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50歳で3歳の自分と交信した話

最近、娘が反抗したり、号泣することが増えた。

小学1年生になり、やらなければならないことが増えたせいだろうか。
時間に追われ、宿題や学科の準備を急かす日々の中で、いつしか私と妻はできないことばかりに目を向けるようになり、叱ることが増えた。

6歳の娘と言い合いをしても何も解決しない。ふと、自分は子どもの頃どんなことを考えていただろうと、子供の頃の記憶を呼び戻してみた。

太っていてコンプレックスだらけの少年だった自分。
嫌な思い出が次々と浮かんできて、あの頃の自分を無きものにしたいと思うほどだった。

一番古い記憶は保育園。
園庭で遊んでいるとき、ふと自分が左右違う靴を履いていることに気づいた。右と左でヒーローが違う。
恥ずかしくてお部屋に戻れなくなり、誰もいない園庭に一人しゃがみ込んでいた。
しかし、その瞬間、親の気持ちになって、その時の自分に「大丈夫だよ」と声をかけてみた。

驚くほど、ほっとした。
小学校、中学校、高校の自分にも声をかけた。記憶の中の自分が、孤独やコンプレックスから解放されていった。
あの時の自分も、頑張っていた。ただその時はそれに気づけなかった。

失敗しても恥ずかしい思いをしても、振り返れば、すべてが大丈夫だった。
そして、自分の気持ちに誰よりも共感できるのは、自分だった。


娘は今もこれからもすべて「大丈夫」なのだ。自分がそうであったように。
長い目で見れば、彼女もまた自分の道を歩んでいる。
親が叱る必要などないのだ。

これは夫婦にも当てはまる。
仕事と育児に追われる中で、お互い無意識のうちに期待や不安を押し付けているのかもしれない。
けれど、少し距離を置いて「大丈夫だよ」と言える関係であれば、安心して共に歩んでいける。

そう、すべて大丈夫なのだ。

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