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新たな神椿が花開く夢の祭宴              神椿後楽園戦線Day1「SINGULARITY LIVE Vol.3」現地参戦レポ


こんにちは、リョと申します。


2024年9月14日、15日の2日間にかけて、神椿スタジオの送るライブプロジェクト「神椿後楽園戦線」が東京ドームシティホールにて開催されました。



今回は花譜と理芽によるツーマンライブシリーズの第三弾、Day1「SINGULARITY LIVE Vol.3」とDay2にして理芽初の有観客ワンマンライブ「NEUROMANCEⅢ」に両日現地参戦が叶った筆者によるレポになります。

セットリストの重複や鮮度良い心のまま書き綴りたいという我儘から毎度のごとく歪な書き口と構成の拙筆、自分のための記録にはなりますがご容赦ください。



Day2は完成し次第別ページで載せます



今回のライブ参戦の経緯は大きく3つ。元からふたりの曲をよく聴いていたこと、6月に二人も出演していたMUSIC VERSEFesのパフォーマンスを見て心動かされたこと、そして一番は23年冬にリリースされた理芽の2ndフルアルバム「NEW ROMANCER2」がバッチリ刺さったことにあります。

神椿関連メインのライブは現地参戦経験が不可解参(狂)のみと少ない身であったほか、配信限定ライブもそこまで熱心かつ漏れなく網羅出来てはいない身だったのでかなり悩みましたが、折角なら現地かふりめもパワーアップした理芽の音も浴びてみたいという思いで応募に踏み切りました。


印象的だったのが今回の会場であるTDCホールの規模感。このふたりにはかなり狭いという点には目を瞑れませんが、それを差し引いてあまりある客席の近さ、音の良さがありました。
正直SとかABとか関係なかったです。S席当選なのに3階席後方と知ったときは少しがっかりしていましたが、全く気にならないくらい良く見えるいい席でした。両日共に列の端で動きやすかったのも嬉しかった。

昨今はどこも人気になってきたおかげで1万以上の大箱が増えましたが、その中でも客席とステージとの距離が近いライブを体験できる機会に恵まれるのは嬉しい事です。


開演直前のアナウンスに登場したと思えば特大の噛み椿をかましてくれる花譜ちゃんに会場中が笑いに包まれながら、ライブが始まりました。



「SINGULARITY LIVE Vol3」  セットリスト

理芽part
・おしえてかみさま
・えろいむ
・さみしいひと
・チクタクボーイ
・食虫植物
・ピルグリム

花譜part
・過去を喰らう
・私論理
・夜行バスにて
・イマジナリーフレンド
・この世界は美しい
・ゲシュタルト

かふりめpart
・不埒な喝采
・飛翔するmeme
・打上花火
・フォニイ
・トウキョウ・シャンディ・ランデヴ
・アイドル
・魔法
・魔的
・飛翔
・キャンディーゲリラ(新)
・宣戦



まずはOP映像。
イメージとして神椿のライブの映像やVJ周りは荘厳な世界観に固められている印象がありましたが、今回は入りからえらくポップな雰囲気で始まりました。
マーチやbitアレンジの雰囲気を感じるちょっと気の抜けた明るさのあるBGMに乗せてアメリカにもロンドンにも、はたまた日本にも見えるごちゃついた街を歩くかふりめの構図から一気にファンタジーな色使いに場面がうつりかわります。

ライブのコンセプトのひとつに「お祭り」が明言された通り、楽しげな雰囲気を端々から感じるオープニングでした。

そして演者紹介映像もシャープさがありつつ、スマブラのキャラ選択のようなパーティ感があるポップな演出。
トップバッターに現れたのは理芽チです。

〇おしえてかみさま

煽りの声から本当に楽しそうでニコニコしました。「待ってたぜ~?」というあの言葉も、きっと長く彼女を応援してきた芽組や、何よりリアルライブをようやく迎えた彼女自身からすると本当に心から溢れるものがあったと思います。

一発目はおしえてかみさま。バンドアレンジが軽快な空気をもたらしながらも、歌い出しからはきっちりと理芽チのエアリーな歌声を盛り立てる妖しい音を組み立ててきます。歪むギターに粒立つ低音,優しいピアノとどれも凄くかっこよかった。

