見出し画像

何度でも花開く心にまた出会う日 花譜4thONE-MAN LIVE 怪歌(再) 現地参戦レポ


こんにちは、リョと申します。

今回は去る2024年11月2日、3日に2Daysで開催された神椿幕張戦線、その2日目公演である怪歌(再)の現地参戦レポになります。

今回のライブ、本当に参戦できてよかったと思います。
あの夜の感動と彼女に圧倒された心地よい疲れを少しでも形にしたくて文字を打ちました。例によって自分のための書き散らしにはなりますが少しでもうまく言葉にできていれば嬉しいです。



前書き ~開演まで


今回の幕張戦線の2つのライブは「リビルド公演」という位置付けにありました。

前回の代々木決戦は勤務地でもある能登の地震のゴタゴタもありどちらも現地参戦はできず、怪歌のみオンラインで視聴していました。今回もライブとしての形がどこまで変わるか見えない部分もあり正直参戦すべきかは少し悩んでいました。
ですがやはり廻花という存在の誕生という強い衝撃の残った前回公演、それを再現という形でも良いから現地で体験したいという思いに引っ張られて予定を縫っての参戦を決めました。本当に来てよかったです。

現象は別の用事があり応募も見送っていましたが1月の頃よりも理芽チを筆頭にVWPのことがより好きになってきていたタイミングだったので、似た機会があれば次は五人のライブにも参戦してみたいなと思っています。

会場は幕張メッセイベントホール。個人的に割と馴染みのあるでかい箱で花譜ちゃんがワンマンをするというのは今思い返してもすごいことです。
メッセは会場周辺も広くて遊べて、トイレや施設周りもそこそこ親切なので好きなんですよね。筆者は公演日の一週間前にフルマラソンを走ったことで膝を痛めていたので物販も遅めの時間にしてゆっくり出発。幕張到着後もアウトレット横の公演の芝生で横になって過ごすなどかなり体力を温存しながら動いていました。

物販もそこそこ購入
タオルがデカすぎて公演中にうまく使えなかった…

会場周辺は沢山の観測者であふれていました。
外見というかファッション周りが強い人が多いのもそうですが、やはり神椿の民が集まっている様は良い感じに異様ですね。
身の回りに同業のオタクがいない故のソロ参戦でそこを潜り抜ける五経も無かったのでそそくさと会場に入って開演を待ちました。

席はS席、アリーナの後方中央でした。元はここがVIPだったと思うと席次改修の判断は正しかったですね。

距離こそありましたが前が通路で広々していていい席でした。前か横が開いているだけで上々です。何より会場のどセンターだったのでVJやダンサー込みでみた舞台演出と演者の見え方がものすごく綺麗だったのが有り難かったです。


時間が近くなりまずは会場アナウンスが流れます。
担当は少女革命計画の佳鏡院ちゃん。聞き取りやすくて可愛らしい声でした。VWPメンバーはゲームなどで声優も務め始めていますが、彼女も革命計画以外でそういった仕事をしているところが見てみたいなどと思ったりしました。

そして楽器の音だし、バックヤードから聞こえた円陣の声で会場の空気も盛り上がり始めたところで遂にカウントダウンがスタート。途中ばらつきながらも会場の皆で修正していった手拍子と共にライブが始まりました。


セットリスト(公式X投稿画像引用)


花譜パート

これまでを歩んだ歌たち


壮大なムービーから一曲目が走り出す、かと思いましたが流れてきたのはモノローグ。
この空気感を作って全く違和感がないどころか彼女らしいなと心が高まるのが凄いですよね。「どんな私に出逢えるんだろう」がこの1年弱でこんな意味合いを帯びて来るなんて誰が思ったのか、などと考えたりもしました。


〇青春の温度

この曲良いですよね。爽やかさと疾走感が会場をあっためるのに最適でした。歌詞に促されるように心を青く狂わせながら楽しみました。
始めは周りも遠慮気味だった「Whoa whoa~」のコーラスが少しづつ伝播していく感じも良かった。

そして流れ出す弦楽器の音。ここからようやくカミフィルの凄さを体感しました。生バンドのコンサートによくある音圧やパワーの強さとはまた異なる、大きさではなく空気を貫いていくような凛とした強さで会場を駆けていく音が本当に素晴らしかった。音源の音とは比べ物にならない音の息づき方が盛り上がる心をさらに煽り立ててくれました。

ついでに配信で見返すと現地っぽさも活きた音周りも楽器隊を抜くカメラワークも最高でした。映像技術自体は他社の躍進も目覚ましいですがやはり音周りは神椿スタジオが頭抜けて素晴らしいなと改めて感じました。

