高血圧の改善は新たな指標のナトカリ比を意識する:高血圧の改善
健康カプセルを観た「学び」をまとめました。
高血圧の基礎知識
心臓は「収縮」と「拡張」を繰り返して我々の身体に血液を供給していますが、血液が流れる動脈の壁に与える圧力が「血圧」で、血圧には2種類あります。
・収縮期(上)の血圧:上限は病院140、家135未満
・拡張期(下)の血圧:上限は病院90、家85未満
家より病院のほうが血圧の上限が高いのは「血管運動」が関係しているためです。
人は緊張すると心臓の収縮が強く拍動が速くなり、血管を収縮してより早く筋肉に必要な血液を送ろうとするために血圧が高くなります
高血圧は私が腸の次に気になる病気なので多少の予備知識があります。
私の病院初受診時の血圧は上が180以上、下が120以上。現在は上が140台、下が90台にまで下がりました。
私の場合、初めての病院で久しぶりに血管に針を刺す採血の後の血圧測定だったので、かなり特異的な状況でしたが、この数値は私が「ある行動」に移すまで続き、「ある行動」を継続した結果、現在の数値に落ち着きました(後述します)。
高血圧の原因と症状
親が高血圧だと子も高血圧になりやすい「遺伝」は高血圧の原因の一つですが、家族は同じものを食べて生活するので、家族が高血圧なら一般的にはなりやすいと考えられています。
高血圧は男性は30代から、女性は40代から発症して50代になると半数近くが発症するといわれていますが原因は下記のとおり様々で、複数の原因が重なり合って発症すると考えられているのが一般的な理解です。
・塩分過多、過食、偏食などの食生活
・運動不足
・ストレス
・喫煙、飲酒
・肥満、など
モノは使えば使うほど、時間が経てば経つほど古くなり劣化します。
高血圧の原因の一つである「運動不足」は、学生までは体育があるので解消されますが、社会人になると休日は疲れて寝るだけの人も多く、よほどの決意がないかぎり運動はしなくなります。
また仕事をすると食生活が不規則になり、お昼になったから昼食を食べられるとはかぎらず、夜は外食をすればお酒が入り、好きなものを注文して偏食になりがちです。
そんな生活を何年、何十年と続けていれば血管に負荷がかかり、血管が劣化していきます。
高血圧が怖いのは自覚症状がほとんどないことです
高血圧の症状で挙げられるむくみ、頭痛、めまい、立ちくらみなどは他の病気でも起こる症状で、それが高血圧によるものなのかは断定できません。
高血圧は病院で測ったら基準を超えていた場合がほとんどで、自覚症状もないので病院にもいかず、治療もせずに放置しがちです。
では高血圧のまま放置するとどうなるのか。順を追って解説します。
1.高血圧による「動脈硬化」の進行
動脈硬化は血流の圧力によって血管壁が弾力を失って硬くなり、血圧に耐えられるように厚くなります。
2.動脈硬化の悪化
血管の内側にコレステロールなどの物質が沈着し、厚くなった血管がさらに狭くなります。心臓は多くの血液を流すためにさらに収縮して心臓、血管に負荷がかかります。
3.高血圧による合併症の進行と悪化
コレステロールが沈着してできた粥腫(じゅくしゅ)は膜が薄く不安定で、傷つくとその回りに血栓ができて血流が流れにくくなります。血栓が大きくなると血流を塞いで血液が流れなくなり、心筋梗塞や脳卒中など命にかかわる病気に悪化することもあります。
高血圧は怖い病気につながるので改善したほうがいいのですが、自覚症状がないので放置しがちな病気です。
番組では高血圧の治療が必要な人が3割いる地域に、健康診断で「ある検査」を取り入れたところ、平均血圧が低下傾向になったケースを取り上げていました。
なぜ彼らは血圧が下がったのでしょうか。そして「ある検査」とはなんでしょうか。
彼らの血圧低下につなげたのは尿検査によるナトカリ比です
ナトカリ比とは
尿にはナトリウムとカリウムが含まれていて、尿検査によって数値を知ることができます。
