ゲンジボタルの飼育記録 vol.5 |危篤のほたちゃん |よみがえらせたのは〇〇だった話
6月27日に迷い込んできたゲンジボタルのほたちゃん。今日で12日目。昨晩の夜明けから日の出を迎えた頃、葉っぱの中に迷い込むように、避難するように歩いていったほたちゃん。
出てきてくれるんだろうか。
夜が過ぎても姿が見えません。どくだみのミルフィーユ状になったのを一枚ずつそっと取り省いていく。淡く光るのを発見。
ほたちゃん!
もしかしたら、葉っぱが重たくて出てこれないのかも。意を決してそっとほたちゃんを拾い上げ網の上に置いてみました。もぞもぞと動き歩き出しますがおぼつかない。
いつもと違う??
手の平に乗せてみる。しばらく歩く、手のひらを滑り落ちてしまう。
触覚も手足も弱りしなり、胴体をささえることすら難しそう。遂に、手の平を傾けるとひっくり返る。いつもならトリガーとなりキャピキャピ飛んだりそさくさ歩きだし、ほたちゃんの夜興、光り出すのですが仰向けになったまま手足も触覚もピクリともしません。
ほたちゃん?
しばらくそのままにしてみる。一向に動かないご様子。
まさか。
大の字で寝ている?
そんなわけはないと仰向けをひっくり返してみました。歩き出そうとはしますが、やっぱりつらそう。
エネルギーを使うためでしょうか、止まる間近のぜんまいの様。スローモーションになり、遂に動かなくなって。そう、丁度初めて来た時みたいに、触覚も手足もあるかないか分からないくらいボディの中にしまいこんでしまいました。ふやけてふにゃふにゃしているし、糸を水につけると太くなるかのように、ほたちゃんの手足は太く、触覚だけが空気にさらされるために乾燥が進むのか、細く短くなっていました。
脱水??
延命治療と言うか、応急処置というか、とにかく水分が必要と思ったのと、栄養もと咄嗟に思いました。
小さな容器にキッチンペーパーで底上げしたプレートの上に、溶けて数時間経過した冷凍りんごを乗せたプレート。りんごの上にほたちゃんをそっと置きました。人差し指と親指でつまんでも、形骸化しかけたほたちゃんは動かないので、スポンジをつまんでいるかの様でした。
ピタっ。
りんご🍎にとまるほたちゃん、オブジェのよう。全く動きません。触覚はピンと張ってはいます。あれ、さっきより手足が伸びた!体全体でりんごを捉えている感、でも全く動かない。
1時間経過してもそのままの状態だったのと、複眼だけが凸になっていて、飛び出している感さえ。それだけボディが乾燥していたのでしょう。
いよいよ臨終かもしれないと思ったので、網からりんごカップごと取り出し、紙の上に置いてあげました。そのときです。
ふわっと羽を広げて伸びをしたのです!!
そこで、今こそ好きなところで羽ばたいてもらおう、そして、好きなところで最期を迎えてもらおうと思ったので、りんごカップは外に出ました。
ほら、ほたちゃん、飛んでったらいいよ。
りんごカップを夜空に向けてみましたが、一向に飛び立ちません、というか飛び立つ力もないのでしょう。動かない、まるでオブジェのようだ。ライトの下で改めてみるとやっぱり目が飛び出たようになっています。しかも丸みをおびていた外周はハート形どころか、サイドも💓方なので、花びらのようなギザギザ目になっています。涙が出てきました。そして、あんなに綺麗な蛍光の赤だった複眼の色素も抜けてしまい、放置されて色落ちした、道路工事で置かれているコメットのような薄い色になっています。そして、りんごカップごとフリフリしようものなら、振動で手足、目、胴体とバラバラになりそうなくらい弱っています。
乾燥がひどいのかもしれない。剥製ほたちゃん。そう言えば、大昔飼っていた愛犬、老衰だったけれど干物みたいになって最期は。
こういう時はどうすればいいんだろう。土に埋めてあげるのがいいのでしょう。でもりんごにピタっとくっついているのは少し気になります。りんごはゆるい斜面をつくっているので、魂が飛び立っていればポロっと落ちて転がるはずですが、ピタッと止まったままなのです。
やっぱりオブジェだ。
はく製になってくれれば、そのままずっと置いてお守りにしようと、りんごプレートをネットに戻す。オブジェのほたちゃんの背中をさする。指でなでなでしてみる。ベタベタな背中、りんごの糖分が羽からもう出ていたのです!!撫でることで、リンゴの密が羽へ粘着効果を発揮させているかもと思うくらい、撫でるごとにほたちゃんのボディは小さくなっていきます、まるでパーチャックのように。
逃げようと動かないほたちゃん、改めて乾燥しているのがわかりました。弾力のないほたちゃん、でもりんごからは落ちていない。
意を決してするっと私も眠ることに。
朝になって
まだ実感が全然わきません。ほたちゃんの臨終を受け入れられていないだけなんだろう。ここでの気付き。
人は悲しくなれるし、悲しくならないことも出来る。そして、悲しくなる必要はない、出来るなら悲しくならないでいたほうがいいとさえ。
ほたちゃん臨終の実感がわかないままでいることは、拒絶、受容していないのではなく、悲しみの勾玉があるとすれば、それをコップ一杯の水で薄めて溶かし、太陽の光で自然蒸発させることに似ているんだと。そう、ほたちゃんは雨に変わるのです。その程度の悲しみならいいよねとも思う。
悲しみを一気に昇華させるのはあまりにも辛いので、感情は楽しかった頃のままに、時の経過でいつのまにか昇華させていく感じ。
何となく悲しいをキープできるなら、それはそれでええじゃないかと。もやり続けるんだろうけれど。
ほたちゃんがいつものように夜になると歩き出す、そのままの想定したままでいいかなと。
よく眠れた。目が覚めた時はほたちゃんのことをもう忘れているほどに。
ほたちゃん、死んだの?!