そして現れた花譜ちゃんの「始めます!」
これぞライブの始まりですよね。

間奏は歌うかコールするか大変迷いましたが彼女自身が煽ったので今回はコールを選択。セトリ次第なところもありますが次はみんなで歌いたいですね。


〇未観測

盛り上がった空気をドラムから順番に引っ張ってきて始まった未観測。
こっちはみんなでめちゃくちゃに歌えましたね。マジで楽しかった。
ラストの楽器の音が絞られてみんなのコーラスがくっきりと響く時間なんて最高でした。

もはや恒例の生バンドも終始イカしたアレンジで決めてくれましたが、この曲はサビでも跳ねるようにペンライトを振る感じとドラムの軽快かつパタパタと耳に心地よい音とが溶け合っていてすごく良かった。
ストリングスの重厚感とも相まって聴き入っても跳ねても歌っても最高に楽しい時間でした。


〇糸

凄いとこにブッこんで来たなというのが正直な感想です。
「リビルドといいつつだいぶセトリの空気感を変えてきてないか?」とじわじわ思い始めていた通りで、かなりの不意打ちを喰らった気分でした。

自身の進化の大きな1ページとなった怪歌の再演、それも今回は廻花の存在が周知されていてのライブでこういった原点曲をはめてくるのは流石にメッセージとして100点過ぎました。
今と昔の彼女について思うこと、思う言葉を眺めていて感じることは多少なりともありますが、どっちも好きでその時にしかない良さは誰にも侵されないなと思う私にとっては凄く嬉しい選曲でした。会場も彼女の過去を代表する曲に沸いていたように思います。
演奏とアレンジの魔力だけでなく今の力強くなった彼女の歌と解釈が込められた糸、めっちゃ良かったです。



MCではっちゃける花譜ちゃん、やっぱり可愛いですよね。
現象Ⅱを見た人~で手を挙げられなかったのは地味に心細かった。

そして朝のツイート時点で幕張を東京だと思い込んでしまった花譜さん。千葉県民としてはディズニー以外でこれをやられるのはまあまあ意外でしたが…俺は悔しいよ花譜ちゃん…
あとバンメン紹介の前でしれっと甘噛みをしたこと、私は見逃さなかったぞ。

これは無料配信の民に別れを告げる花譜ちゃん


〇夜が降り止む前に


参戦歴が浅いので何とも言えないのですが、ライブで披露されるのはだいぶ珍しい選曲だったのではないでしょうか?

ピアノが映える曲が個人的に大好物なのでめちゃ嬉しかったです。
原曲に近い音作りのまま流れてくるバンドとストリングスの音が実に壮大でした。
それに負けない深度の声をぶつける花譜ちゃんも本当に強い。何度聴いてもこれほど澄んだ美しい声をしているのにそのパワーはどこから出ているんだと感動してしまいます。


〇海に化ける/人を気取る

イントロと映像で会場を盛り上げたままに持ってきました。

カンザキさん作でもそれ以降でも名曲の多い彼女ですが、それでも過去を喰らうから始まった三部作の安定感・王道感は別格ですね。成長と決別という少女時代の彼女の象徴たる文脈から始まった曲にしかないパワーを叩きつけられました。
初披露の武道館現地にいた影響で人を気取るが好きなのもありますが、個人的な好みとも相まって凄く楽しかったです。

また今まではマッシュアップ等もあったように過去を喰らうからの流れと対比で歌われるイメージの強かった海に化ける。これを人を気取るに繋げてくれるのも良かった。
現地で化けるを聴いたのはまだ神椿現地慣れしてなかった狂以来でしたが、当時よりこの曲が海という言葉に思いを託した意味や秘めた叫びのようなものをストレートに受け取れたような気がします。
凄まじい疾走感の中でも歌に心を託す力はそのままな彼女は圧巻でした。


人を気取るも良かった。
MVの空の澱みを残した海晴れがそのまま飛び出してきたような音楽はあの場で浴びるにはあまりにも美しかった。あんなに寂しさと清々しさをうまく混ぜた曲も無いなと思います。

サビの区切られた単語の末尾一つひとつに息と感情をぶつけるような歌い方が大好きなんですよね。厚みのある音に背を押されてパワフルさも帯びた歌声が最高でした。

リビルドとしての構成かそれ以上の意図があったかは見定めがつきませんが、それぞれの曲の勘所を綺麗に味わえる編曲も個人的には大好きでした。

〇邂逅

一気に会場が静寂に包まれます。こういう音楽同士の力や色の在り方が会場の空気を押し返しあう感じ、大好きです。

なんと言うべきか、本当に花譜というシンガーと叫びを託す歌との相性が凄まじい。
今回のライブは新曲を筆頭に叫びをそのまま歌うパートが存在感を放っていたと思います。この曲も始まりの穏やかさを飲み込むように熱を帯びていく様がとても素敵だった。