血液検査にもナトリウムとカリウムの項目がありますが、含まれる量が違うのでナトカリ比にはならないようです。少なくとも番組では取り上げていませんでした。
尿検査によるナトカリ比の理想値は2、目標値は4
ナトカリ比とはカリウムを分母にしたナトリウムの割合で、少なければ少ないほど高血圧になりにくいそうです。
ナトリウム(Na)とは塩の主成分で、身体の水分のバランスを調節します。Naが多いと身体の水分、つまり血液量が増えて血圧が上昇します。
カリウム(K)は野菜に多く含まれる成分でNaを排出する働きがあり、血圧を下げる作用があります。
つまり、ナトカリ比によって塩分を摂り過ぎているか、野菜が不足しているかがわかります
実際の食事に含まれるナトリウム
Naの1日当たりの目標摂取量は食塩換算で男性が7.6g、Naで3000mg以下、女性は食塩換算で6.6g、Naで2600mg以下とされています。実際の食事に含まれるNaとKを見てみます。
・カレーライス:Na1575mg、K789mg
・ハンバーグ:Na966mg、K771mg
・ラーメン:Na2541mg、K764mg
ラーメン1食でほぼ塩分の1日目標摂取量に到達します
ラーメンはそれ以外にも脂質、糖質、カロリーも高いので食べるなら注意と覚悟が必要です。
ラーメンを食べる際の注意点としては「スープを残すこと」です
ラーメンのスープは塩分が多いので、スープを残すことで3割程度のNa摂取量を減らすことができるそうですが、ラーメンの命はスープです。ラーメンスープほどおいしいものはないので、残すには強い覚悟が必要になります。
また、番組ではナトカリ比を上げる食習慣として次のものを挙げていました。
・麺類(ラーメンやそばなど)のスープや汁を飲み干す
・味噌汁を1日2杯以上飲む
・調味料をたくさん使う
・果物を食べるのは週2日以下、など
番組では高血圧の改善策として「ナトカリ比」を例にして、食生活の見直しを紹介していましたが、私の高血圧改善策は別の方法によるものです。
血圧を60も下げた私の高血圧改善方法
高血圧の治療には3つの方法があります。薬物治療と食生活、そして運動です。
薬物療法は医師の診断の上で処方された「降圧剤」で、市販薬では買えません。
サプリで血圧を下げるものがあるようですが、厚労省が承認したものではなく、医薬品のときのようなプラセボを使った臨床試験も行われていないので、効果が出るかどうかは人それぞれです。
食生活の改善は番組で取り上げた「ナトカリ比」を数値化して塩分を控えること。
私の高血圧改善方法は早朝ジョギングです
最初は「歩くこと」を意識した早朝散歩から始めました。朝の早い時間を選んだのは「セロトニン」を分泌させるためです。朝日を浴びながら身体を動かすことで、副交感神経から交感神経に変わり、脳が覚醒して目が覚めます。
散歩から少し早歩きのウォーキング、体力がついてきて息が切れなくなったらジョギングと、体力に合わせて運動を変えて1ヶ月ほど継続したところ、病院での血圧測定で初めての「140台」が表示されました。
私の場合、最初は一人で測定して血圧が高いので、ほぼ毎回看護師が測り直しにきていましたが、数値は変わりませんでした。それが早朝散歩を始めて1ヶ月ほどで血圧が60近く下がったのだから驚きです。
血圧は食生活の見直しと運動を続けることで改善することができます
高血圧は自覚症状がないので、誘惑に勝てずに取り組むのが難しい面もありますが、取り組めば血圧は下がります。私の実感ではダイエットより早く結果が出ます。
高血圧の改善策はすでに証明されているので、あとはやるかやらないかの意思だけです
ラーメンスープはおいしいし、運動は疲れます。できない言い訳ばかりを並べたところで血圧は下がりません。
自分の血圧は現在いくつあるのか。上の血圧が140以上なら取り組むことを検討しましょう。取り組んだ結果、血圧が下がったら待っているのは、健康な身体と「達成感」です。