SonicStudio HD は 2022 に動くのか?
CDマスタリングで一世風靡したSonicStudioの「High Density」ハイサンプリングハイビットバージョンがいまさら動くのか検証中
まえがき
オーディオCDの歴史
オーディオCDというのはソニーとフィリップスが作った規格で初期のCDはすべて「PCM1630」というデジタルプロセッサーと「DMR-4000」というビデオレコーダーを使って作られておりました。「DMR-4000」は「U-matic」3/4インチのテープを使って録音していたため、CDのマスターは3/4(シブサン)とか呼ばれていた時代があります。
めんたまが飛び出るぐらい髙い機械で、それ故にAD変換、CDマスターを作る工程(変換作業)だけで4万円以上した時代があります。
https://bouya.officew.jp/pcm-1630/
太陽誘電社がCD-Rという技術を開発して気楽にCDを作れる時代が幕を開けました。(CDに直接音楽データを書き込める)現在ではDVD-Rとかに普通にデータを書き込めますが、一番最初にCDを作る機会はSONYが発売したCDW-900Eという機械で定価130万のかなりお高い機材となります。
ただ、当時1630のマスタリングシステムよりはかなり安く出来るということと、「DMR-4000」が製造中止になった影響もありCD業界は1630システムではなく新しいCD-DAマスターを作らなければならなくなりました。
1630からバトンタッチしたシステムが、ルーカス・フィルムでノウハウを培ったエンジニアが設立したソニック・ソルーション(Sonic Solutions社)のSonicStudioというマスタリングシステムになります。
「SonicStudio+CDW-900E」というセットで「PMCD」というプレスマスター規格のCD-Rを作り「U-matic」の代わりにオーディオCDマスターとして入稿できるという時代になってきます。
完全な「PMCD」は「CDW-900E」だけが作ることが出来、後継のCDU920SとCDU924Sは完全なPMCDにはならなかったと思います。後にプレクスター社がPlexMasterという60万ぐらいだった?のドライブを発売しますが、いまいち盛り上がりにかけたという・・・
PlexMaster
CDドライブの寄り道
SONY CDW-900E ※CD-Rの王者
SONY CDU920Sは内蔵CD-Rの型番で外付けはCDU921S
http://zx93.fc2web.com/Drive/drive_cd-r09.html
SONY CDR924Sは内蔵CD-Rの型番で外付けはCDU524R
ここまでが業務CD
そのあとにディスクアットワンスがかけないCDU926Sという無意味なドライブを発売し、CDU928SでDAOがかけるようになりこれを持ってSONYのSCSIドライブの発売が終了します。
プレイステーションのマスターをCDR924SやCDU928Sあたりで作っていたためこのあたりのCDライターも割と有名です。
SONY924あたりで、YAMAHAは名機CDR400tを発売、TEACはCDR-55Sあたりでドライブ業界に名をはせ、CDR-58Sあたりで花開きますが、プレクスター社がモンスタードライブのPX820を発売し、ライターならプレクスターだよねッという時代が来ます。その後にPlexMasterだった等な記憶が。
更に横道。TEACはCDR-55Sが有名なのですが、CDR-58Sを55S化できます。ジャンパーピンでピンをショートさせると58が55になるという思い出。
さて、なぜSonicStudioを語るのにCDRにこんなに寄り道するかというと、SonicStudioという機械は非常に繊細で相性が酷い。
バージョンアップで少しずつドライブのサポートを広げていくのですが、SonicStudioで最終的にサポートされたドライブは
SONY・CDW-900E・CDU920S・CDU924S
Philips・CDD2600
YAMAHA・CDR400t
これぐらいしかサポートされませんでした。さらにPMCD領域にデータを書き込めるのはSONYのみ。
CDW-900Eは非常に高いので、半額のCDU920Sか、更に安くなったCDU924Sを使うというのが金のないプロダクションの選択肢でした。(うちw)
CD-Rドライブユニット「CDU524R」 118,000円
弊社では後にCDW-900Eを6台所有することになりますが、同時に924Sも10台ぐらい所有していました。
というのが、SonicStudio時代の話
さて、随分お待たせいたしましたが・・・・・・
SonicStudioの「High Density」人づてに回ってきて19年ぶり?はじめまして。SonicStudioとはインターフェイスも違いかっこよくなっています。その後のSonicソフトのsoundBlade HDの原型ですね。
https://www.minet.jp/brand/sonicstudio/soundblade-hd/
とか調べたらMedia Integrationがソニックの日本代理店を降りて、日本でソニック販売していない!がーーーん
さて、随分お待たせいたしましたが・・・・・・いよいよ!