そう気づき、恐る恐る虫かご開けてりんごプレートをのぞいてみました。
すると、
干し野菜ネットの3段目に小さな何かが進んでいる!ほたちゃんが歩いていたのです。
葉っぱもりんごもないエリアが3段目なのです。多分、チャックは1段目、2段目、3段目(一番下の階)と区切りないタイプなので、2段目とチャック面の隙間から落ちたのでしょう。
生きていた。
蘇りほたちゃん!!
ほたちゃんは死んでいませんでした!凄い⚡
ありがとうほたちゃん!!
瀕死になりつつも再び虫かご(野菜ネット)の中の4辺に沿って歩きだそうとするほたちゃん。
ほたちゃんはどこに行こうとしているんだろう、どこへ行きたかったんだろう。
自由律俳句
ゲンジボタル てくてく歩いてく 飛べなくなっても
私にはただただ、飼い主さんたちを楽しませてくれているようにしか見えませんでした。ほんとありがとね、ほたちゃん💓
のらりくらり。いつものようなスピード感もなく、網をよじ登りアスレチックすることももう出来ません。登りかけては落ちてしまう感じで、何度か繰り返し、ついにその場でじっと。そのまま動かなくなりました。
飼い主の存在に気付き、興奮(威嚇!?)してしまったために、逃げようとして体力がつきたのか嬉し過ぎて無理をしてしまったのか。
でも、
でも?
な、なんと!
ほたちゃんはその場で淡い光を放ちだしたのです!
ゲンジボタルの延命治療になった「りんご効果」
私はこれをほたちゃんにおける「りんご効果」と呼ぶことにします。人間にとってもリンゴの木があれば病気知らずという言葉もあるほどですが、まさか、ゲンジボタルにとっても薬になる?なんて!!他の甘い果物でもいいのかどうか、それは分かりませんが。りんごはOKでした。
水だけだと飲まない、飲みにくい。
けれど、リンゴジュースなら飲みやすい。
リンゴマジック(りんごにしかない成分の何かがほたちゃんをよみがえらせた)だと。
自分では無理
ただ、弱っているほたる、つまり、脱水状態にあるほたちゃんが、自力でりんごの存在に気付き、てくてく歩いてきて、りんごだわーいと乗っかって密を吸うことはできません。そこまで延命に対して興味がないからかもしれませんね。
なので、飼い主がホタルの脱水に気付いたのなら、冷凍🍎りんごの上にちょこっとのっけてあげて延命の背中を押してあげることが必要になってきます。たったそれだけで、ホタルは瀕死の状態から脱出することが出来ます。
この辺りのフォトや動画は機会があればUPしたいと思います。意外に早いかもしれません。
Windowsのフォトを使って編集するのですが、1枚のフォトをスマホで加工したものをパソコンにエクスポートすると、加工前、加工後ともにフォト内にUPされてしまいます。何度もスマホ上で編集すればその分増えている気さえします。事前に防止できればいいのですが、今のところそういうのはみつからず、1件ごとに手動で選択、削除をしています。編集最後のを残そうとしますが、間違えて編集分を削除したり。
ちなみに、編集分を削除したりした場合の便利ツールアプリもあるそうです。枚数が多くなれば必要になってくるのでしょう。