『往復書簡』(仮)27往信
Tさんへ
こんにちは。
神と仏のイメージって、ぼんやりしていてなんとなく違うということはわかったつもりでいました。それにどちらも超越したもので、ちゃんとわかるなんてことは無理だって、どこかで思い込んでいました
Tさんはいつもこういうことを考えていて、すごいなぁって思いながら、Tさんの言っていることが、頭で考えようとするとこんがらがって来るけれど、なんか心に響くものがあって、そうなのかも知れないって感じました
特に神は包むっていうのが。ひどく落ち込んだ時とか、悩んで眠れずにいる時に、不意に温かなものに包まれるような感覚になったことを思い出しました。
穏やかで安心感に充たされて眠りに落ちるまでの短い時間、とても幸せな気分になるんです。
そういうこと、Tさんにもあるのかなって。
龍の絵のことですが、今度展示される時に、一緒に観に行く約束をしました。
彼女にその画家さんのことや絵のことを話したら、実物を観なきゃわからないからって。自分の目で観たものしか信じないようにしているって言っていました。
私もそれはそうだなって思ったし、それを聞いて、私は彼女のことを以前より信じられるようになったし、好きになりました。
今度いつ展示されるかわからないけれど、とても楽しみです。
進路については、調べれば調べるほど、よくわからなくなってきてしまって。
私はどんなふうに生きていきたいんだろうってことと、どういう職業につけばいいかってことが、ゴチャゴチャになっていて。
それに、色自体に関わる仕事も面白そうあなぁって、最近思うようにもなっていて、難しいものですね。
何にせよ、とにかくもっと学校の勉強をがんばらないと、どうにもならないってことも、今さら感じています。
でも、不思議を何とかなる気でいます。楽観的すぎるかな?
私はのんびり屋というか、マイペースなところがあるので。
焦るとろくなことないし。
ではまた。
Sより
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