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#10 ベルンシュタインから考える④『動作の起源について』その2
前回は、生命の誕生から原始的な知能が発達するまでの話でした。
今回は、その後の話です。
横紋筋の発達
原始的な知能の発育に続く大きな進歩として、横紋筋の出現が挙げられます!
横紋筋は、それまで古い筋細胞である平滑筋とは大きく異なる特徴を持っていました。
横紋筋は、ハエや蚊などの羽根が毎秒数百回も羽ばたくように、生命に力強い素早いエンジンを与えました。
これにより、のそのそと動くことしかできなかった生物の速さと力の問題を解決する事が出来たのです!
ちなみに、ベルンシュタインは、この進化は偶発的に産み出されたと述べています。
横紋筋の弱点
そんな有益な横紋筋にもデメリットがありました。
それは以下の点になります。
1. 荒っぽく鋭い収縮であるため、自身の身体を壊す可能性があること。
2. 長時間収縮を続けることが出来ないこと。
3. 科学的エネルギーが一気に放出され、再び横紋筋には戻らないこと。
あまりに強い収縮力により自己を傷つけ、さらには、収縮時間やエネルギー源の問題も生まれてしまったのです。
さらに、
4. 収縮力が調節できないこと。
これについては、ライフルをイメージすると分かりやすいです。
弾を打つために引き金を引きますが、ある閾値を越えると弾丸は発射します。
しかし、どれだけ力強く引き金を引いても、弾丸の威力は変わりありません(「全か無かの法則」と言います)。
横紋筋でも、これと同様の事が起こります。
ある一定の値を越えると、収縮する力をコントロールする事が出来ないのです。
しかし、この特徴により、毎回同じ動きを行うことが困難となり、動きの多様性に繋がってゆくのです!
節足動物と脊椎動物の違い
我々、脊椎動物の特徴として、体幹や体肢の真ん中に脊柱が配置されている事が挙げられます。
これにより、横紋筋はエンジンの役割に加え、支持の仕事も必要となってくるのです。
当然、これは理にかなっていません。
ムカデなどの節足動物であれば、姿勢を維持するのに筋活動は不要です。
ですが、脊椎動物ではそうはいきません。
姿勢を維持するために、常に筋肉を収縮させる必要があるのです。
しかし、別の見方をすれば「自由度が高い」とも言えるのです。
以前お伝えしたように、巧みさの特徴は、豊かな資源の利用性があります。
不便な身体を持つことによって、巧みさを兼ね備えるようになったのです!
つまり、不自由さを取る事で、巧みさを獲得する事になるのです。
本当に生命は不思議です。。
次回は、脊椎動物の進化について考えていきたいと思います。