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『往復書簡』(仮)39往信

Tさんへ

こんにちは。
絵を飾ってくれてありがとう。嬉しい反面、恥ずかしいです。
ただのいたずら描きだから。

 明恵上人って初めて知りました。
社会は世界史を選択したので、日本史のことはよくわかりません。
Tさんは、先輩や書道の先生や、明恵上人といった人たちの情熱みたいなものに魅かれるんですね。なんとなく、そんな気がしました

 確かに魅力的な人っているけれど、私はすごいなって思うだけで、あんまり憧れたりはしないです。たぶん自分のことが好きなんだと思います。
ダメだなぁって思うことがない訳ではないけれど、自分にできることしかできないと思っているから。

そう、この連休で、父と二人で田舎に帰りました。といってもお墓参りです。
今までちゃんと見たことがなかったのだけど、墓碑を見ていて、小さな時に亡くなっている先祖の人が何人かいて、なんだか自分が今、当たり前に生きていることが不思議に思えて。
母と弟と離れて、別々に暮らすようになっただけだけれど、人が死ぬこととどう違うんだろうって、ちょっと思ったりして。

私は身近な人と死別したことがないから、ピンとこないだけなのかもしれません。
もし、父が突然亡くなったらって想像したこともあるんだけれど、きっと大変なんだろうなって思ったりはして。
でも、自分がどうなるのかなんて、なってみなければわからないです。

そう、出家の話、意外でした。
でも、坊主頭、似合いそうだなって思いました。
ではまた。

Sより


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