解熱鎮痛剤の効果と選び方:リングルシリーズ(1)
ロキソニンではなくなぜイブなのか
解熱鎮痛剤のトップブランドといえば、やはり「ロキソニンS」ではないでしょうか。
では私がなぜロキソニンではなくて、最初にイブシリーズを解説しようと思ったのか。
これも登録販売者試験と大いに関わりがあります。
私が登録販売者試験の勉強を始めるにあたり、まず最初に取り組んだのが第3章の「解熱鎮痛」カテゴリーです。
薬の知識がない人が薬と言って思い浮かべるのは「かぜ薬」か「解熱剤」、「鎮痛剤」だと思います。私がそうでした。
かぜ薬は別名「総合感冒薬」といってその名のとおり、
・熱を冷ます
・くしゃみや鼻水を止める
・のどの痛みを和らげる
など、かぜと言われるあらゆる症状を緩和するものです(決して治療ではない)。
その分有効成分が多いので覚えるのが大変だと思いました。
だから私にとって、かぜの症状でもなじみのある「熱を下げる」ことに焦点を絞った「解熱鎮痛剤」が取り組みやすかった。
ではなぜロキソニンではなくてイブシリーズを最初に解説したのか。話は簡単です。
ロキソニンの主成分であるロキソプロフェンが試験に出ないから
イブシリーズの主成分であるイブプロフェンは試験に出るから。
テレビでどれだけCMが流れているのかしりませんが、私にとってなじみがあるのはロキソニンではなくイブだった、それだけです。
しかしそれも試験が終われば話は違います。
解熱鎮痛剤を解説するにあたってロキソニンを外すわけにはいきません。ロキソニンについては後日じっくり解説するとして、まずはイブプロフェンです。
今日もイブプロフェンについて理解を深めていきましょう。
イブの上位互換が見つかった
イブシリーズの中で私はこの「イブ」がおすすめの一つだと解説しました。
理由は単純です。
安いから
イブは鎮痛成分のイブプロフェンだけです(これを単剤という)。
このイブプロフェンに加えてアセチル尿素だったり無水カフェインだったりと、効いているのかどうかわからない「鎮痛補助成分」を加えるから値段が高くなります。
そしてイブには欠点があることも解説しました。
薬が効くまで2時間前後かかる(個人差はあります)
だからそれを補完する意味で「イブクイック頭痛薬DX」を解説しましたが、欠点もお伝えしました。
・値段がイブの倍近くあり、1000円を超える
・眠くなる
・依存性がある
だから状況に応じて使い分けましょうという内容でした。
しかし、イブシリーズから離れてみると各社から様々な「解熱鎮痛剤」が発売されているのはご存知のとおりです。
今日解説するのはこのイブシリーズの欠点をさらに補完したあの商品です。
●リングルアイビー 12カプセル952円(参考価格)
以下成分1カプセル中
・イブプロフェン150mg
作用は頭痛、生理痛、歯痛等の鎮痛、発熱時の解熱
・用法用量、その他
1回1カプセル、3回を限度とします
空腹時は避けて、服用間隔は4時間以上おいてください
5、6回使用しても症状がよくならないときは服用を中止して、医師や薬剤師にご相談ください
長期連用しないでください
そして大事なリングルアイビーを使ってはいけない人たち
・リングルアイビーによりアレルギー、ぜん息を起こしたことがある人
・15歳未満の小児
・出産予定日12週以内の妊婦
その他注意事項は各自でご確認ください
リングルアイビーは何が優れているのか
リングルアイビーはイブ同様にイブプロフェン150mgだけの単剤です。ではイブと何が違うのか。
ヒントは服用方法にあります。
リングルアイビーは液状インカプセルという形状です
つまり、どういうことか。
液状ということはイブプロフェンがすでに溶けているということ、胃で溶けるより速く体に効果が現れます。
つまり、イブプロフェンの最大の欠点の一つだった、
即効性を加えたのがリングルアイビーです
即効性といえば、「イブクイック頭痛薬DX」です。
では、リニューアルされたイブクイック頭痛薬DXより即効性は高いのか。
正確なデータはありませんが、薬の形状を考えれば錠剤よりも液状タイプのほうがすでに成分が溶けている分、速く効果が現れることは容易に想像できます。
ただし、残念ながらリングルアイビーにも欠点が3つほどあります。
・値段がイブのほぼ倍(イブクイック頭痛薬DXよりは安い)
・胃を守る成分が入っていない
・店頭でほとんど売っていない
薬の形状を液状にしたことで、鎮痛補助成分は入っていませんが値段が高いこと。
そしてイブプロフェンの副作用の一つである「胃が荒れる人もいる」(全員ではない)に対する補完成分が入っていない。
用法用量を守っていれば、1箱使ったくらいで副作用が出るとは考えづらいですが、それでも心配な人には不安要素になります。
では、このリングルアイビーに胃腸薬を合わせて購入するかといえば、その分値段も高くなります。
ただし、イブプロフェンには高い鎮痛作用があります。生理痛においてはロキソニンより効くというデータもあります(もちろん個人差はあります)。
あと、これは重要なことだと思うのであえて欠点にいれましたが、
リングルアイビーもイブも150mgタイプは店頭にない場合が多い
ネット通販ではどちらも買うことができますが、痛みや熱は突然やってきます。
買い置きしておく必要が果たしてあるのかどうか。
市販薬は自分の判断と選択が問われます。
これまで解説してきた商品で購入を考えるのであれば、
・値段
イブ>リングルアイビー>イブクイック頭痛薬DX
・鎮痛効果
イブクイック頭痛薬DX>リングルアイビー=イブ
・速く効く
リングルアイビー>イブクイック頭痛薬DX>イブ
値段を取るか、高くても痛みを速く取りたいか
今決めてしまいましょう、練習のつもりで。
と、私は理解しています。
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