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弛んでいるからといって、「喝」を入れてはいけません。「活」を入れるのです

はい、また、揚げ足取りの時間がやって参りました。

なぜ、このような性格の悪いことをしているかというと、自分が間違ってしまうためです。

ですから、人様のまちがいを指摘することで、何よりも自分に「活を入れている」のでございます。

で、早速「lifehacker」さんのある日のコラムのタイトル。

ギア入れ直し! ぬるい自分にを入れたい時にオススメの本12選

出典:ギア入れ直し! ぬるい自分に喝を入れたい時にオススメの本12選 | ライフハッカー[日本版]

気持ちは分かります。しかし「喝」とは単に大きな声を出すことであって、活力を入れることではありません。

しかし、座禅中の禅僧に迷いが生じたとみられたときに大きな声を掛ける「喝」は、映像的には「気合いを入れる」に近いので、つい、「喝を入れ」たくなるのでしょう。

「喝」の使い方は、「一喝する」や「カツを喰らわす」が正しく、入れる場合は「を入れる」です。

といっても、やはり「喝」の字面は、タイトルに使いたくなるようで、

今すぐできる!「自分にを入れる」方法☆

出典:今すぐできる!「自分に喝を入れる」方法☆ | 4MEEE

課題やっていない懺悔!!校長&教頭がを入れるよ!!

出典:課題やっていない懺悔!!校長&教頭が喝を入れるよ!! | SCHOOL OF LOCK! | 生放送教室

などと他にも出てきますね。

で、毎日新聞の校閲センターさんのコラム『毎日言葉』では、「を入れる」という誤用が浸透したのはどうやらこの人の影響ではないか? と控えめに書いてました。

その人とは、張本勲氏です。

司会を務めるタレント、関口宏(76)から「が入ったの久しぶりのような気がする。半年くらい入っていないんじゃない?」と指摘されると、張本氏は「だって、あんまりが好きじゃないから、関口さんが。周りから文句が多いらしい、を入れると」と反撃。「で入れた方がいいんですよ」と訴えた。

出典:張本氏が半年ぶりの喝!「周りから文句が多いらしい、喝を入れると」 - サンスポ

と言いますか、これ、音声を文字化したTBSさんやサンスポさんの誤用では? とも思ってしまいました。

で、『毎日ことば』では以下のように解説されています。

国語辞典に載っている用法は「を入れる」。気を失った人の息を吹き返させること、転じて人を元気づけることの意味で用いられます。
」は大声の意。「を入れる」は上述の「を……」との混用と考えられ、毎日新聞用語集では「活を入れる」「一喝する」のいずれかへの書き換えを促しています。刺激を与えて元気づけるという意味ならば「活を入れる」、大声で叱りつける意味なら「一喝する」と書くように、という趣旨です。
ただし、以前の毎日新聞の記事で元プロ野球選手の張本勲さんが「うっかりミスには『』を入れるようにしています」と語っていたように、テレビ番組の影響もあってか「を入れる」という言い回しも浸透しているようです。叱責の意なら「入れる」と言わずに「『喝』を食らわす」とかにしてくれればなあ、とは思うのですが、これは校閲記者の勝手な希望かもしれません。

出典:「喝を入れる」が浸透 | 毎日ことば

さて、暑さ負けしている自分にも「活を入れる」とします。

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