色彩検定の勉強進めていきたいです。

◯「デザイン」について考えるようになった
不快のデザインを身の回りで探すなかで、デザインとは人が人のために設計するものということを再認識しました。
デザインの反対は、自然なもの(植物、生命)と感じました。
(すごく当たり前の話だったり間違えていたらすみません、今後勉強していつかまとめたいです)


3.さいごに

今回アウトプットすることの重要性を非常に感じました。

今回は展示の感想をアウトプットしようと思って、展示観覧中や観覧後に思った事をいろいろメモしていました。
またこの投稿を書いている際も、自分が何を考えているのか、どんな点に興味を持ったのかについて、気づくことができました。

これまでのように展示を見てアウトプットしようと思わなければ、見たものや感じたことをぼんやりとしか認識しなかったと思います。

思考の整理という意味でも、アウトプットは有効な手立てだと感じたので、
今後もどんどん投稿していきたいと思います!

ここまで読んでくださり、ありがとうございます!
ご感想やご意見いただけますと非常に励みになります。
よろしくお願いします!

以上です。

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