特にCメロからの叫び、そして「皆一人ぼっちだ!」から音が落ちる瞬間、上手く言えませんが視界にライトに照らされた花譜ちゃんしか残らないような感覚を覚えました。

心に心を殴られる感覚といえばいいのか、ライブだとよくある全身から熱が沸き立つような、鳥肌の一言では済ますには勿体ない感覚に似たそれに震わされていました。

本当に上手く言葉にできませんが、曲が終わってから放心してしまうほどに心と力に満ちたパートでした。


◆衣装チェンジ
雷鳥改、なかなか面白いデザインだなと思いました。換羽によって姿を変える鳥の名を冠した形態が実装と公演の流れ的に改を授かるのも含めて良かった。

清廉と異様をうまく落とし込んだ白の雷鳥とは異なり、とことん質感を無機・別存在に振っているなと私個人的には感じました。ゲームキャラに実装される8Pアバター感とでも言えばいいのでしょうか。表現力が乏しくてお恥ずかしいですが、とにかく白の雷鳥から似つつもどこか思い切り遠ざけてみようという意匠を感じてかなり好きです。


出会いで生まれた音楽

〇愛のまま

ここからのパートはとにかく怒涛。ずっと花譜というアーティストの凄さや音楽から溢れる心に圧倒されていましたが特にここが個人的に凄く心に残りました。

それまでは気を抜けば一瞬で過ぎてしまうような力と速さを帯びたエモーショナルが多かったからか、映し出されるMV映像そのままのような暖かさを帯びた音と声が心地よい歌い出しでした。

この曲は聴いているだけでなんだか泣きそうになってしまうのですが、カミフィルによって一層美しくなったライブ仕様のアレンジと花譜の心がリアルタイムで注がれた愛のままは本当に優しくて暖かくて、でも僅かな音と声の隙間には心の何かを剥がされるような強い心の力や去るものに馳せるかのような寂しさにも溢れていて、ペンライトを揺らすのを忘れそうになりながら聴き入るばかりでした。

ラスサビ前の「Baby I love you」の前の音が止まる瞬間は本当に息や自分の体の音もうるさいと感じるほどでした。
邂逅の時とはまた違う、心の隙間に歌から溢れた感情を流し込まれて魅せられるような最高の歌唱でした。


〇抱きしめて

ちょっと望んでいた並びで曲が来て凄く嬉しかったです。
花譜もですが、ここは崎山さんの魅力も全開でめちゃくちゃ良かった。
ただ佇んでギターを爪弾くだけで本当に言いようのない色を放っていたのが印象的な崎山さん。その演奏を生で聴くのは初めてでしたが本当に柔らかで不思議な音楽を放っていて、ギターと歌声というオールドストロングなあり方で大成している理由を改めて思い知らされました。

タイトルの通り、本当に歌と心に抱かれるような優しい時間でした。

二人の声に聴き入る時間と、オーケストラのきりりとした音がより美しく盛り上げるサビ周りのパートに体を揺らす時間とが変わるがわるやってくるのが楽しかった。
当たり前ですけど二人とも歌が上手いんですよ。ただうまいだけではなくて、私の中の区分になりますが歌に心を美しく魅力ある形で託すのが上手い人が二人も揃っていて、その二人がこんなに優しい歌を紡いでいる光景に立ち会える本当に嬉しい時間でした。

〇チューン・ディスコ~トウキョウ・シャンディ・ランデヴ featツミキ

レポを書くようになって痛感しますが、私は楽しい曲だと頭を空っぽにしてノってしまうせいで記憶を失う傾向にあります。ここら辺はまさしくそのパートでした。
チューイン・ディスコはまあ予想してましたがまさかトウキョウ・シャンディ・ランデヴまで聴かせてもらえるとは思いませんでした。ツミキさんも歌ってギター弾いてドラムまで叩いて好き放題かましてくれていて最高でした。

何よりこの男、かっこいい

カンザキさんの出立以来よりジャンルレスに、クラブサウンドに近いポップチューンで存在感を示すことの増えた彼女だけあってこういう盛り上げ方の曲も本当によく似合いますね。
両曲ともブレイクでのアガり方が尋常じゃないのに加え、盛り上げ方の上手くなった花譜ちゃんとツミキさんの巧みな煽りもあってめちゃくちゃ楽しかったです。歌詞に合わせてペンラの振り方、上げ下げで遊ぶのもまたやりたい。

〇一世風靡  feat星街すいせい

ついに叶いました。かふすいの組曲ですよ。夢です。

正直細かい記憶なんてありません。推し同士が出会う瞬間っていうのはたまりませんね。
ここの文面だけ星詠みが出ますが許してください。

筆者は最推しが星街すいせいなのでかなり星詠みとしての血が濃いのですが、楽曲の認知自体は花譜もほぼほぼ同時期であることやそもそもスキのベクトルが若干違うのもあるので、「種類の違うめっちゃ好き」の対象がようやくソロライブという舞台で出会っちゃった感じです。この興奮、伝われ。