アルバムの収録順も前の方ではありますが、この曲想像以上にライブを盛り上げるパワーがありましたね。大きなスクリーンに映るMVの飲み込んでくるような異質さと神々しさもあってめっちゃ声を張る訳でもないのに、ライブが始まったという強烈な事実を全身に叩きつけてくるものがあって楽しかったです。

〇えろいむ

一気に治安の悪い音でつないできたえろいむ、めっちゃテンション上がりました。
現地の特権ですがドロップの音圧が本当に興奮しました。自分の席の広さにかこつけて腕も頭も膝も目一杯に振り倒して楽しんでましたね。

あとこれは2日間ずっとの話ですが理芽チは本当に盛り上げ所を分かりやすくしてくれていてありがたかったです。間奏やドロップで毎回丁寧に煽りやさりげないパフォーマンスを散りばめてくれるので本当に楽しくてノりやすかった。まだ神椿のライブの空気に慣れてない身としても凄く助かりました。

彼女自身ライブの経験自体は豊富なので当たり前ではあるのでしょうが、それでも自分の曲を自分のライブでどう盛り上げれば面白いかを本当によくわかっているのは凄いことだと思います。

●MC
毎回触れると同じこと言いそうですが理芽チのMCマジでかわいいっすね。あんなん好きになってしまう。
間違ってたら申し訳ないですが多分芽組が一番推しに恋しちゃってる勢が多いような気がしましたね。現地行ってなんか確信したんですけどどうなんでしょうか。

一発目のMCなので定番の声出しから始まりましたが3階席のでかい声に加担できたのは嬉しかったです。アリーナのいい席の奴らには負けられなかった。

色々ライブに参戦している身なので忘れがちでしたが彼女も芽組もずっとこれやりたかったんだろうなと思うとテンションの高いリアクションやヤジも納得です。会場とのコミュニケーションも細かにコミカルにとってくれているのが分かってとても良かった。
感想タグでも散見されましたが神椿界隈でもこういうノリのライブを求めてる人が沢山いたようで、それが色々な変化や醸成を経ている今実現してるのは良いなぁと思いました。


〇さみしいひと

MCを早々に切り上げクラップから始まったのはさみしいひと。この時点でだいぶ代表曲を揃えてきていたので翌日の心配なんかもしていましたが、会場のアガりかたも凄まじいものだったのでそんな心配も一瞬で忘れてしまいました。
イントロのコーラスに関しては周りの空気に遠慮してしまいましたが、ここはもっとデカい声で歌っておけばよかったです。慣れない界隈の現地ライブで声出すのは勇気がいる、それはそれとして配信にドでかく乗るくらいの声で盛り立てておけばよかったという後悔もややあります。

本当に上手く言葉に出来ないのがもどかしいですが、理芽チの歌や曲の空気を作り力は本当に凄いですね。
さみしいひとなんて世界観全開な楽曲ではあるものの、あの楽し気なMCからこの温度感までを違和感なく移行してくるのは歌い手の手腕によるところだなぁと感心しました。ミドルテンポな曲の中で妖しさと澄んだ空気を行き来するあの感じはやっぱり楽しい。

〇チクタクボーイ

これは本当に楽しかった。DAY1理芽ソロパートの個人的ベストアクトです。なかなかライブでの披露のイメージが無かっただけに時計の針がモニターに出た時はびっくりしました。

そもそもそれまでの数曲よりもガーリーな雰囲気を全身に纏いながら歌い始めて、サビではダンスまで魅せてくれる太っ腹演出が反則なんですよ。ホンマに可愛かった。

こういう曲が挟まってくるとライブに一気にメリハリが出て楽しいんですよね。終始楽しく踊り狂ってました。

〇食虫植物

MCを挟んでソロパートラストブロックに入ります。
まずは食虫植物。ほかの曲もそうですがこのテンポ感できっちり会場が盛り上がるのは彼女ならではだなと思います。原曲の雰囲気とバンドのアレンジとのマッチも凄まじく、会場全体で緩やかに狂っていくような気持ちよさがたまりませんでした。
実際あの爆音とドエロいギターに乗せて理芽チの歌声やら会場の灯りやら適度に溜まった疲労が心にじわりと押し寄せてくるあの感じは最高でした。

