
野良のライオンを飼育する方法#2 ぷつん、と切れるおと
あ〜多分、こういうところなのかなぁ、私がクビになる理由って?
なんていうか、普通そうはならないじゃん。
そういう普通の発想ができないっていうか…だって猫って喋らないし…色々おかしいじゃん?
いやでも待てよ、そういう発想ができる私ってひょっとして天…
「まぁ、それはないな。」
それはないよね〜
…(静止)
……(汗)
…………!!!!!(滝汗)
目の前の猫が絶対に喋ってる!無理!怖い!多分これは夢!!!!
「そう、クビになったのも夢!!!!!!!」
「そう思うのは君の自由だけど、それはワシから見れば現実逃避ってやつだ。」
「そうですか、私はクビ…クビ…クビ…」
「そうなるな」
「で、目の前にいるのは喋る猫…?」
「そうなるな」
「で、気持ちもよめちゃう系の猫?」
「まぁ、そうだな」
いや絶対におかしいだろ。
「ああああああんたね、人の気持ち勝手によまないでくれる!?私のプライバシー!猫のくせに侵害してこないでよね!!猫は嫌いじゃないけど、なんかあんた人間クサくて怖い!!大体なんで猫なんかが私に突然絡んでくるわけ?!どっかいきなさいよ!」
「あぁ、そうか。分かった。ではどこかへ行く。」
「えー行っちゃうの。」
「君が誰かを呼んでいるように見えたんでな。だが、余計なお世話だったようだ。」
「そうよ、余計なお世話!私一人にさせてよ、こんなときくらいっ…」
人は本当に辛い時、言葉とは裏腹な事を時に口走ってしまう生き物なのかもしれない。
そうでなければ、この涙はなんだろうか。
「…話、聞こうか」
「…ゥッ……ひっく……くやじい!! 猫のクセに…偉そうにーっ!!!……まぁ…冒頭に「どしたん?」がないだけまだマシか…っぐ…ひっく…」