加えて言うなら私は2022年のニコ超ライブで二人が歌った「小夜子」にがっつり脳を焼かれた民です。

これが
こうなった…

共演自体は何度かありましたがそれでも現地ライブの場でまた二人が歌ってくれること、それがあわよくばオリ曲であればなどとずっっっと願い続けていました。
そしてこのライブ・怪歌という花譜や観測者にとっても大きな意味を持つ場で、ストリングスまでついた生演奏とかいう考えうる中で最高の環境で最高のアンサーを観測できたこと、本当に嬉しかったです。


怪歌だけでなくすいちゃんのライブツアーに花譜ちゃんが参戦するという情報が出たこと、組曲2の存在、事前の公式ポスト、何よりこの二人が出会ってやらないわけがないという強い直感の通り、新曲が初披露されました。

この光景をずっと待ってた

まず一世風靡というタイトルからもう良い。

そして互いの声質を活かすようなリズムと音域から始まり曲調も終始軽快。手拍子やダンスパート、すいちゃんには珍しい高音でのハモリと楽しいギミックがぎっしりです。イントロが流れた時点から構えていた二本目のペンライトを青く光らせながらずっと楽しく腕と身体を振っていました。
当時は歌いわけやダンスまでしっかりと見る余裕なんてなく、ただただ楽しく音に身を任せるだけでした。

当然初めて聴く曲なのですが本当にスッとノれるのも面白かった。二人らしさ、もっと言うならいい意味でのバーチャルを生きるふたりらしさの光る曲だなと思いました。ボカロチックともアニソンチックとも違いますがどこか似た曲調に魂が安心感を覚えていました。(後で見ればゲロチューとかも作ってる先生作でした。納得)
タイプが違うながらも声の明度の高さゆえに良く合う二人の歌声も心地よかった。

2人ともダンスが可愛すぎるぞ

ほかの組曲もタッグを組むクリエイターさんの色が全面に出るのには変わりないのですが、この手のどこかオタク心をくすぐる曲とは少し別物だったところがあるとは思っていました。少し悪い言い方でもありますが、他箱の純然なオタクには刺さる範囲の狭そうな曲ではなく少しだけバーチャルの世界を愛する人やその音楽が好きな人にも届きやすい形を持ってきてくれたのはどちらの世界も好きな者としては凄く嬉しい所でした。主観も甚だしいですが、ただただ嬉しいんですよ。

去り際に「またお会いしましょう!」とすいちゃんは言っていましたがそれが彼女の大阪公演なのか、はたまたこれから先もまだ別の機会を望んでもいいのか。
どちらにせよ本当に心の踊るコラボでした。


〇KAF DISCOTHEQUE

ここのところ何気に恒例となっているディスコパート、音楽の趣味的なものもあって私も大好きなパートです。治安の悪い音楽とブッ飛ばしたremixはなんぼあっても嬉しい。

今回の選曲は私論理→不埒な喝采→イマジナリーフレンド→未確認少女→飛翔するmeme→魔的。全部良かったですが魔的はちょっと反則級でした。

ダンサーさんのパフォーマンスも相変わらず見事。あのキレと運動量見てると本当に同じ人間か疑わしいレベルです。
不埒な喝采の後のソロパートはそういう時間だからとかいう空気感抜きにして、そのスピンやキックの迫力にあてられて自然と歓声が出ている感じがあってとても良かった。


魔的のアウトロそのままに犀鳥衣装の花譜ちゃんが登場します。やっぱりこの衣装のトンデモ感ある可愛さは癖になる。

そして可不ちゃんも登場。リビルドらしく流れを踏襲してきた二人が歌うのは不埒な喝采からでした。

〇不埒な喝采

DISCOでも出たので正直油断してました。
この曲は直近の後楽園戦線で披露されたかふりめの歌唱がきっかけで絶賛再ハマり中だったのでめっちゃ嬉しかったです。

何が楽しいってサビですよ。
MVのダンスをもじった感じでペンラと腕を振るのが楽しくてしょうがなかった。後楽園ではあまり見受けられませんでしたが今回の会場でも同じように遊んでいる観測者が結構多くて嬉しかったです。
オリジン花譜ちゃんがはっちゃけたビジュアルになっているのもあって二人の対比が視覚的にも際立っているのも好きなポイントでした。

〇フォニイ

不埒な喝采がフルで披露されなかったので次は何を繋げてくるかと思えばフォニイです。今回の花譜可不パートはめちゃくちゃ王道に可不曲で攻めてきました。

とはいってもこの二人と言えばこの曲だろうという納得感もありました。さっきまで作者が居たのに封印していただけあります。
この曲に関しては説明不要です。疾走感と自然と体が動くメロディに合わせて腕を突き上げていました。


