トローチとのど飴の違い、トローチに穴が空いている理由とは:トローチの解説
のど飴はのどの痛みに効果があるのか
スーパーやコンビニのお菓子売り場には色とりどりのおいしそうな「キャンディー」が陳列されていますが、中でも異彩を放つのが「のど飴」です。おいしそうに見えないのど飴がなぜお菓子売り場に陳列されているのか。
のど飴は副作用のリスク区分上医薬品、医薬部外品、食品と3つに分類されていますが、キャンディー売り場に陳列されているのは「食品」のど飴になります。
食品のど飴といっても、キキョウやカンゾウなど医薬品にも使われている、のどの痛みを緩和する成分が含まれているものもあり、決して侮れません。
のどが炎症するのはのどの乾燥が原因です
あめを舐めることでのどの粘膜が潤うので、どの飴でものどの炎症の「予防」にはなりますが医薬部外品、医薬品とリスク区分が上がるにつれて炎症を抑える有効成分が多く含まれるので、症状が出たときにはやはり医薬部外品以上が効果的です。
のど飴とトローチの違い
のど飴とトローチの違いはひとつだけです。「大きさ」が違います。
トローチは炎症を抑える有効成分を、口の中でゆっくり溶かして口やのどに浸透させるように作られているので、のど飴より大きいのが特徴です。
そのため5歳未満はのどに詰まらせた場合を考えて服用禁止となっています。また、5歳以上の子どもが誤ってのどに詰まらせた場合でも窒息しないように、トローチに「穴」を空けて空気を通りやすくしています。
トローチに穴が空いているのは、のどに詰まらせても窒息しないためです
コルゲンコーワトローチの成分その他詳細情報
新コルゲンコーワトローチ
成分
5個中、
・グリチルリチン酸ニカリウム15mg
抗炎症作用によりのどの炎症を抑えて、腫れを緩和します。
・CPC(セチルピリジニウム塩化物水和物)5mg
殺菌作用により口腔内やのどを殺菌消毒します。
・セネガ乾燥エキス23.95mg(セネガとして400mg)
去痰作用によりのどを潤し、不快感を和らげます。
用法用量
・1回1個を口の中でかまずに、できるだけゆっくり溶かしてください。
・かみ砕いたり、飲み込んだりしないでください。
・15歳以上1日5回程度
・5歳以上15歳未満1日3回程度
効能効果
のどの炎症によるのどの痛み、腫れ、不快感、声がれ、荒れ、口腔内の殺菌消毒、口臭の除去
相談すること
6日程度服用しても症状がよくならない場合は、使用を中止して医師や薬剤師にご相談ください。
アズレンEトローチの成分その他詳細情報
アズレンEトローチ
成分
6錠中、
・アズレンスルホン酸ナトリウム水和物4.8mg:抗炎症作用
・グリチルリチン酸二カリウム15mg:抗炎症作用
・セチルピリジニウム塩化物水和物6mg:殺菌作用
用法用量
・1回1錠を口の中に含み、かまずにゆっくり溶かしてください。
・かみ砕いたり、飲み込んだりしないでください。
・15歳以上1日6回程度
・5歳以上15歳未満1日3回程度
効能効果
のどの炎症による声がれ、のどの荒れ、不快感、痛み、腫れ、口腔内の殺菌消毒、口臭の除去
相談すること
6日程度使用しても症状がよくならない場合は、使用を中止して医師や薬剤師にご相談ください。
ピタスのどトローチの成分その他詳細情報
ピタスのどトローチ
成分
6個中、セチルピリジニウム塩化物水和物8.28mg
用法用量
・1回1個を口の中に含み、かまずにゆっくり溶かして使用すること。
・かんだり、飲み込んだりしないこと
・15歳以上1日6回程度
効能効果
のどの炎症による声がれ、のどの荒れ、不快感、痛み、腫れ、口腔内の殺菌消毒、口臭の除去
相談すること
1週間使用しても症状がよくならない場合は、使用を中止して医師や薬剤師にご相談ください。
龍角散ダイレクトトローチの成分その他詳細情報
龍角散ダイレクトトローチ
成分
6錠中、
・キキョウ末70mg:去痰作用
・キョウニン5mg:鎮咳作用
・セネガ末3mg:去痰作用
・カンゾウ末50mg:抗炎症作用
用法用量
・次の量を1日6回程度口の中に含み、ゆっくり溶かすように服用してください。
・服用間隔は2時間以上おいてください。
・かみ砕いたり、飲み込んだりしないでください。
・15歳以上1回1錠
・5歳以上15歳未満1回1/2錠
効能効果
せき、たん、のどの炎症による声がれ、のどの荒れ、不快感、痛み、腫れ
相談すること
次の人は医師や薬剤師にご相談ください。
・服用前に高熱がある人
・6日程度服用しても症状がよくならない人
その他不明な点は医師や薬剤師にご相談ください。
トローチ服用の4つの注意点
トローチを医薬品と医薬部外品の成分別に4つの製品を解説しました。今回は咳止めを割愛しましたが、トローチものど飴も用途は大きく3つに分けられます。
・咳止め
・炎症を鎮める
・殺菌作用
一つ多く解説したのは、上あごに貼る「薬剤シート」タイプのトローチです
穴の空いたトローチは形状が大きく、有効成分を口の中でゆっくり溶かして浸透させるので、電話や会議など「話す」場面では服用がためらわれます。
しかし、シートタイプのトローチは話す場面でも問題なく使用できます。ただし、のどが炎症している場合は、改善するまで無理をせず、のどを労わりながらの控えめな会話を心がけましょう。
貼るタイプのピタスのトローチは味が5種類、他のトローチも「メントール」を配合するなど多くの味を楽しめますが、トローチ服用の際には注意することが4つあります。
1.かんだり飲み込んだりしない
トローチは口の中でゆっくり溶かすことで、有効成分が口やのどに浸透するように作られています。かんだり飲み込んだりすると、有効成分が溶けないまま胃へ流れていってしまいます。
2.舐め終わってすぐに飲食しない
舐め終わってすぐに飲食すると、口やのどの粘膜に働いている有効成分が流れて、薄れていってしまいます。トローチを舐め終わったら飲食を「30分程度」控えましょう。
3.連続してトローチを舐めない。
トローチは医薬品なので「1日服用量」が決まっています。有効成分がまだ働いている「2時間程度」は、続けて服用するのは控えましょう。
4.うがいはトローチを舐める前にする
トローチを舐め終わった後にうがいをすると、有効成分が流れていってしまいます。うがいをするならトローチを舐める前にしましょう。
トローチは便利なように見えて、口に含むといくつかの「制約」があります。イメージしやすいのは通勤通学の「移動中」ですが、仕事中にうっかり舐めてしまうと電話がかかってきたとき大変です。
身体に痛みがある場合は、通常の判断ができなくなることがあります。トローチを服用するときは口に含む「タイミング」が重要になります。一日中家にいるならいいですが、外出先では予めリストを作っておくと安心です。
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