〇ピルグリム

オシャレなつなぎからラストの曲に入ります。
直近で参戦したMUSICVERCE FESでの名演もあって淡い空気感で包むようなイメージを強く持っていましたが、あの時とはまた違うオシャレさや心地よさ、疾走感もわずかに漂う本当に楽しいパートでした。Cメロのドラムの音の粒とか本当に気持ちよかった。
アウトロでは全身を使って会場を盛り立てる姿も見せてくれたりで、終始楽しかったです。


花譜Part

〇過去を喰らう

件のスマブラ画面から始まりバトンタッチした花譜ちゃんが登場します。出だしから興奮でうわずった声なのがもうたまらんかったです。

一曲目は過去を喰らう。意外なところを突いてきました。
最近では何気に珍しい選曲となったこの曲ですが、それでもやはり代表曲としても色褪せない魅力がありますね。当時の映像をバックに歌声も姿も変わった今の彼女が会場を盛り上げている構図も最高です。

私自身花譜ちゃんを知った切っ掛けなので割と思い入れのある曲ではありますが、それを差し引いてもやはり盛り上がる曲ですね。会場の熱もイントロの時点からぐっと跳ね上がっているように感じました。

〇私論理

懐かしい曲からのスタートに浮足立ってたら見事に追撃を食らいました。そこまで細かく追えていない私ですらめちゃくちゃ久しぶりに感じるということは相当懐かしい選曲なのだったのでは?

昔を思い起こす選曲とは裏腹にゴリッゴリにアレンジをきかせてくるバンド隊、リリックパートで昔とは別人の陽気さかわいさをかましてくる花譜ちゃんと今ならではの魅力と楽しさを見せつけてくれました。会場の煽り方がいちいち可愛いんですよね。

あと私はこの辺でDAY1のノリをある程度確信できました。理芽チの時から漂ってたはっちゃけた楽しさというか何でもあり感に花譜ちゃんが決め打ちをしてきた感じです。

MC

もうかわいいっすね。謎ステップに甘噛みを触れずに押し通すMCなどなど、書き連ねるのがめんどくさいくらいに可愛いかった。
ここで花譜ちゃんからこのライブが「お祭り」であることや色々歌っちゃうぜということが明かされます。いざ言葉にされるとめちゃくちゃワクワクしました。


〇夜行バスにて

そこまで懐かしいやつが来るとは思わなかった。何年前ですかこれ。

この曲も現地適性がものすごく高かったように思います。音の数と共に感情が盛り上がるかのようなサビを、重厚なバンドサウンドと昔よりも力強く豊かになった花譜ちゃんの声で聴けるのは最高に贅沢でした。リードギターのアレンジに腹をどついてくる低音、何より明らかにこれまでの神椿のライブとは毛色の違う様子を感じたのかパワーを増した会場の観測者たちにあてられて全力で腕を振りました。

〇イマジナリーフレンド

花譜ちゃんパートでの個人的ベストアクトです。やっぱり凄い曲。
全身にでっかいエネルギーを受けて、感情とか熱い血がぶわっと駆け巡って、笑みと共に体が震えるような、私がライブを愛する理由にもなっている感覚をダイレクトに食らうことができました。


「消えないでよ」からギターの音が盛り上がるのも、ラスサビに向けて言葉が暴力的な優しさと悲しさで押し寄せてくるのも、それを泣くように歌う花譜ちゃんの佇まいにも、全てが衝撃的なエネルギーを帯びていました。

それこそ初めて神椿を現地参戦できた武道館での大森さんとのコラボイメージが強烈だっただけに、花譜ちゃんひとりで表現しきるこの曲のパワーも新鮮な感覚で楽しめました。

〇この世界は美しい

タイトルでも楽曲をサビまで聴いても記憶にヒットしなかったのですが、帰り路で調べてめちゃくちゃ鮮明に思い出しました。というかまだこの曲配信や単体のMVなかったんですね。
怪歌でGuianoさんと歌っていてあったけえ曲だなぁとしみじみしていた曲もソロになると一段と優しくて明るくて、とても良かった。
ソロパートを見返してもこの曲だけ良い異彩を放っていて結構記憶に残った曲でした。

〇ゲシュタルト

前述した6月のイベントで現地ゲシュタルトは楽しいということと、ダンスはきっちり覚えたほうがもっと楽しいということを知っていたのでバッチリ予習をしてきた曲でした。
ここで来るのは嬉しかった。