〇Notice feat.MoeShop

Virtual Being KAF、通称でっかふまでお出ましです。でかいでかいとは言われていましたがいざ会場で見るとマジでデカかった。

でかい

そしてMoeShop氏と共に披露されたのはまさかのNotice。氏の紛うことなき代表曲だろと言われればそうなのですが、まさかこれのカバーを持ってくるとは思いませんでした。
正直この辺も楽しくノッてただけなので大した記憶がないんですよね。
音の浮遊感やどこかレトロチックな音遣いに溶ける花譜ちゃんの歌声、何より生音の凄腕DJのプレイに任せてひたすら楽しくやってました。

〇My Life feat  MoeShop

気を抜いてたら今度こそ知らない曲が来て面食らいました。
曲がただひたすらにかっこよかった。キックの強さ、終始下で暴れるざらつき、強い音が抜けたときに鮮明に分かるクリアで耳にすんなり入ってくる音の粒の気持ちよさ。全部が最高すぎました。

あらゆる治安がぶっ飛んでいて最高だった

あとは音を現地で浴びていた記憶のままアーカイブを観て気づいたのですが、たぶん当時の体感時間が見事にぶっ壊れてました。
2曲合わせて10分もないはずなのに当時の記憶では「え!?まだノってていいのか?」となっていたくらいで、ちゃんと浴びるタイプのドラッグにあてられてたんだなと思うと面白かったです。


新たな世界に魅せられる時間

〇ゲシュタルト

扇鳩に姿を変えての一曲目はゲシュタルト。

花譜の表情がどこかあどけなくなるこの衣装、好きです

もはや定番ナンバーですね。発表以降ほぼほぼ全部のライブで歌われているおかげで私もだいぶきっちりと予習ができた状態になっていました。こちらも言うことないでしょう。曲調はめちゃくちゃノりやすくてキャッチーかつ可愛いサビ、そしてそれを踊るベリー可愛い花譜タロさん。これだけの要素に加えて今回もバリバリのアレンジが入っていたとあればひたすらにテンションが上がります。

そして今回も代々木に続きVALISの皆さんがバックでのダンスを務めます。

強い、色々と強かった

前回も思いましたが私はどうやらチノさんとネフィさんのダンスが好きらしい。見やすい席にいてゲシュタルトという聴き入るでなく体で楽しむタイプの曲だったので割と上段にいた4人ばかりを目で追っていたのですが、この二人を一番見てた気がします。同じライブの中であれだけの数のダンサーさんがいるにも関わらず全く見劣りしないあたりVALISも大概恐ろしいなと思いました。ゲシュタルトなんてめちゃくちゃオリジナルダンスのイメージが強いだろうに、それとは違う振りであそこまで存在感を出せるのは強かった。

〇アポカリプスより

この曲好きなのに本当にあっという間に終わってしまう。なぜなのか。
サビから一気に放たれるような疾走感、今回はベースゴリ乗せのアレンジにVALISのダンスという激贅沢な布陣も相まって一層あっという間でした。
VALISはしれっとフォーメーションダンスをその壇上でするのも怖いですよ。キレの良さと曲との相性も抜群で非常に素敵でした。

ここから新曲が続きます。まさか前回のGSA曲のリビルドにあたる部分をそのまま別の新曲で当時の驚きの再現に繋げてくるとは思いませんでした。

〇何者

この曲のみ撮影OKパートでした。
筆者はスマホのカメラ性能がカス過ぎるため撮影は1番の終わりで断念。元々撮影可と言われてもどうせSNSで自分よりも音や画質が良いものが流れてくるのもあり、その場で噛みしめる派だったのでそれはそれで気にせず楽しめました。

あと撮影可にしている時点で運営サイドも想定はしているでしょうが、曲が始まったとたんペンライトの動きも声や身振りなどの盛り上がりも一気に少なくなってしまうのは寂しいですからね。
せっかくの初披露曲なのでじっくり楽しませて貰いました。

実際途中で曲に集中して正解でした。この曲めっちゃ好きです。
まずイントロからかっこいい。曲が始まれば粒立つギターの音とピアノの主張が痺れるロック調サウンドに重めの歌声の花譜ちゃんと、すべてがストライク過ぎました。

これだけ曲をリリースしていてまだ試してない引き出しがあっただけでも恐ろしいですが、少し前では想像もつかなかった方向性に進化していく彼女はやはりバーチャル世界の表現者として凄まじい所に来ているんだなと思い知りました。

〇カルペ・ディエム

続く新曲はがっつりめのポエトリー曲。ただ言葉を落とすだけでなくそれを感情と共に音に上手くはめてゆく感じは流石の腕前でした。
かと思えばサビでは一気に爽快なメロディが広がります。現地にいて印象的だったのはVJの存在感で、一気に視界を染める空色から言葉の存在感を前面に出したリリックムービーが飛び出してくる様が曲にぴったりでした。加えて韻を多く踏むキャッチーな歌詞は一発で耳に残るので後半は自然と体が動いてくれました。

