“多対多マッチングモデル”が、現代ビジネスの大問題。
オンライン(インターネット)のビジネスモデル。その大部分を構成しているのが、『多対多(N対N)のマッチングモデル』だ。
僕はこの今主流のモデルが、様々な課題を孕んでいて、ビジネスマンや生活者の生産性・快適性を損ねていると感じている。
多対多マッチングといっても、『何をマッチングするか?』によって構造が分かれる。僕が特に問題視しているのは、対象リソースが唯一無二(一個しかない)のマッチングモデルである。これをワンリソースマッチングと呼ぶことにしよう。問題が露見してるのはこのワンリソースかつ多対多マッチングなのだ。
ヤフオクとかメルカリとかウーバーとかタクシー配車は、同じ多対多マッチングでも、対象が商品だったり近隣移動車両など一つではない。発注側も受注側も絶対これじゃなくちゃダメ!という限定要求は小さい。
だが、人材・求人マッチングや婚活マッチング、恋愛マッチングなどはワンリソースマッチングだ。
確かに相手は『この人じゃなければダメ』という限定性は大局的にはないのだが、例えば同じ職種のAさんがBさんの代わりになるか?同じ年収のAさんがBさんの代わりになるか?というと、全くならないケースが多い。
会社側も同じだ。同じEコマース事業だからと言って楽天がだめならゾゾタウンでいいや!ということになるかというと、そもそも部署も役割も社風も違うので、そんな風には考えられないだろう。
マッチングビジネスが勃興する前は、個別申込や個別オーダーだったために、大量の定型メールや定型文によってオファーが来たりすることはなかった。少ないマッチングの中でオファーする側・申し込む側共に、自分(自社)の力量やクラス・相性・文化や経験値、などを熟慮した上で吟味した申し出をしていたはずだ。
多対多マッチングになって困るのは、実は最終的に1対1マッチングで決めることになるにも関わらず、相手の本気度やメンタリティが全く見えないことである。N対Nの参加者の全員が、誰でも良いわけじゃないのにN数の相手に対して『貴方が最高です!』と言っているようなものだ。各プレイヤーの中では実は優先順位があるわけなので、本来効率的なのは優先順位の高さを設定して、最高確率でマッチングするようにスコアリングすべきだ。しかしマッチング事業者は、リクエスト数やスカウトメール数で課金してるケースが多く、とにかく多対多のクロス接触が多いようにシステム化する。これがマッチング数が多くても、決定数が少なくなる根本的な問題だ。
でも、結果としてマッチング率が低下してゆくとお客は離れてゆく。
一時しのぎのクロスマッチ収益を得たところで事業は継続しないのだ。
僕が考える理想的なマッチングサイトは、相手から見た自分(自社)の順位が何位であるか?リアルタイムで表示されるサイトだ。これであれば、自分がマッチングすべき相手のランクもわかるし、自分たちの受け答えとか訴求・行動を改めてゆくきっかけにもなる。
現行のビジネスモデルの矛盾を正すために、実際に新しいモデルでのMVP開発をやってみようと考えてる。
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