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私の好きなV.W.Pのみんなの歌みたを語らせてください


普段は最推しである星街すいせい絡みを中心に小難しく長ったらしいライブレポばかり書いている私ですが、今回は神椿の魔女たちの歌ってみたを紹介したいという記事です。
たまには推し活noteっぽい内容で書いてみたいと思います。


2019年につべの広告が切っ掛けで出逢った「過去を喰らう」と就活中の22年春の私の胸を再び刺した「そして花になる」の2つで花譜ちゃんにハマり、そこを皮切りにVWPのみんなにハマっていった私ですが、その中でも凄いなと思うコンテンツの一つが歌ってみたです。

理由は至って単純で「数が多い、更新頻度が高い」という点に尽きます。
神椿所属アーティストたちの歌唱力の高さは説明不要、加えてそれぞれに特筆すべき個性があります。そんな異なる魅力を持つ人たちがそれぞれの魅力や世界観を活かした選曲で楽しませてくれるコンテンツが凄まじい頻度で飛んでくるのですから、歌が好きな人にはたまりません。

そして他のVの方でも多い「初見でオリ曲はちょっと入りづらい」という壁をクリアしつつ、他ではなかなか見ない曲も多数投稿している神椿の歌みたはかなり布教適性が高いのです。

今回はその中でも自分が好きだなと感じた作品、今めちゃくちゃ聴いている作品をメンバーごとに簡単に紹介させていただきます。



花譜

細くも揺らぎやうねりを感じる、独特で美しい息遣いが魅力のシンガーです。
声質だけで見れば優しい曲やゆったりと流れていくような曲が似合うのですが、言葉の一つひとつを心と共に紡ぐような表現と胸を掴むような感情の乗せ方からか自分の色に曲を引きずり込むかのようなアレンジ性を見せてくるのも楽しいポイントだと思っています。


・ノンブレス・オブリージュ
・爆弾
・さようなら、花泥棒さん


◆ノンブレス・オブリージュ

花譜ちゃんの歌みたは数もそこに生まれる名作も桁違いに多くこれというおすすめを選ぶのは難しいですが、彼女の凄さが誰にでもストレートに見えるものと言えばこれではないかと思います。

非常に速くて言葉数も多い、かといって早口言葉になってしまうと抉るような歌詞が作り出す曲の雰囲気に合わないという難しい曲です。加えてサビの「息が詰まる」という歌詞と息継ぎを許さない曲を、絶対に息が詰まることのない初音ミクに歌わせるという表現に意味を込めている、様々な含みを持った曲だと思います。
そんな高難度曲に独自の技術と表現で答えて見せたのがこの花譜ちゃんのカバーです。
音程をなぞるだけでは絶対に出せない強弱や息の震え・フォールの差し込み等の細かいニュアンスを散りばめつつ、自身の武器である儚くも存在感のある歌声を見事に曲に乗せてきます。そして「息の詰まる」サビは聴いていて本当に息苦しくなるかのような、いのちを歌うのに長けた彼女の強みが余すことなく発揮された歌唱を見せつけてきます。
原曲との対比も含め、ここまでの完成度で作られたカバーは本当に稀有だと感じる一曲です。

◆爆弾
丁寧な歌い方と言葉に丁寧に音を置く美しさが存分に感じられる一曲です。

今や彼女の音楽の半身ともいえるカンザキイオリ氏のセンスが迸る歌詞と、切なさに震えながらも力強さが見え隠れする花譜ちゃんの歌声とが心地よく溶け合います。
歌にその人の解釈を与える瞬間を見られるという「歌ってみた」の醍醐味が詰まっているのと、これを学生として過ごす最後の夏の終わりに聴いていた時の心模様が忘れられないのとで選ばせていただきました。