そしてラストに畳みかける「生きて!」という叫び。

この視界いっぱいの光も相まって凄かった

邂逅や愛のままでも味わった言葉とそこに乗せられた感情をぶつけられて、自分の心もぐっと熱を帯びていく感覚を途轍もない爽やかさ、力強さと共に食らう時間でした。


〇バンメン紹介
この時間も生バンドの醍醐味だと思います。全曲ド天才のアレンジ、演奏を繰り広げてくれたバンド、大好き。
今回はフィルハーモニーとかいう贅沢なチームもついていて、バンド紹介の演奏が優雅に壮大に締められるという珍しい現場も目撃出来ました。


〇代替嬉々

頭の中で文字変換に困るタイトル、恐ろしく癖の強い世界観。ラスサビ前の叫びで何となく予感はしましたがやはり大森靖子楽曲でした。

ここのVJ、かなり好きでした

キャッチーな音に不思議な歌詞のあしらい方をしているのに、ふと口にしたくなる不思議な曲でした。暗いこと、重々しいことを歌っていたかと思えばサビで力が湧いてくるかのような音と一緒にやってくる「ちょいマシな最悪」という言葉がすぐに覚えてしまうくらいには凄く好きになりました。

そしてCメロ前に畳みかけてくるポエトリー・叫び。強い口調と自分を傷つけるかのような言葉の紡ぎ方があまりにも大森靖子で最高でした。
花譜ちゃん、本当にこういう心を絞る歌い方が上手いしひとりよがりな感じが無くて魅力的なのが凄い。


廻花パート

廻花という表現者

ここからは廻花パートです。
それまでの花譜パートとは同じ感情でもどこか違う形の心でその曲に聴き入っていたと思います。

現地で目撃する廻花は、来ると分かっていても不思議な衝撃と感慨に見舞われる何かを持った存在でした。改めてこれをモニターを視認しづらい現地で観ていた当時の代々木の民たちの衝撃と困惑を思わずにはいられませんでした。


私の廻花への見方ですが、今でも「正直よくわからん」というのが本音です。
でも確かに好きではあります。色々難しいことも想いたくなりますが多分私はそれをしていい側の観測者じゃないです。

1月にその姿を初めて見て感じたのはあまりに大きな驚きとそれを観測者たちはどう見ているのだろうかという疑問でした。
かなり思い切ったチャレンジに花譜というバーチャル世界に息づく物語のような存在が挑んでいること、その実現のために映像投影や目を凝らせば見えるノイズなどの拒絶反応を取り払うための保険が精巧になされていることなどには意識が及びましたが、それに対して自分が思うことや解釈にまで頭が回っていなかったのだと思います。

実際、私は怪歌の感想は言葉にして残すのを断念しています。
私のような歌や作品をなぞるだけのファンでは彼女の在り方生き様を愛し追いかけてきた観測者の言葉と心をこのタイミングで濁してしまいそうで、何よりもPさんやあの子の言葉もなしに自分の解釈を持つのが恐れ多かった。


ただそれでもよく覚えているのがそこにいる廻花という子は花譜を形づくるひとと間違いなく同じだという実感を様々な部分から感じていたということです。
正直飲み込み切れずにライブを見ていた途中のMC,その言葉の紡ぎ方が本当に強くて美しくて、色々思うことがあっても納得したくないと思っていてもそれを正面から受け止めて・抱いて・打ち砕いて・認めさせてくれるほどのまっすぐな言葉には本当に感動しました。

今回のライブのMCも言葉にしてしまうととても難しい彼女というひとりの人の想いを決して短くはない時間を使って語っていました。
でもその言葉には本当に偽りや淀みが無くて、ただいっぱいにまっすぐなそれを丁寧に紡ぐ彼女に心を向ける時間はとても素晴らしいものだったと思います。

難しいことは言えません。解釈や想いの受け取り方は無数でそれぞれに正解と正義があります。ふたりを分ける意味とかタイミングとか曲の方針とか昔からの変化とか、私には何も言えません。これからも好きな曲を摘まんだりライブに行くだけです。
こう言ってはみましたがうまく割り切れてるとかではなく、単にスキのベクトルや捉え方が上手くハマってくれただけなのでちゃんと愛して苦しんで、言葉にしたりはたまた推しのためにそれを飲み込んでいる人との間には大きな違いがあると思います。

でもそこにいるのが誰で、誰の姿であれ、その歌には偽りがないと自分の中に一つの結論を産み落とせたから、今回の幕張戦線でも彼女を明るいドキドキと共に迎えられたのではないかと思っています。