ノりやすくて曲内に分かりやすい波がある、そして何よりサビが可愛くてブチ上がる。楽しくないわけがありません。
跳んで腕降って声出して、ダンスに合わせてペンライトの振り方を変えてみたりでそれはそれは楽しませていただきました。
あと遠目で見てもかわいい動きをしていましたが、アーカイブで見返すとこの時の花譜ちゃんの可愛さは凄いですね。どんどんライブの盛り上げ定番ナンバーになっていってほしい。




本日のメインイベント、二人のデュオパートです。


まず総評。
セトリが神がかってた。あとオタクを理解しすぎてて怖かった。

これ、見た人現地に行った人みーんなが思ったんじゃないでしょうか。
そこはかふりめを追ってきた神椿のファンなら押さえて欲しいよねというリリース曲は抜かりなくおさえながら、カバーパートは「あの二人にはこれ歌って欲しいよねぇ!!!!!!まあ妄想だけどさwwwww」なんていう飲み会のトークテーマで勢い任せに出てきた曲をそのまま出力したかのようなオタク殺しを揃えてきてました。
私とてかふりめ両方もそのコラボも楽しみにやってきましたが、終始冗談かよと大笑いしてしまうようなセトリの波状攻撃を喰らえて最高に楽しかったです。

〇不埒な喝采

一曲目は不埒な喝采。これめっちゃ楽しかった。
花譜と可不の同質ながらも温度の違う声で紡がれる原曲ですが、これを心地よく溶け合う二人の声でカバーしてくるのがもうズルい。理芽チの高くしなやかな声が入ることで曲全体が綺麗に引き締まっているように感じました。

あと私、この曲はサブスクでばっかり聴いていたのでMVを初めて見たのですがこれも良かった。「なんか背景込みで急に踊りだしたぞ????」と一瞬面食らいましたがキャッチーで覚えやすい振り付けは二人を一段と可愛くしていて、後ろに大きく映し出された映像と合わさってライブ体験としてのインパクトがかなり強く残りました。

歌詞や曲調に似合わず眼前の絵面がゴキゲンなことになっていたので楽しくノって、二番以降は自分もダンスの振りをペンライトを振る動きに混ぜたりなんかもして、好き勝手に踊って楽しんだりもしてました。

あとこれも余談ですが、この二人の並びの良さを再認識したりもしていました。

有り得んくらい"良い"構図


雷鳥衣装の白がイメージ以上に二人の対比を醸し出していたのもありますが、ふわりという効果音が出てきそうな動きと語り口の花譜ちゃん、動きも口調も軽やかでテンションが高くて、それでも歌えばしなやかさの際立つ理芽チが並ぶ構図、現地の空気込みですっごいいい質感を目の当たりにして「うお…これがかふりめか…」みたいな気持ち悪すぎる感慨に一瞬浸ってしまいました。キモい。

〇飛翔するmeme

再度の自己紹介中しれっと流れるつなぎのイントロがもうすでにテンションを上げてきます。語彙力がないのを承知の表現になりますが、生バンド×かふりめの飛翔するmemeはなんかめちゃくちゃオシャレでした。

サビのわきわきするダンスの可愛さが凄かった、と思えばすぐにオシャレな歌唱とピアノの音に引き戻される。二人そろって高い音でも嫌な引っ掛かりも無しに綺麗に歌い上げてくるからそれもまた気持ちいい。加えてハモリも美しい。そんな感じで終始楽しい&オシャレ、そして新鮮な魅力を楽しめました。

〇打ち上げ花火

オタク大好きパート。
自分もですがここの会場の声のデカいざわめきは「神椿!!!!!!こんなライブをよくやってくれようと思ったね?」みたいな感情いっぱいで良かった。

オタクが歌の歌えるコンビ的な組み合わせにとりあえず歌わせたい、悩んだらとりあえず見たいとうわごとのようにつぶやく、夏に添えるにはベタすぎるけど良すぎるから結局外せない、偏見マシマシですがおよそこんな印象に落ち着く打上花火をこの二人の歌唱で聴けるなんて誰も想像できませんよ。
マジモンのシンギュラリティを起こすんじゃない。
カバーもあるかもとは言われてましたけど、めちゃくちゃ不意を突かれると同時に嬉しかったですね。

