今年の気温推移とファッション消費雑感。
衣料市場の低迷が続いている。原因は色々複合的だけど、昨今の天候不順、長期的な高温化傾向は大きな要因。これはファッション業界には悩みの種だ。
以下、直近4カ月の今年と昨年の気温比較をグラフ化してみた。
見ての通り、昨年は7月末をピークとして半端ない酷暑だったが
そこを頂点として気温上昇も降下も急カーブ(登りも下りも急坂)。
これに対して今年は、はっきりしない夏。
7月がそもそも異常な低温。
8月以降は気温変化が非常に小さく、超なだらかな下降曲線だ。
このなだらかな変化というのが、服が売れないパタンを助長する。
ヒト(特に日本人)というのは季節変化に敏感に反応する。
季節変化が弱い、涼しくならない・寒くならない…と服は売れない。
逆も同じで、
暑いシーズンは暑くないと夏物衣料やセール商品も売れない。これは、単に暑い寒いを補うために買うというよりは、も少しメンタルな問題だ。
季節感や環境の変化を感じるとヒトは行動を起こす。
自分も変わりたくなる心理が働くのだ。
そんな意味で2019の気温推移はファッション業界にとって非常に逆風。
この後の冬が寒くなってくれれば良いが……と願うばかり。単に筆者が寒いの好き💛というのもあるのだが。
もう一つ。長期的な首都圏(東京)の平均気温推移を視覚化してみた。
図をクリックして拡大してもらう(スマホの方は画面を横に!)とわかりやすいと思うが、
1876年~2019年までの東京の月別平均気温の変化をグラフ化してみた。
(7月=青い折線、8月=オレンジの折線、9月=グレーの折線、10月=黄色の折線。10月の最後がはねているのは、今年2019年がまだ10月初頭までの平均値だから)
この143年間でどの月も明らかに右肩上がり。
これが地球規模の高温化の影響なのか、都市型気候の影響なのか?原因は色々あると思うが、やっぱりちょっとぞっとするね。
ただ消費市場的に言うと、
8月(真夏)の高温化はファッション市場に限らず、実は消費にはプラスに働く。(暑いときに暑いのはOK)
逆に9月、10月の高温化は気温が下がらないという意味なので市場にはマイナスだ。
この辺は日本に限らず海外でも同様の傾向があると思われる。
例えば米国の都市で見てみれば、
西海岸は年間の気温変化が小さいのでファッション市場は小さく、
東海岸(NY)は大きい。以下参照。
当たり前っちゃ当たり前だけど、
シリコンバレー(西海岸)出身のスタートアップがファッションビジネスで成功するはずがない。
そもそもライフスタイルやメンタリティが違い過ぎるのだ。
やっぱりムリがあるのよね……↓↓↓↓↓↓