また彼女に出会う音楽

〇ターミナル

初披露の時は驚きのあまり聴くどころではなかったターミナル。
心の構えができた状態、加えて現地で聴くこの曲は凄く面白かった。
リズムと言葉のぶつけ方がとても印象的でノりやすい曲に厚い音の幕が重なっているのでとても現地映えしていたように感じました。

そして代々木の記憶が朧気ながらでもわかるほどに声も動きも伸びやかになっていた。
やはりその存在を受け入れてもらえるかというプレッシャーの大きさがあったのでしょう。それが大なり小なり軽くなった舞台でより今と今を生きる私たちに近い目線を目指した彼女のもう一つの本来の歌を聴けるというのは、本当に嬉しいことだなと思いました。


〇スタンドバイミー

この曲を歌う時の廻花の歌声は星空や街並みの上にある夜の柔らかさを形にするかのようで、ただその空間にいる幸せを嚙みしめたくなる美しさに満ち溢れていました。

流れてくる音もミラーボールが会場に散りばめた星も全てが綺麗で、その中を力いっぱい輝くように流れていくギターの音に泣きそうになりながら聴き入っていました。

ほんの微かな違いなのでしょうが、夕焼けや夜の闇に思いを流していくような花譜の歌にはなかった美しい夜を見ているとやっぱり彼女に出逢えてよかったななどとも感じていました。

〇テディベア

距離こそありましたがギターを構える彼女の立ち姿を正面から拝めた私は幸せ者です。

元々人には見せられないくらいのヘタクソで、仕事や一人暮らしに追われ最近はマラソンの練習に必死なあまり触っていませんでしたが私も一応はギター弾きなので、大変グッときました。

柔らかな歌声に乗って聞こえてくる弦の音、ストロークのリズム、弦が擦れて聴こえる掠れたノイズ
全てが良かった。

〇転校生

サビの韻の踏み方や歌詞などから滲む質感からか、この曲を聴いていると懐かしい心が呼び覚まされます。語感の良さに反して歌声にあふれる寂寥感が会場に不思議な静けさを落としていくかのようでした。

曲調の影響でもありますが廻花パートに入ってから全体的に落ち着きとやさしさが強くなった会場でしたが、絞られた証明の色調とこの曲の雰囲気はその不思議な会場の空気感にぴったりでした。
凄く素敵だったんですけどね。本当に、上手く言えませんね。


〇東京、ぼくらは大丈夫かな

入りから駆け出していくような明るさがたまらなく好きだった。
廻花の紡ぐアップテンポや爽やかはこういう色をしていのかと思わず顔がほころぶような、そんな満たされた心で聴き入っていました。

テンポも歌詞の選び方も彼女らしいと同時に、今ここを生きる私たちの感性に近いということを違和感なく受け取れる、そんな等身大の女の子の歌だなと思いました。

これも聴いてからの後出しの感性のようですが、MCで語ったような「音楽をやる上で通る東京という歌」を出すのであれば花譜ではなくより彼女の地の心の発露に寄り添える廻花である必要があったというのも頷けました。

彼女が感じたままを自身の言葉でこうして声にするからこそ、そこに生きる誰もが抱きながらも忘れてしまう東京の異常さ・忙しさ・自身がじりじりと締め付けられていくかのような苦しさに自然な共感を生み出せていた。そう感じます。


MCの冒頭で語られていたことは、住んでいる場所に関係なく刺さる人が多い話だったと勝手に思っています。

自分をごまかすために何かにのめり込んで脳を小さくしてしまう毎日のこと、人をひとでなく景色として捉えること・そうなってしまう境遇やそれがあたりまえになっていることを誰も非とできないことの怖さ、そして今の自分はこのままで大丈夫かという漠然としていて取り払えない不安。

薄々思うことはあっても、全部社会人になって感じたことや必死に考えないようにしていたことばかりで、それを彼女の優しくて偽りのない声音で言われてしまうもんなので少し泣きそうになっていました。

そして改めて廻花が語ったのは1月に抱えていた不安と感謝でした。
これに始まり自分と花譜とは何か、自分が何者かを真っ向から語れるあの子は実に強いなと思いました。

もちろんただ称されるべき強さだと言えない自分もいます。
この挑戦ができたのは才や環境に恵まれながらこの道を拓いてきた彼女だからなのではないかということ、色々な意見があれど肯定的に受け入れられることは客観的に見て疑いようのない土壌を持っていたという事実、大きな挑戦と曲がりない言葉があれば人は多分にしてそれを認めてしまう生き物だという、そんな嫌なものの見方。
本当に凄いと感動した反面、時を置いて冷静になるとそんな下卑た賢しさで当時の出来事を見てしまう瞬間もありました。大変恥ずかしながら。