◆さようなら、花泥棒さん
割と昔の歌みたなのもあって花譜ちゃんの声がまだどこかあどけないですね。

感情の乗せ方もですが、私が個人的に大好きな語尾が息の切れ目と一緒にふわりと飛んでいくような、ぽつぽつと言葉を紡ぐ花譜ちゃんを味わえる一曲として選びました。最初の「いっせーのーで」から始まって終始言葉の紡ぎ方が可愛らしいんですよね。
可愛らしい歌声を活かしながらも寂しさやどこか危うげな夢想感漂う原曲に寄り添うバランス感覚の良さが窺えるのも好きなポイントです。


理芽

少女性と大人っぽさが入り混じる歌声と幅広い曲調を着こなす歌い方の引き出しの豊かさが素晴らしいシンガーです。
曲によって声の印象が細かに異なるところやバーチャルの世界では珍しいポップチックな曲との親和性の高さ、それを活かしたおしゃれな選曲・オリ曲展開が癖になります。
私自身も透明感や世界観に引っ張られてみたらその様々な音楽の表情と随所に覗くキュートさ、そして音楽をめいいっぱい楽しんでいる姿が大好きになってしまいました。

・赤ずきん
・花火
・ピースサイン
・鯨の子
・マンダリン


◆赤ずきん
テレビ番組に出演した際にも紹介を受けていたカバーです。

既存の作品に独自の解釈を盛り込むという、水カン特有の世界観にチの歌声が大変良く映えます。呆れ笑いが目に浮かぶかのような歌い方に声の流し方のかっこよさが畳みかけてくるだけでなく、ダウナー・キュート・ポップ・クールを行き来する「理芽らしさ」を爆発させている一曲だと思います。


◆花火
なんでこんなに曲と声が合うんですかね。

曲とその空気を汲み取るかのような、からりと爽やかな歌声が耳に心地よい。それでいて柔らかなタッチと語尾の息と力感の抜き方を両立していて、ただただ流れていく歌声の心地よさに心を預けていられる、心にひとしずくの透明を落としてくれるような時間を味わえます。
また「あなた」「悲しい」「うわっと飛んでいく」「花びら」…と挙げればキリがありませんが、様々な単語の発声や息の伸ばし方に感じられる不思議なやさしさやあどけなさも曲のイメージに綺麗に寄り添っているようにも感じます。
大好き。

ちなみに筆者の本記事での最推し曲です。公開1週目とか冗談抜きで1日20回は聴いてました。


◆ピースサイン
ちょっと意外枠です。えっ歌ってたんですかありがとうございます、みたいな驚きが見つけた当初はありました。

選曲の意外さは当時からかなり感じましたがこれがなかなか好きでして。
原曲が内から湧き出る決意を叫ぶ歌なら、このカバーは大きな壁にも負けずに小さく笑いながら語りかけて来るかのような印象を受けます。
やわらかく可愛らしくもありながらまっすぐさがにじむカバーです。


◆鯨の子
私にとっては不思議なパワーのある曲に、不思議な歌声の優しさを吹き込んでいるように感じるカバーです。

ミディアムテンポの邦ロックに透明で落ち着いた歌声、語るような言葉の紡ぎ方、そのすべてが灰色の景色とハイになって生きる力をそこに生み出してくれました。

というか原曲がすっごく良い。私もこのカバー切っ掛けで知りましたが、それ以来夜道を歩く自分に何度も温かい気持ちを授けてくれていました。
どちらも素敵なのでたくさん聴かせていただいてもらっています。


◆マンダリン
書きすぎ挙げすぎですね。でもこれ大好きなんで挙げさせてください。

曲も親和性も当然◎。なんせ裏命の曲でもありますからね。
何よりいいのはイラスト。歌声も相まって本当にドキドキしてしまいます。


ヰ世界情緒

不思議な歌声の持ち主だと思っています。
特筆すべきはその独特の高低を感じる歌声を基軸に織りなす世界観。マルチに創作に取り組む彼女自身が生み出していくそれを後押しするような儚い高音と、喉の奥で熱されたかのようなかっこいい歌い方の二面を楽しめるのが個人的に好きなところです。
歌みたの選曲も全体的に見ればバラードや落ち着いた曲が多いのですが、不穏なかっこよさを前面に押し出してのボカロカバーも名作揃いです。

