モノづくりに携わる上で大切にしたいこと3選
こんにちは、時雨です。
歯科技工士から工業系の製造業界とずっとモノづくりに携わってきました。
その中で、仕事をする上でこれは大切だと思ったことを3つだけ挙げるなら何だろう?と思い3つに絞って書いていきます。
1. 作業の再現ができるか?
モノづくりは経験者と言えども会社の方針によって作業方法は異なります。
同じ工作機械だとしても加工工程は無数に方法があるように会社によっても異なります。
こうした場合、まったくの未経験者であれば前提がないので教わったことを覚えていけば良いと思います。
ただ経験者の場合は自身の中の前提条件、【今までのやり方】があるのでそと教わった方法が異なる場合は戸惑うかもしれません。
『自分は今までこう教わったのに・・・』
『こうした方が早くできるのに・・・』
思うだけなら良いですが確認もせず、勝手に変更してしまってはいけません。
人は会話ができます。
まずは“提案”という形で自分の考えを伝えてみましょう。
すぐに提案が難しい場合はメモなどにまとめておき、来たる日のために考えを練っておきましょう。
自身の考えを持つのは良いことです。
ただ力の使い方を誤ってはならないということです。
お話したことは一例ですが教わったことに難癖をつけて教わった通りに作業ができないのは教える側、教わる側双方にとっても良くないですよね。
ここで大切なことをお伝えします。
教わったことは、素直にやってみることです。
『なんだ、そんなことか』
そう思うかもしれません。
意外と素直に人の言うことを聞いて実行できる人って実は少なかったりします。
自分なりのやり方を固持してしまったり、知っていることはあまり聞こうと
しなかったり。
それって“素直さ”が足りていないんじゃないかと思います。
教わることに疑いを持たず、教わった通りに実行できる。
それが本当の素直さです。
2. 正しく状況を理解する
製造業、とりわけ工作機械や汎用機を使用する業務の場合は特に注意しなければならないことがあります。
それは怪我です。
特に汎用機は回転するので不用意に手を近づけると怪我をします。
工作機械は動作時には基本的に扉を閉めて使用するため怪我は起きにくいですが機械干渉といって加工プログラムのミスで激突させてしまう。
そういった危険性があります。
そうした状態になった時に正しく状況が掴めていないと原因究明がとても難しくなります。
経験が浅くOJT中だとしても指示者が常に見てるわけでもない。
そうした場合は、
・どのように操作して事故が起きたか?
・教わった手順通り作業したか?
・違和感を感じなかったか?
教わった内容が間違っている可能性もゼロではありませんが、ここでは正しい前提でお話します。
正しい作業方法を教わったけれど実施した作業工程に漏れがあった。
何だか不安だったけど指示者に確認をせずにそのまま作業を続けてしまった。
ヒューマンエラーはこうしたことで簡単に起きてしまいます。
特に作業そのものに慣れていないと失敗したくない、怒られたくない思いから上手く行かないことがしばしばあります。
分かります、私も同じでしたから。
ただ、曖昧な状態で作業することはとても危険なのです。
機械作業の場合、最悪命を落とすこともあります。
命を落とさなかったとしても指がなくなってしまうかもしれない。
そうした危険性があるので、どのような危険性があるかを指示者は教えるべきです。
作業者はそこまで予測が出来ない可能性があるので。
正しい知識がないと状況判断ってできないのでまずは正しい知識を得て、正しく実施することが大切だと思います。
3. 常になぜ?と疑問を持つ
指示者の指示を疑うことはしないと先ほどお話しました。
しかしながら、疑問を持つのはまた違った考え方です。
『んん、それってどういう意味??』
『それは業界用語???』
指示者にとって当たり前なことでも初心者には全然当たり前ではないのです。
マニュアルが確立されているならまだしも、口頭や人伝での技術伝承の場合は教える人物によって左右されます。
『あの人はこう教えたけど俺はこうだから』
それって初心者からしてみたら???てなりますよね。
そんな時でも言い方はありますが臆せず聞いてみるのも良いかもしれません。
『○○先輩からはこう教わりましたけど、□□先輩はそういった考え方なんですね!』
これなら相手の機嫌を損ねることなく、こう教わったと伝えられます。
疑問を持つ、というとちょっと難しいかもしれませんが【違和感を持つ】なら分かりやすいかもしれません。
違和感って一朝一夕に身に付くものではなくて普段からささいな変化に気が付ける観察力や発想力がないと難しいです。
女性の髪型やファッションの変化に敏い男性っていますよね?
それです、きっと女性からは好印象を受けていると思います。
日頃から色々と見ていてアンテナを張っていると、
『あれ???』と思えてくるんです。
『これはこういうものだ!』
『変化なんて起こるわけがない!』
そう決めつけてしまっては何も気づけません。
そうした違和感に気付ける能力って製品の品質にも大きく関わってきます。
これまでは何も感じなかったけど、これって何か変だぞ・・・?
そう思ってよくよく調べてみたら異物が入っていたり、工具が摩耗していたり・・・
すぐに気がつけば損害も最小限に抑えられます。
よくぞ気づいた!そう褒めて貰えるかもしれません。
そうした違和感を感じられるようになったら仕事を覚えていっている証にもなるので、自信にもつながると思います。
おわりに
簡単にですが、私の体験を元にモノづくりに携わる上で大切にしたいことをお伝えしました。
少しでも製造業に携わる方のヒントになったら良いなと思います。
それでは、明日も素敵な加工ライフを!
時雨