役者の価値は劇場のキャパで測られるのか?

その昔、まだ私が舞台に出はじめたばかりの頃の話。
役者さんや団体の魅力を測るのものは「劇場キャパ」だと思い込んでいました。
自分が出る劇場のキャパが多ければ多いほど、役者の評価になって、応援してくれる人も喜んでくれるのだと。
だから、オーディションを受けて大きい劇場に出るんだ!と息巻いている時代がありました。
そして、劇団もそういう考え方の所が多いような気がしていて、とにかく200〜300キャパの劇場で公演すれば凄いという空気があったように思います。
でも、
「とりあえず大きい劇場でやる」
という施策は明らかに違うなと思います。

無理して大きい劇場でやって、結果中身ガラガラ。
という話はよく聞きます。
そして無理して大きい劇場をとって予約が振るわなかった団体ほど、パワハラに近い言い方で同業者に勧誘メールを送ってきたりします。
結果、送った人に無視されて
「先輩からのメールを無視するとは、なんて失礼なやつなんだ!」
と騒いでる大人もよく見てきましたが、
それは
「自分は後輩にメール無視されるぐらい尊敬されてない人間です」と自分から言ってるようなもの。。。

だって尊敬してたら礼儀ない人も多分返事するし。

これを読んでる人には絶対になって欲しくない姿です。
最近はそういう人も身近にみる事が少なくなってきましたが、時代はなんやかんや巡るのでここに書き残す事に意味があるかなと思い書いてみました。

一方、お客さんはどう感じているのかという部分ですが、もちろんパイプ椅子よりもフカフカの椅子で観劇できた方が見やすいし、大きい劇場はアクセスが良いところも多くてメリットはもちろんあります。あ、トイレもきれいだしね。
でも、無理して大きいところでやって、急にチケット代が高くなったり、贔屓の俳優から『チケットが売れてないから何回も来て欲しい』なんて空気を感じるのは困惑しかないのでは?と感じます。ここらへんはお客様にぜひ意見聞きたいです。

舞台の告知はその作品を観て喜んでくれそうな人に届けるような手法というのを心がけています。
その作品を観ても喜ばなそうな人に無理やり勧めても、お客様満足度が下がるだけだからです。

『大きい劇場でやってる方が売れてる感でるじゃん!』
という昔の私みたいな感覚の子がいたら、はっきりと言ってあげたい。

『一般の人はそんなに劇場に詳しくない』

そりゃ、シアターオーブとかパルコとかになれば
聞いたことあるーとなるかもしれませんが
基本的に50〜300キャパの劇場の認知度はどんぐりの背比べです。

だから、実力が伴わないのに無理して大きいところでやっても、幸せになる人はほとんどいません。
強いて言うなら、劇場利用料を受け取る事ができる劇場ぐらいなもんでしょう。
利益的には。

そんなわけでとりあえずデカイ所でやったけど華麗にスベる団体というのはいつの時代もよくありまして、
それってどういう事がというと
「告知が上手くできていない」か「その公演を観たいと思う人がいない」か「開催時期とお客さんのニーズが一致してない」か、その全部か。
という所だと思うのです。
これに関してはまた時間があるときに書きます。

大切なのは劇場とかキャパっていう側を大きくする事じゃなくて、
そういう大きい劇場じゃないと観たい人が入りきらないような『演目』『役者』である事だと思います。


働きながら、お客様満足度の高いステージを作るために日々研究をしています!小劇場全体が盛り上げたいです。将来は役者やタレント達が芝居しながら企業でバイトするための紹介会社を作りたいと思い資金作り中!応援していただけると嬉しいです。