それでも、そんな心も吹っ飛ばすほどに彼女の言葉ややっぱりまっすぐでした。心の芯と生まれる言葉が丁寧で曲がりなくて、本当に凄かった。
そして彼女はただ歌が好きだったところから、たくさんの人の心にもたらすものや示せる居場所があればという祈りをその歩みに託せてしまうほどに優しくて、自分の過去や見たくない内面と向き合ってこうやって曝け出せる強さがあって、そして終始聞き手であるこちらに「愛を向けてくれてありがとう」と言える心のかたちがある。
ただの言葉で、妄信や熱に浮かされただけかもしれませんがここまで思わせてくれる廻花、花譜でもある彼女は本当に凄い表現者でした。


〇かいか

会場に満ちた優しい空気を後押しするかのようでした。
「初めまして うまく言えないのはお互いさま」とはよく言ったものです。きっと代々木の頃にあったこの歌詞の意味には、この瞬間にまた新たなもの託されていたと思います。

自分が受け入れられるのか、そこに姿を現す意味は何なのかに一つの答えを体現したからこそ滲む言葉の意味、よりのびやかになった彼女の歌は本当に綺麗でした。



締めの言葉と、「またね」といういつもの挨拶、そしてその決意を示す語りで幕を閉じたライブ。

いつも通りのクレジットは大きな拍手が上がったり、それまでは早めに途切れることの多かった記憶のある手拍子もなかなか止まずに続いていて、最後までその音が途切れることはありませんでした。最後の告知で寓話の参加クリエイター陣が出た時のどよめきなんかも非常に良かったです。

あとがき


終ってみれば今回も本当にあっという間でした。
楽しい!忘れられない!というよりも彼女の凄さに圧倒され感嘆しっぱなしの3時間で、会場を出てからも”凄かった…”というシンプルな感情を噛み締めてばかりの夜でした。

彼女のライブはなんといいますか、与えられる感情の種類が本当に唯一無二です。
地方民の割にはVを中心にそこそこ手広くライブにも行けていた今年でしたが、基本的にはそのほとんどを非日常の音楽体験に飛び込むようなものとして楽しんでいたと思います。
しかし彼女のライブはこみあげてくる心の奥底に突き動かされそうになった理、感動したり、ことばを噛み締めるようなゆっくりした優しさに意識を預けたり、そしてその熱量に圧倒されたり、本当に心全部を使って受け止めるものとして強く心に残ってくれています。

そして今回はリビルドという”当時を超えてくれること”への期待感や最推し☄もいたゲストパートの存在、何より廻花にちゃんと心づもりをして出会って向き合うことができるという事実もあって、満足感と心地よい疲労に包まれて終った、本当にいいライブとして楽しむことができていたと思います。

駆け足な部分も感じましたが、様々な時間軸の彼女を象徴する曲をさらいながら代々木の流れも上手く踏襲。かと思えばゲストパートから新曲への畳みかけで大きなインパクトを見せつけながら最後は廻花がストレートな想いと共に終わりへ向かっていく。
リビルドとして、今の彼女が打ち出せるものや期待されるものとしてこれ以上ないものだったと感じました。

同行者も音楽の趣味が合う仲間もいない身なので、これが終わった瞬間からこうして文字で壁打ちする以外の吐き出す相手がいなかったことがとても寂しかったです。そう思えるくらいには想いや感想の絶えない時間でした。


変化と前進を続けている彼女を応援していると、時折振り落とされないよう自分も変わらねばと思うことは何度かありましたが、それに近しい感覚もある時間でした。

当人が述べた通りこれからも彼女は花譜/廻花のどちらとしても表現を続けていって、そのどちらでも様々な世界を見せてくれるのだと思います。

思うことは多々あれど、じぶんの歌を聴く人をも想う優しさは変わらずある彼女を応援する楽しさはこれからも尽きないと今の私は感じることができていて、何より私は音楽とライブという場が大好きなのできっと変わらずこれからの展開を楽しみにしながら彼女を応援し続けるのだと思います。

ひとつの大きな転換点となった代々木、その再現と様々な想いの先にまた会えた彼女から受け取ったこれらの気持ちのいとしさに気付くことができた、そんな1日になりました。


締めます。

自分の中だけとは言えど長く、そして普段以上に様々な思いがそこにあると分かるライブをこうして陳腐な言葉に閉じ込めてしまっても良いのか、悩ましい部分はありました。
ですがあの会場で感じた衝撃やあたたかさ、何より忘れたくないと思えることを残すための精一杯のレポにはできたと思いたいです。

そして合計3度も現地に足を運ぶことが叶ったKAMITSUBAKIWARS2024プロジェクトもこれで終わり。これからの魔女たちがどのような歩みを見せてくれるのか、また楽しみにしながら過ごしたいと思います。


花譜、廻花、そしてこの舞台に関わった全ての方とあのライブを見届けたすべての観測者に感謝を。

本当に、ありがとうございました。


いいなと思ったら応援しよう!