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レシートが教えてくれる、過去の貴方


レシートは私にとって、
ちょっとだけ、生きた証になります。

たったあの紙切れ一枚。
だけどもあれには、買った物だけじゃなくて、
日付も時間も、場所まで

日々の瞬間、瞬間を簡潔に記録してくれている。

コンビニやスーパーで
長い間レジを経験した私はいつも、
目の前に立っている知らないひと、

お客さんの日常に
ちょっと触れられた気がして、
見えない時間を想像するのが楽しかった。


コンビニで買う、太いマジックペン、
慌てて必要になったんんだろうなぁ。

夜のスーパーで買う、
お惣菜とビールと半額になってたお菓子。
『今日もお疲れ様でした』そう心の中で伝える。

バレンタインデーの夜に、
期間限定のちょっと良いチョコレートを
仕事帰りのサラリーマンがコンビニで買って帰る。

いつものお客さんに向ける笑顔でレジを打ちながら、
心の中では微笑ましくて、笑っちゃう、
つい声を掛けたくなる気持ちを堪えて。


他人の財布を覗いてレシートを見る機会なんて、
そうそう無いことだろうけれど
多分きっと、
自分の部屋の机の引き出しを開けられるような、
そのぐらいのちょっとした照れ臭さにも
似てる気がする。

どんな気分で、
どこに居て、
なにを買って、
そこを出た後にどこへ向かって行くのか、

その買い物は誰に会いたくなるのか。
自分の為、恋人の為、家族の為、子どもの為。


そんなひとときの感情を、
その時を生きた証を、レシートは教えてくれるの。

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