当然良かった。あんまり記憶はありませんが歌詞割りと二人の表現力が完璧すぎて合掌してた気がします。
花譜ちゃんのゆっくり優しく言葉を紡ぐような歌い方、短いフレーズの中にも揺らぎやうねりを感じる息遣いが好きなので、「あの日見渡した渚を 今も思いだすんだ」の部分から本当にグッと来ました。
そこに優しく添えられる理芽チの歌声やハモリ、ペンライトの海が揺れた後に会場に最後まで残ったピアノの余韻、全てが美しい時間でした。

●MC
ここのMCは過去のシンギュラライブメンバーの振り返りで合の手を入れる花譜ちゃんの可愛さ、バンド隊のBGMや効果音の面白さ、多すぎるハスターお面にちょいちょい口が滑る理芽チと色々ありましたが、やはり乾杯が一番楽しかったです。

会場のみんなで乾杯なんて聞いたこともありませんでしたが、これめっちゃ良かったですね。世界一うまいアクエリが飲めました。
くどい話ですがこのノリが神椿で出てくるかという驚きやうれしさであったり、TDCよりもでかい規模の箱だとなかなかできないコミュニケーションだと思えばこの箱の狭さにもいい所あったんだなという謎の感慨であったり、色々と思うところのある一幕でした。
乾杯を提起したニキにも感謝です。


〇フォニイ

ぶち上げカバーゾーンが続きます!じゃないよ。ちょっとは加減してください。
実質そんなゾーンでした。

フォニイはびっくりと共に納得感も結構ありましたね。花譜ちゃんの繋がりと二人の声質と曲との親和性を容易に想像できるのが良かった。
今やボカロの代表曲、Vの歌みたでアホほど見かけるド定番曲ですがやはりこの曲にはこの声ありと思わずにはいられないしっくり感がありました。

カットの利いたギターと厳ついドラムを筆頭にこれまたイカしたアレンジに乗せてクラップ声出しをする時間が楽しかったですね。


〇トウキョウ・シャンディ・ランデヴ

ずっとフルスロットルです。可愛いのギアをまだ上げてくる。

めっちゃ良かったんですけど特にめちゃくちゃ巧くなってる2番の花譜ちゃんのラップパートや飛び跳ねながらでもすらっとしたパフォーマンスが美しい理芽チが良かった。
この辺のセトリはだいたい何も余計なことを考えず頭振っていましたが、ステージ上に見ていて笑みがこぼれるような光景や一幕があるのはやはり嬉しいですね。
締まらない決めポーズで笑ってしまうところまで最高でした。

〇アイドル

かふりめのアイドル。この字面だけで酒飲めそうな響きしてますよね。
これ、実現するどうこうは疎か、そういう手もあるという発想にすら至りませんでした。

殴るようなギターアレンジも入ったイントロが流れた瞬間は本当にでっかい声出ました。この日のセトリの冗談じゃない具合を跳ね上げるトンデモ選曲でしたね。手加減を知らんのか。

まずは「エリア」や「ミステリアス」のアの字の発音が跳ね上がる理芽チの歌い方と声質のハマり具合が凄くてニッコニコしてました。色っぽ可愛いがすぎた。
あとは一番の歌詞に色濃く覗くのらりくらりとしたイメージを、かふりめ二人の歌声がそれぞれの魅力で爆発させていたのも最高でした。笑顔と頭のキレで追及を躱す余裕の理芽と天性の可愛げや爛漫さではぐらかす花譜、みたいな幻覚が見えた。
そのくせちゃんと力強さや不穏も持ち前の歌唱力で魅せつけてくるのがたまりません。個人的には一度音の底を撫でて湧き上がるような理芽チの歌い方が曲にめっちゃ合っているのも楽しいポイントでした。

そしてサビのダンス。この二人がこんなにガッツリなダンス込の歌唱をしてくるという意外性も相まってめちゃくちゃ良かった。ラスサビ前にしれっと花譜ちゃんに姫ウェーブする理芽チとかも面白かったです。

しかしまあまさか神椿のライブでバチバチのコールにジャンプをしながら楽しむ日が来るなんて思ってもみなかったです。

普段はどうあれライブにおいてはどうしても昔のイメージ、荘厳さや世界観が前に出る歌唱にMCに演出が先立つライブを売りにしているイメージが自分の中で強かったほか、最近の代々木決戦やメディア展開からも頭を空っぽにして楽しむにはちょっと難しい面は残っているというイメージが勝手に自分の中で根を張っていたように思います。
ですがこんなオタク大好き選曲も、可愛いダンスに掛け合いも、スッカラカンの頭でも楽しい音楽体験も全部詰まった時間がこの空間で展開されているというのは、私個人としては物凄く革命的で嬉しいことでした。

