発達障害の妹。不登校の姉。姉妹、支えあって【年子姉妹 育児日記】
5児の母、shiiimoです。
9歳女子(不登校)、7歳女子(ASD・ADHD)、
5歳双子男子(双子兄はADHD疑惑)、1歳の三男(重い)を絶賛子育て中です。
うちの年子姉妹は本日も家でゆっくりのんびりゲームに興じて過ごしている。
小学生の夏休み。自分の頃は、プールや公園や山やとなにかと外に出ていた記憶であるが、今の日本のこの暑さ……。そして共働きの環境で、なかなか付き添いもできないので、こうしてゆっくり過ごすのは致し方ないんだろう。
不登校で1人が不安な長女。発達障害がある次女。彼女たちだけで外に行かせることは、本人にとっても親としても難しい。
でも、「ゲームのあつ森で花火大会があるよ~」とか。
「浴衣を作ったから、ママもあつ森であそぼうね~」とか。
この時代にしかない夏を彼女たちは過ごしている。
ひとりではなく、ふたりで一緒に。
それがお互いのなによりの救いになっているんだろうなと感じる。
不登校の姉に対し、発達障害の妹は
夏休みに入るまで。
次女は、学校に行けない彼女のことを責めるでもなく、どうして行けないのと問うでもなく。
「長女ちゃん、行ってくるね」
そう言って、いつも笑顔で家を出て行った。
長女は「行ってらっしゃい」とささやいて、少し申し訳なさそうにソファに沈み込む。
その様子を見ながら、双子兄は「長女ちゃんお休み? ズルいーーー!!」と騒ぎ出すので、「保育園組には特別なブツ(ハイチュウ、ハリボーなど)を用意しているが………」と、母は裏取引をすることとなる。
いつもの流れである。
ASD・ADHDの次女は、長女が学校に「行けない」ことを、けして「ズルい」とは言わない。
双子は5歳だし、保育園に行くことも大変だろうから、無理もない。
というか、実際、自分も子どもだったならそう言っていたと思う。
「どうして」「ズルい」「ひとりだけなんで」
毎日学校に行っている次女がもし言い出したら、
いったんは親の私たちが受け止めるべき言葉。
次女はでも、言わないのだ。
ただ、抱えているものはあるんだと思う。
ある日、次女の担任の先生から電話がかかってきた。
「次女ちゃんが毎日、長女ちゃんの担任からプリントや宿題を預かっていたのですが……最近は、少し嫌そうな顔をすることも増えました。ですので、今後は控えていただくようにお願いしました」
…………そりゃ、そうだよね。ごめんね。と思った。
口にしないだけで。長女を責めないでいてあげているだけで。
心の中に抱えているものが何もないはず、ないよね。
でも、次女は言わないのだ。
次女の心の格は違う。そう思う。
夏休みに入って初日。
誰も学校にいないから、ちょっと話そうよ、という長女の担任の先生からの誘いに、のってくれた長女。
私が「次女ちゃんもいっしょに行っていい?」と聞くと
「うん。いっしょでいいよ」と言う。
「次女ちゃん、学校、長女ちゃんといっしょに行こっか」
そう言ったら、とてもうれしそうに「いこいこ!!!」と笑ってくれた。
長女が学校に来てくれるということは、次女にとってはうれしいことなのだ。
長女の担任の先生は、話の中で「いつも、プリントとか渡したいものをお願いしすぎちゃって、ごめんね」と次女に謝ってくれた。
「??? 大丈夫だよ~~~?」
あんまり、覚えていなかったっぽい。(笑)
もともと重要視していないことについては忘れやすい、不注意傾向。
次女はニコニコ笑顔だ。
「本当にふたりは仲良しだよね。今日はいっしょで、よかったねえ」
先生の言葉に、ニヤニヤしながらつっつきあうふたり。
本当に。
ふたりが姉妹でよかったよね。
私は心の中でささやいた。
発達障害でもなんでもかまわない。
次女はこんなにも澄んだ心をしている。
それが、不登校の長女の心を救ってくれているのだ。
発達障害の妹に対し、不登校の姉は
保育園時代に、次女は療育でASD・ADHDの診断を受けた。
その後の小学校も個別学級への進学を決め、校長先生との面談を終えて、本人もクラスを見学済み。
すべての準備が整った頃。私にはあとひとつやるべきことがあった。
当時小学校1年生だった長女に、次女の発達障害のことを伝えることだ。
長女の通う小学校はマンモス小学校と言える、人数がめちゃくちゃ多い学校。40人クラスが各5クラスはある。それとべつに、個別学級もそれぞれ学年あたり20人前後。同じ授業を受けるために通常クラスにも籍をおくので、必然的にクラスに数名、発達障害の子も在籍していた。
だからこそ、個別学級の存在はみんなにとってもわりと身近な存在だったので、長女も理解はあったように思う。
それでも、私は少し緊張していた。
妹も「障害」というものを抱えているという事実に対し、どう説明したものかと悩んだりした。
「実はさ、次女ちゃんなんだけど…………」
小学校からの帰り道。当時、唯一ふたりきりになれるその時間に、私は次女のことを長女に話した。
発達障害で、少し話を聞くのが難しいことがあること。
だから、小学校でも大変だろうから、個別学級に通うこと。
私は事実のみを話した。
「え。そうなんだ…………」
長女はそう言って、少し沈黙しながら手を繋いで歩いた。
「…………でも次女ちゃんは別に、次女ちゃんだよね」
その言葉を言った時、確かめるように、彼女の手の力が強くなったことを覚えている。
「うん。とくになにが変わるわけではないよ。次女ちゃんはそう、次女ちゃんなんだよ」
心配することなんて、なかったな。私は感じた。
長女と次女の間に流れるものが、そこから変わることも実際、なかった。
次女が苦手なことを前にしたり、双子兄と喧嘩してパニックになるときには、自然と話を言語化してあげるなどしてくれた。
やりすぎなくらい、気が利く長女。
もっと鈍感でもいいのだと、私の鈍感さをもっとあげたいと思いながらも。
あなたがあなたで、よかったよ。
そう、長女に伝えたい。
年子姉妹のこれから
なにをするにもいっしょだなんて
そんな存在が生まれたときからいっしょにいるなんて
どんな気持ちなんだろうと思う。
これから先にも、姉妹には変化が訪れていくだろう。
長女は学校に行けたり行かなかったりするだろうし
次女は自分の特性に困ったりするだろう。
でもそんな時にも、この姉妹の力が、支えになってくれる。
長女ちゃん。
不登校でも、あなたは真の心で相手のことを見つめている。
だから、大丈夫なんだよ。
次女ちゃん。
発達障害でも。それがあなたの心の優しさを作っているって、ママは思う。
優しさをずっと。そのまま。育てていってね。
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🧩この記事は、凸と凹の共同運営マガジン7月企画「発達障害だけど〇〇」企画に参加しています。
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リケさん、だいーぶ滑り込みしてしまって、すいません。(笑)
また姉妹それぞれに変化もあったので、やっぱり、書きたくなってしまいました。
発達障害だけど……
次女の優しい心。届いたらいいなあと思っています。
8月からもみなさん、元気にすごしましょ🍀
創作大賞応募しています。
我が子の発達障害発覚に揺れる母の心を救いたいと思って書きました。
だれかに届くといいなと願って。