  • 猫の食卓

  • 1000年生きてる


◆猫の食卓
彼女の纏う世界観との親和性の高さ、そして歌声の活かし方がこれでもかと組み込まれています。きくおさん楽曲と相性が良すぎる。

呟く様な言葉の置き方、語りとの境界がぼやける瞬間、高く美しいコーラスと、本当に彼女の魅力が良く映し出されています。儚さと恐ろしさの二面性をはらめる歌声の織りなす一幕に引き込まれます。

彼女に限った話ではないですがこういった不穏や不気味の漂う歌をただ細い声やオケに頼った音作りで形づくるのではなく、歌唱力と細かいニュアンスへのこだわりでその完成度を見せてくる人というのは例外なくとんでもない歌うまであるイメージがあります。
そこを声質・歌唱力・表現の妙・プロデュースによってなされた自身のイメージを総動員して魅せてくるあたりにお情の凄さを感じずにはいられない一曲です。

◆1000年生きてる
歌声の質もあって人らしさを薄める曲に強い彼女が、我々の視点では創作や芸術に強い結びつきを感じざるを得ない彼女がこれを歌うという時点でもう強いんですよ。

個人的に好きなのは終盤で不穏さを増す歌い方に合わせてイラストがガラッと変わるタイミングです。
全体通して不気味さと小気味よさが特徴的なこの曲に、歌声で大きく表情を変えて見せるヰ世界情緒というシンガーが綺麗にぶつかっていく様を感じることができました。そしてお情の人を薄める表現もこの曲に良く映える。ただ無機質になるのではなく怪に盛り上がるラスサビが飲み込むような迫力を生み出しています。

また余談ですがこれをカバーしているVの方の作品、どれもすごくいいんですよね。皆さんそれぞれの切り口で魅せてくるのですが、インターネットとしての存在が重要なアクセントになる他作品と比べて「芸術」に寄ったらしさが感じられるのがお情のものの良さになっていると勝手に思っています。


春猿火

歌声とメッセージのパワフルさ、そしてラップが魅力のシンガーです。
なんですが、個人的にはそのまっすぐ美しい声が大好きです。
かっこいい曲調、哀しい曲調、すこし弾んだ歌、そのどれであっても春猿火の存在感がまっすぐに光る綺麗な歌声と技術の高さ、そして曲に吹き込む感情の鮮やかさが本当に魅力的です。


命に嫌われている RAP VERSION
・季節は次々死んでいく
・Deapartures~あなたにおくるアイの歌~
・Night Candy

◆命に嫌われている RAP VERSION
春猿火の代表となる歌みただと思います。これは聞いたことのある方も多います。
他でもない私も、この動画を切っ掛けに春猿火というシンガーを知りました。

まずそもそもRAPアレンジというところが非常に強い。
馴染みある1番が終わってから怒涛のように紡がれる新たな解釈、世界観を崩さず冷たさも熱も与えるかのような歌唱、叫んでもいないのに強く突き刺さってくる鋭い言葉が全く新しい「命に嫌われている」を作り出しています。
春猿火にしかできない音楽の型の一つであり、今でも昔でも彼女の歌に出逢った人すべてに触れてみて欲しい衝撃です。

