『世界は救えないけど豚の角煮は作れる』にゃんたこ氏に敬意を込めて.
youtube で動画を漁るのが好きな私はある日「にゃんたこ」という方の動画に出会った.
雑な料理(けれど美味しそう)、酒、文学的な字幕、可愛い犬.
「なんだ?この動画は?」
今まで見たことのない独特な雰囲気をぷんぷんと匂わせた動画に引き込まれて他の動画を次々と再生していった.
気付くと彼女の動画が更新されることを待っている自分がいた.
そして、初めて「にゃんたこ」に出会ってから2年近くたった今、彼女のエッセイ本が発売されたのだ.
日頃から観ているyoutuberが本を出版するのは良くあることだが、私は今まで一度も購入したことはなかったし、"エッセイ"というジャンルの本など読んだこともなかった.
しかし、私は彼女が本を発売したと知った瞬間何も考えずAmazonで購入していた.何の躊躇いもなく.その後は、早く届いてくれという待ち遠しい気持ちでいっぱいだった.
大学の遠隔授業と莫大な数の課題に追われ、昼夜逆転寸前の日々.「にゃんたこ」の本が届いたかと朝8時に目を覚ましたが届いておらず、いつもなら二度寝をかます私は起き上がった.
そして1時間ほどして届いた.
息を飲み封を開ける.
『世界は救えないけど豚の角煮は作れる』
あぁ、なんて良い響きなんだ.
すぐさまページを開いたら、youtubeの動画数分間でしか味わえなかった彼女の言葉が詰まっていた.
大学の課題の提出締め切りが刻々と迫る中、最初の"はじまり"と第一章の"マクドナルドの残り香が連れてくる朝"を読んだ私は胸いっぱいに空気を吸い込み吐き出した.深夜の香りを味わった.
やっぱり僕は「にゃんたこ」の言葉が好きだ.
本当なら全て読み切ってから書きたかった.
しかし、生憎課題に追われる私は一日一テーマ(テーマというのか?)ずつ読むことに決め、毎日を「にゃんたこ」の言葉で締めることにした.
そっちの方がゆっくり楽しめるし、退屈で息苦しい日々に色をつけてくれる.
明日が楽しみになった.
にゃんたこ氏に敬意を込めて.
出版おめでとうございます。