●MC
しれっと八咫烏に着替える二人。可愛い。
こうしっかり見てみると黒基調の花譜ちゃんも色調に反してどこかあどけない雰囲気と美しさが両立する理芽チもめっちゃ可愛いですね。
そしてここで衣装を揃えてくるということはという期待通りに、二人とそれにより所縁のある楽曲たちの披露になります。

〇魔法

ここまでのカバーパートもそれはそれは言葉に尽くすのが野暮ったい程に良かった。ですがやっぱりこの二人のライブとくればこの曲を待ちわびていましたね。

何よりもふたりの歌声がアレンジで入りからガラッとその装いを変えたメロディに負けない迫力を帯びていましたね。各々の声の芯が強くなったこともあり掛け合いもハモリもかっこよさや力強さを強く感じる、これぞ神椿の魔女の先駆けとなったふたりだと言わんばかりの歌唱でした。
直近でもアイスクリームライブで聴いたはずなんですが、ライブ会場ならではの高揚と音のぶつかり合いもあって本当に震えました。

〇魔的

会場の治安を一気にゴキゲンにする唐突なクラブサウンド、それに連れられてきた魔的の興奮は凄かったです。

この曲はバンド隊が最高にいい仕事をしていました。
アーカイブでも察するでしょうがやはりこれは現地特権。キック音の歪みと低い唸りが体に響くあの感じは実に、それはもう実にライブの醍醐味でした。
というかもうずっと何かの音が治安悪く会場を揺らしていました。三枚も揃えたギター、それを支え揺らすベースにドラム、そしてあらゆるシーンで音を美しく締めるピアノ。全部が暴れ闘うようなぶつかり合いの中で歌う二人がまさに曲の世界を体現しているかのようで、その一端を味わっているかのような最高の体験でした。
難しい音の上下を乗りこなす理芽チも凄かったですが、これだけ強い音の中でも儚さと感情の表現がこぼれそうな歌声をのせてくる花譜ちゃんがとても神々しかった。


〇飛翔

VWP曲が来ることは予想していましたが飛翔で来るのには驚きました。
5人のハーモニーの神秘性とどこかに覗く暗さ、あと筆者の個人的な受け取り的には魔女にはかなり珍しい部類のストレートに響くメッセージが照らす光が魅力の歌だと思っていましたが、デュオも悪くない。むしろめちゃくちゃ良かった。

そもそも歌詞(「二人きりの地獄に行こう」)とかタイアップ作のイメージとの相性が二人での歌唱に適している。そしてVWPのコンビの中ではかなり儚さや尊さの担当比重が大きい(主観)かふりめがこれを歌う時の空気の美しさったらなかったです。
曲にちりばめられた空白や余韻を綺麗に掬い上げながら美しい歌声をそっと添えていくのが本当に素敵でした。曲に乗せて揺れるペンライトを後ろの席から眺めながら心を漂わせるあの時間にもう一度戻りたい。



MCもはさんで最終盤戦に入ります。
まずはバンド紹介。

随所で触れたので今更ですが本当に最高のバンドでした。
曲に新たな魅力や切り口を与えるアレンジ、二人の歌声を支える演奏、魅せるソロ、全ての曲にすべての魅力を取り揃え最高のライブを作り上げていました。
現地に行けて良かったと思う理由の一つです。感謝。

とテンションを上げてたら新曲でした。

〇キャンディゲリラ

なんですかねあの可愛くてたっのしい曲は。早く音源が欲しい。


これまでの二人の曲も好きですが、これは今の二人とそこから生まれる掛け合いっぽさが強く出ていてとても良い。ポップでアゲアゲ、変わったリズムもクラブのヤンチャな空気もまとめて味わえる最強に良いカンジな一曲でした。
こういう徹底的にキャッチーで楽しい曲で盛り上がってる瞬間が一番楽しいですからね。また機会に恵まれれば現地で跳ねたいです。

狂あたりの空気感や最近の楽曲の方向性でも感じることがあったのですが、たぶん花譜ちゃんはこういうクラブ文化に足や下手したら頭をを突っ込んだ曲とかが大好きなんだろうなぁという妄想も勝手にしてしまいますね。
こういう表現の広がりと、その中でも彼女たちの歌声の魅力が生き生きと輝く舞台に立ち会えるというのは凄く嬉しいです。