今回はこの一曲に留めましたが、この後からも出てくるRAPアレンジカバーはどれも素晴らしいので是非。


◆季節は次々死んでいく
本文で紹介する歌みたの中では先述した花火に次ぐ鬼リピ曲になっています。とても好き。

厳密には2023年8月に開催されたカバー楽曲限定のYoutubeライブ、「シュークリームライブ3」で披露された一曲です。
神椿のデザートライブは生演奏をバックに歌うため、シンガーの色だけではない部分でも生まれる原曲との雰囲気の違いもその醍醐味の一つです。
この曲はその中でもかなり毛色の違う仕上がりになっています。原曲ではピアノとギターサウンドが激しく混ざり合うサビも、このカバーでは装いを変えすっきりとしながらもピアノが悲哀を漂わせるサウンドが彼女の歌声を盛り立てます。
優しく切なくもまっすぐな声に包まれる素敵なカバーです。


◆Deapartures~あなたにおくるアイの歌~
シュークリームライブつながりで行きましょう。こちらは2022年8月のシュークリームライブ2で披露されました。

バックに流れるのはピアノの音のみ。温かく優しい歌声が美しく通り抜けていきます。
彼女の声の透明感と感情の乗せ方の巧みさが光ります。


◆Night Candy

優しさ、ポップな可愛らしさ、声が美しく通り抜ける時に覗くかっこよさ、その全てが織りなす雰囲気が心地よい一曲です。
全体に光を与えるような透き通ったコーラスやイラストの空気感の良さも大好きです。


幸祜

個人的に神椿の魔女たちの中でも最も美しい歌声をしていると思っています。ロングトーンと高音の美しさは必聴です。
突き抜けるような、それでも明るく陽の降り注ぐ感じとはまた違う青さが想起されるようなまっすぐ澄んだ美しさが大好きなんですよね。一番青空が似合う魔女と勝手に呼んでいます。
感情のこめ方や世界観を生み出す力、歌唱や声質の傾向に強い個性を持つ変化球持ちが多い魔女たちの中で、正統派ド直球の上手さと声の美しさで魅せてくるところとどんな曲にもなじむまっすぐさと声の綺麗さが本当に大好きなシンガーです。

・Hearts
・夜は眠れるかい?
・あなたの夜が明けるまで


Hearts
nikiさん特有の悠然さを帯びたメロディとサビでスパーンと音が突き抜けていく構成との相性の良さが素晴らしい一曲です。

同時にこれが彼女のデビューとなった動画だというのも驚きです。透明感と突き抜けるような力強さのバランスの良さもさることながら、落ち着いた美しさが光る低音域から高音へ一気にシフトする技術力の高さも見事です。


◆夜は眠れるかい?
彼女の魅力の一つが歌みたの選曲におけるアニメ・ボカロ曲とかっこいい系の曲の多さ。その歌唱力の高さによってすっと耳に入ってくるのもそうですが力感の使い分けに長けているのもこういった曲との親和性の高さに繋がっているのではないかと想います。

そこでこの曲です。
危うげなかっこよさが光る曲ですが持ち前の声の美しさをうまく乗せてきます。Aメロの妖艶さからしなやかでインパクトあるサビまでの流れがとてもいい。
イラストの吸引力もなかなか高いので初めて聴いた時は肝を抜かれました。


◆あなたの夜が明けるまで
聴け。

本当にきれいなんです。掠れや震えの混ざった声も、細くも芯がある美しさも本当に綺麗で…
頼む、聴いてみてください。



良い締めも思いつかないので短めに。
ここに挙げたのはほんの一部。何ならここから大量の歌みただけでなく大量のオリジナル楽曲、アーティスト同士とのコラボプロジェクト楽曲、本記事で挙げた5人のユニットであるV.W.P楽曲、果てはこの5人以外の神椿所属アーティスト‥‥
良い曲を探し出すとほんとうにキリがありません。

だからこそその入り口、お試しの一歩として触れやすい歌ってみたは沢山の方に聴いてみていただきたい、そんな思いとオタク語り欲求を満たすための記事でした。

拙筆極まるものではありましたが、ここまでご覧いただきありがとうございました。
みなさんも神椿楽曲、聴こう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
聴いて!!!!!!!!!!!!!!!!!


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