ハイキューの北さんの「ちゃんと」を真似したら、家事をさぼるにした。
「よし、今日も完璧!」
そう言えたのは1週間くらいしか続かなかった。
食事の用意、食器の片付け、洗濯をこなして、部屋をきれいにしなきゃなーとずっと思ってた。
掃除や片付けは嫌いじゃなけど、私の中では優先度が低くて、つい部屋が散らかり気味。
部屋がきれいなのは心地いい。
それはわかってるけど、どうにも片付かない。どうしたもんかな...
褒められて育つタイプの私だから、
誰かうまくおだてて、家事のやる気を出させてくれないかな。
そう思っていたら、ぴったりの人が目の前に現れた。
どハマり中のハイキューに出てくる、北信介という選手だ。
彼が作中に登場してから、多分、
彼の影響で家事とか勉強とかを「ちゃんと」やろうとした人が大量発生したと思う。
北さんは「反復・継続・丁寧」がモットーで、
その姿勢、人柄が評価され、強豪校バレー部の主将を務め、
代表するセリフが「ちゃんとやんねん」。
日々練習を“ちゃんと“積み重ねたことで、試合中の仲間のミスにもフォローをし、相手のスパイクも拾う。
ものすごくかっこいい選手。
これだ…!
大好きな北さんの「ちゃんと」を家事でやればいいんだ!
内容はこう。
日々の食器はその日ごとにちゃんと洗って片付ける。
洗濯物は取り込んだら、溜めずに畳んで仕舞う。
たったこれだけ。普通のことなのだから、やれないわけない。
なんたって、今の私には北さんがついてるんだから!
思い立ったが吉日、早速取り組み始めた。
まずは仕事から帰って保育園のお迎え。
その後夕食の準備をし、こどもと一緒にいただきます。
ここまでは、いつも通り。
ここからが「ちゃんと」の始まりだ。
食べ終わった食器をシンクに運んだら、すぐ洗う。
洗いながらお風呂のお湯を溜めて、子どもには保育園の荷物の片付けと明日の用意をしてもらう。
食器が洗い終わったら、子どもはワークブック、私はPCで少しお仕事。
それが終わったらお風呂タイムだ。
ふう。ここまでは順調だぞ。
お風呂から上がったらドライヤーで自分と娘の髪を乾かして、歯磨き。
時計を見ると「この時間までには寝かせたい」と決めていた時間まで、あと15分。
え、全然いけるじゃん!
子どもを寝室に連れて行って、おやすみなさい。
私は洗濯物を畳んでから寝よう。
きれいになったキッチンとシンク。
服がしまわれた部屋。
1日の終わりがこんなきれいだと気持ちいいな。
これはいいぞ...!北さん、私やりましたよ!
こうして私の「ちゃんと」やる日々が幕を開けた。
数ヶ月後にはnoteに「北さんの「ちゃんと」を真似したら、家が片付いた」と書こう。
と思ってたのに。
1週間持たなかった。
北さんの言葉があれば、私もやれると思ったのに。
気がついてしまった。
1日の中で、家にいる間ゆっくり座る時間が全くなかった。
がんばってる状態が続き、なんだか疲れてしまった。
仕事の忙しさも重なって、家に帰ってからもがんばる気力がなくなり、
以前と変わらないごちゃっとした部屋になってしまった。
あんなに意気込んだのに、北さんパワーが通用しなかった。
さらに、子どもを寝かしつけてから残った家事とかをやっていたため寝不足も続いていた。
部屋も片付かない。続く睡眠不足。
どっちかだったら、まずは家事をちょっと放棄してでも寝るほうが大事な気がする。
そうして寝てみたら、調子はいい感じ。
(詳しくは前回のnoteで)
掃除も片付けも適当になっちゃったけど、なんか体は「ちゃんと」した気がする。
あれ?私がやりたかった「ちゃんと」ってなんだったっけ?
家事もできて、育児もやって、仕事もして、体も労らないと
「ちゃんと」にならない...?
私は北さんの「ちゃんと」はやれないや。
というより、もしかすると北さんと私の「ちゃんと」は違うんじゃないか?
何もかもを完璧に「ちゃんと」することはできない。
作中には描かれてないけど、ミスター隙なしの北さんもそんなに全部を完璧にこなしてるわけではないと思う。
だとしたら、私の「ちゃんと」は、
私が大切にしたいものに「ちゃんと」を使いたい。
誰かの真似の「ちゃんと」は、自分に合っていないと自分を押しつぶしてしまうかもしれない。
自分のキャパを超えたり、できなかった、と自分を反省させてしまったり。
”北さんのように”じゃなく
”北さんは北さんの”「ちゃんと」
”私は私の”「ちゃんと」。
「ちゃんと」は「大切なものを大切にすること」と言い換えられるかもしれない。
だから私は、自分の体も労って、これからもずっと子どもと楽しく元気に毎日を過ごせるようにしたい。
だから、多少部屋が片付かなくても、「ちゃんと」寝る。
私ならではの「ちゃんと」を積み重ねた結果、
北さんが見るものとは違う景色が見れるかもしれない。
それでいいな。
家事は1週間しか続かなかったけど、
それよりももっと長いこの先ずっと続く「ちゃんと」を教えてもらった。
やっぱり北さんはすごいな。
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