「キャリア安全性を高めるための理想」の解像度を上げてみよう
竹内義晴の「これからの働き方」――この番組は、これからの働き方、組織作り、地域づくりの実務家、竹内義晴が「楽しく働く」をテーマに、組織づくりやコミュニケーション、マーケティング、キャリアデザイン、複業、テレワーク、ワーケーションなどの視点でゆるゆるとお話をしていく番組です。
いま、noteさんの #創作大賞2024 #ビジネス部門 という企画に参加しています。『「仕事っぽいシゴト」が社会の課題を解決する』というタイトルの本を作るイメージで毎日お話しています。1本目、目次はこちらです。
昨日までは、「人口減少に向けた課題解決の理想」についてお話をしてきました。
今日からは、「「キャリア安全性」を高めるための理想」について解像度を上げてみよう」というお話です。
音声はこちらです。
これからお話していくのは「キャリア安全性を高めるための理想」
第2章の現状の課題(2) ― 会社でいま、起こっていることでは、いま、企業内で起こっているキャリア不安について明らかにしてきました。
キャリア不安とは、「わたしは、このまま働いていて大丈夫なのだろうか?」「将来、成長できるのだろうか?」という不安です。
ここからは、キャリアの不安を「わたしは、このまま働いていてもきっと大丈夫だ!」「将来も、きっと成長できる!」に変えていくこと。つまり、キャリア安全性を育むための理想についてお話していきます。
以前と比べて、いまは、未来の予測がしづらい社会です。また、人生100年時代を向けて、どうやら、いままでよりも、長く働く必要がありそうです。
そこで、ビジネスパーソンが「キャリア安全性を高めるための理想」について考えてみました。
キャリア安全性を高めるための理想的な姿
以前お話した「人口減少とキャリア不安の課題。もしも、理想的な姿があったなら」では、キャリア安全性を高める理想として、以下の項目を挙げました。
会社をいきなり辞めるような形ではなく、できるだけ負担が少ないような……
会社にいる中でも、実践できるような……
いままでの経験を、何らかの形で活かせるような……
社内にいるだけだと、ロールモデルが少なくて未来が見えづらいから、社外と接点が持てるような……
収入源がひとつだけだとそれに頼るしかないし、それが絶たれるとなんとなく不安だから、「二足のわらじ」じゃないけど、なんとなく「これなら、安心だな」と思えるような……
年齢に関係なく、自分の強みを活かして、長く活躍できるような……
100%安心できるわけじゃないけど、なんとなく「このまま歩んでいけば、大丈夫だ」みたいな、「未来への展望」が見えるような……
これらのことについて、もう少し端的なキーワードでまとめてみます。
第2,第3のキャリアがイメージできる
自分の強みやありたい姿が言語化できている
社外での接点ができている
成長が実感できる
複数の収入源がある
もしもこうしたことが実現できていれば、気持ち的にも、金銭的にも、キャリアの安全性は高まりそうです。
キャリア安全性を高めるための、具体的な施策
先の、5つの理想を実現するためには、何が必要なのでしょうか。具体的な施策を挙げてみます。大きく分けると、2つの取り組みがありそうです。
キャリアの棚卸
社会との接点づくり
それぞれについてみていきます。
キャリアの棚卸
企業の中で仕事をしていると、「自分は何が強みなのか?」「何が得意なのか?」といったことを言語化する機会があまりありません。その結果、社会との接点をつくり、キャリア安全性を高めようと思っても、なかなか接点ができません。
社外との接点ができないと、第2、第3のキャリアがイメージできません。
そこで、これまでの経験や、自分の強み、人となりといったことを棚卸し、言語化できれば、社会との接点がつくりやすくなります。
なお、「第2、第3のキャリア」というと、ベテラン世代をイメージされるかもしれません。ですが、長い間活躍するためには、若いうちからの準備も必要です。年齢に限らず、キャリアの棚卸ができるような仕組みがあることが理想です。
社会との接点づくり
企業の中で仕事をしていると、人間関係が社内の、同じ仕事をしている人に限られます。その結果、社会との接点があまりありません。社会との接点がないと、自分の市場価値がよく分からず、「このまま、ずっとこの環境で働いていても大丈夫なのだろうか」と不安になります。
キャリア安全性を高めるためには、自分の市場価値が分かったほうがいいし、社会との接点をつくり「いままでの経験は、社会の役に立つんだ!」と思えるような仕組みがあるのが理想です。また、社内だけではなく、社外の人たちとの関わりによって、価値観が拡がるし、人としても成長できます。
社会との接点としては、複業や、地域課題を解決するための研修など、さまざまな手段があります。これらについては、次の記事で具体的にしていきます。
今日の話は、これで終わりにします。