げに尊ぶべきMCを終え、最後の曲です。
本当に終わってしまうのがさみしかった。

〇宣戦

お恥ずかしい話で、ちゃんとフルで聴くのは初めての曲でした。
来歴自体は知っていたと言えど、個人的にはふたりの曲というよりはVWPのアルバム収録曲の一という感覚の強い曲でした。

疾走感と力強さ、二人のハモリ、カンザキさんの系譜が迸る歌詞、全てが後楽園戦線というライブの一つの終わりを飾るにふさわしい曲だなと思いながらどこか惚けた頭で聴き入っていました。

人生全部フィクション


この二人のライブの締めはやはり可愛いでもアゲアゲでもなく、どこかに置いてきた心を刺激するような、感情揺さぶられる曲ですね。
まっすぐ力強い、でもどこか優しさに手を取られるような曲と共にライブは幕を閉じました。


アンコールは無く、明日への楽しみを煽る一言と可愛らしい去り方の二人を見送って流れるエンドロール、それに幸せに疲れた身体で手拍子を送る時間すらも愛おしかったです。
ポップでビットなアレンジ、バンメンやPさんの名前が出ると大きくなる拍手と会場のあったかい空気感と、最後までライブのいいところ・自分の好きなところが詰まっていた幸せな2時間でした。




完全に主観ではありますが今回のライブ、神椿の贈るライブ史上でも一二を争う良いライブと呼ばれるんじゃなかろうかと思います。

途中で若干触れたのと同じ話にはなりますが、本当に今の神椿でこんなにも純粋におもしろい音楽体験としてのライブが見られるなんて思いもしませんでした。
破らずともクオリティが担保されていたため突破できていなかった、あるいは色々な理由や背景から破るのが難しかった一つの殻を大きく破るかのような大きな変化と呼ぶべきなのでしょうか。
破った結果とんでもない大爆発を魅せてくれました。

実際にPさんの終演後のポストでも言及されていたように、シンプルに楽しめる、古参も新参もあらゆる面で満足させられる自由で反則まみれで最高なライブでした。

私は長く神椿のガチファンをやっていた訳でもなく、ただほんの少し昔に花譜ちゃんを見つけてからその音楽やゆかりのある魔女たちの音楽にぽつぽつと触れてきただけのライトなオタクだと思います。
ですがそれでもその時代のバーチャルに特別な思い入れのある自分にとって、就活でボロボロになっていた自分をふと救ってくれた花譜ちゃんと社会人一年目のつらい冬にその曲で背中を押してくれていた理芽チに魅せられてしまった自分にとって、今回のライブは本当に途轍もない満足度と多幸感がありました。

自分をこの世界に引き込んだ一端でもある過去を喰らうやその時代の曲を聴けて、神椿のライブ空間を知った頃の初々しいかふりめからは大きく変わった二人とその頃の楽曲を同時に目撃出来て、そして今だからこそできるバカのバイキングのような、オタクの飲み会で出た理想論全部乗せのようなカバー曲や音楽体験に身を委ねることができて、本当に良かったです。

長くガチファンをやってきた方ならもっと違う感想、色々溢れる思いはあるのでしょうが、私から出る言葉はこんなところが精いっぱいでした。
でもこんな自分でも完璧だと、これ以上ない楽しい時間だったと、どんなファンも満足だろこれは納得できるものがそこにあったというのは、本当に素晴らしい事だったのではないのでしょうか。


本当に、終始終わってしまうのが寂しいと思いましたし、帰りに誰とも感想を語り合えないソロ参戦の身を呪いましたし、今度は誰かと一緒にお酒飲みながら感想を語ったりこの界隈の先輩方に色々聞いてみたいです。

今に至るまでそれぞれの活動の在り方も二人の関係性も大きく変わり続ける花譜・理芽の二人ですが、きっとこれからも最高の音楽を魅せ続けてくれると思います。
その活動やこれからの進化も追いかけつつ、またこんなハッピーなお祭りの舞台を見せてくれたらこんなに嬉しいことはありません。
そんな時を期待しながら、これからも変わらず二人の音楽を楽しみながら応援していきたいと思います。

良いライブでした。
かふりめのふたり、バンドメンバーさん、全てのスタッフさんに感謝を!


ありがとうございました!

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