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MAN WITH A MISSION

MAN WITH A MISSIONは日本の5人組ロックバンドです。頭はオオカミ、身体は人間という究極の生命体5人で構成されるという設定になっています。私は彼らの音楽とライブパフォーマンスにすっかりはまっています。

妻は彼らを見ると必ずこう言います。
「あんなもの被って暑くないのかな?臭いだろうな。」

たしかにそう言われればそうなのかもしれませんが、不思議なことに私にはそういう感覚が全くありません。「オオカミの被り物をかぶった人間」が歌い演奏しているという発想にはならないのです。あくまでも頭はオオカミ、身体は人間という生命体のロックパフォーマンスとしか思えず、あの被り物の下でどんな人間がどんな表情で演奏しているのかなどと考えること自体ナンセンスなのです。

これがファンの心理です。人はイメージにとりつかれてしまうと中身が見えなくなります。

ディズニーのファンはミッキーマウスをみると笑顔で抱きつきにいきます。着ぐるみの中でどんな人間がどんな表情で手をふっているのか知る由もありません。小さな子どもたちにとっては戦隊ショーのヒーローはあくまでもヒーローでしかありません。菊池寛の歴史小説『形』では主人公が身に着けていた鎧兜に強烈なイメージができあがっていたことで、それを身に着けずに戦場に出た主人公は命を落とすことになってしまいました。

3年前に道頓堀川に浮かべた船の上で行われたMAN WITH A MISSIONのゲリラライブ。戎橋の上にぎっしりと人が集まってオオカミバンドに大歓声を送る姿は圧巻でした。あんな日が再びやってくることを願ってやみません。

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