1630からマスタリングの座を奪ったソニックですが、徐々にPMCDマスターでなくてもプレスが出来るようになり、そして現在ではDDPマスターの入稿が当たり前。
当然、ソニックは売れなくなってきます。ということで、マスターを作るソフトが編集ソフトへと移行していくわけです。業務ソフトとしてソニックはマスタリング専用、マルチの編集は、ほぼPro Toolsが独壇場だったのですが、pyramixやNuendoというソフトも台頭し業務編集ソフトは戦国時代へと突入します。先行していたPro Toolsが強いですが、VSTプラグインなどの普及で一般の編集ソフトもプロ用として使うユーザーが増えていきます。スタインバーグのCubaseやStudio One、MacのLogicなどプロ用とアマチュアの境がなくなてきているようです。
さて、随分お待たせいたしましたが・・・・・・いよいよいよいよ!
ということで、SonicStudio HDはマスタリングというニーズを失い、編集ソフトとして舵を切る入り口のバージョンなのですが、マニュアルを見て驚愕!
まだ相性問題が・・・・・いや・・・19年前のソフトに今更。。
CD-Rのサポートが・・・
SCSIカードもかなり限定
ついでにPCも
むーーん、やる気が・・・・・・わかっていたけど・・・・
G3でSCSIボードも入っているのでそこまではいいです。ただ、SCSIのアウトが、SCSI3・・・・VHDCIとかいう、訳のわからないアウトになっています。SCSIの68pinですらない・・・手持ちのケーブルがない!
非力なマシンで192kHzとかやろうとするから・・・・SCSIの転送速度も一番早いのに合わせたのでしょう、そうすることにより、ハードディスクも色々と制約が、SCSIカードもほぼAdaptec・・・
まいいでしょう、
で、肝心のマスタリングですが、PMCD規格になるのがCDW-900Eしかない!!!!924Sがサポートされていない!ほぼプレクスター!!!!
うーーーん、CD作るって44.1kHz16bitだよ。ハイサンプリングにしてPMCDぶち切って、DDPもこの当時はまだ不安定だし・・・どこに使いみちが・・・ハードディスクもファンがうるさくて編集の邪魔。
これなら普通にSonicStudio組んだほうが遥かに使いみちが・・・つづく。
SonicStudioについてはNuBusとPCIBusのボードがありまして、NuBusの時代は光ケーブルで信号を入れるようないなっています。ということでAES/EBUを光に変えるコンバーターがあり、そこから光ケーブルで音声入力するのですが、金属を介していない分だけノイズが乗らないなどの都市伝説で音がいい!的な言われ方をしました。PCIBusの時代はハードウエアアウトボードで入出力を管理。初期は50ipnのSCSIケーブルでしたが、HDでは68pinになり速度をあげています。ただ、68ipn-50ipn変換で速度を落としても使えるので、HDをやらなければ50pinのscsi1でも十分です。
いろいろ書いたけど、力尽きた。
ソニックにつていはマニア級に知ってることや資料があるからまとめようかな・・・
ところで、SonicStudioはSonicKeyというファイルがボードの暗証番号と一致しなければ動かないという面倒くさい仕様で、ボードとソフトだけあっても動かないんですよね・・・・なんでやねん。
USBドングル的な、eLicenserとかiLokみたいな感じで、管理ファイルを置かなと動かないという・・・・もう、もう。
ということで、SonicStudio HD 中途半端すぎるだろ!今の時代!
さて、途中画像にあるAdaptecのSCSIカードやプレクスターのドライブもあるんですよね・・・なんでやねん。自分。
adapte9240uw
プレクスター PX-R820T・PXRW8220T
SCSI大好き人間か!
#SonicStudio #CDW -900E #SonicSolutions
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