バリのお守り

今日はパリではなく、バリのお話し。

私にはいつか必ず行かなくてはならない場所がある。

それは憧れとは違う直感的なもので、特別な理由があるわけでもないのだけど、その地の名を聞くと、とにかく惹かれるのだ。

インドネシアもその一つで、ようやく訪れたのは2023年。気になり始めてから実に20年も経ってしまった。

一体どんな国かだなんて、インドネシアを形容する言葉を見つけるのは難しいけど、あの小さなバリという島は魅惑の宇宙だ。

宿をチェックアウトした時にスタッフが、『これは幸運お守りだよ』と言って、私の右腕に、赤黒白の3色の紐でできたミサンガのようなものを巻いてくれた。

スリダトゥという、バリの神様を表すものらしい。

ふらり立ち寄った旅人を心から歓迎し、その出立の幸運を願う自然なおもてなし。

独自の宗教哲学を持ち、この世に存在するもの全てに敬意を払うバリから力をいただいた気がした。

私はそれがすごく気に入っていつも付けていたのだのだが、ある日突然無くしてしまい、ショックだった。
無くしたくないと強く思いすぎると、無くなる時がある。

ところが最近、遠いバリから、人へ人へと繋がれて、前よりもパワーアップしたスリダトゥが手元に届いた。

一見なにかを無くしたと思っても、実はそうではないのかもしれない。

新しい出会いの前兆なのかもしれない。




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