不安定か安定か。

月並みな表現だけれど、フランスに来てから、すごろくのようなサバイバル生活をしている。

つまりは、1週間、1ヶ月先に自分がどうしているのかが見えない、という状況が定期的に現れる。

1年間の学生ビザの期限が昨日で終わった。
2年目を迎えた今日、ビザ更新の申請はしたものの、回答はまだもらっていないし、あてにしていた大学のコースもすんなり入れず、今月末からスタートなはずだったのに、キャンセル待ち枠にされてしまった。

また1年前のような振り出しに戻った気分。

冷静に考えると、何一つ保証されていない宙ぶらりん状態なのだけど、滞在を延長する気まんまんで気に入ったアパートも見つけて、いっちょまえに一人暮らしも始めている。

でも1年前と違うこともあって、こんな不安定な状況にも関わらず、なぜか心に不安が無い。もちろん、受かりたいとか、受からなかったら嫌だとか、まだ日本に帰るわけにはいかない、という気持ちはどっさりあるのたけど、不安とは違う。

どこまでいけるのか、この先どうなるのか、運試しを楽しんでいる自分もいる。

日本では安定した生活をしてたのに、心が不安定な時もあった。

今は来週のことも見えずに生活は不安定なのに、心は安定している。

自己分析の結果、このナゾなエネルギーは、ここまでの1年間がすごく充実していたからなのでは、ということに気付いた。

それこそ去年はスタートから不安ばかりの日々だったはずなのに、今振り返ると一生の糧となる貴重な経験を手に入れた。なんといっても一番は出会い。人とのご縁。これに尽きる。

素敵な考え方だな、かっこいい生き方だな、そんな素晴らしい人達との出会いというのは自分のエネルギーになる。感動する映画や鳥肌の立つような名曲に出会った時みたい。

結局のところ、そういう人達にたくさん出会いたくて、私は旅をし続けているのかもしれない。

SNSがどれだけ発展しても関係ない。

目の前に降ってくる出会いに勝るもの無し。



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