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不採用、つらいよう

今年、久々に面接を受けた。
仕事とは直接関係のない地域活性化に関する講座に参加したくて、そのための面接を受けた。
10年以上住んでいる港区で、何か自分が地域に役立てることができないかと思ったのが理由だった。特に娘が小学校に入学してからは、この地域に根を張って生きていこうと決め、家族のためにも地域のためにも何かできることがあればと考えた。

結果は不採用だった。
面接は形式的で、簡単に通るだろうと思っていた。しかし、面接の場では、予期しない質問に対してうまく答えられず、何か嫌な予感がしたのを覚えている。
「この地域と隣の地域の違いをどう感じているか?」という質問。その質問にうまく答えられず、面接の空気が変わった。
 
不採用の通知が来た時「あ、なめてた」と思った。久しぶりに「しまった」と落ち込んだ。
それでも気づいたこともあった。なめていたこと、気が緩んでいたこと、リスペクトがなかったこと。それが今の自分だった。
採用されると何が良かったのか分からないことが多いが、不採用で気づくこともある。
 
これきっかけで、若い頃にあった不採用を思い出した。
30代の頃、SBIホールディングスの系列で不動産投資信託を扱う会社の面接を受けた。REITが注目されていた頃で司法書士を募集していた。
大手、金融、六本木、給料も良い、かっこいい、だから就職したいと思っていた。
一次、二次面接を通過し、最終の社長面接までたどり着いた。しかし、社長面接で僕は意外な一言を発した。
社長から「将来どうなりたいか」と聞かれ、なぜか「町医者のような仕事をしたい」と言った。

そして不採用となった。
何であんなこと言ったんだろうとしばらく後悔した。
 
現在、司法書士として地域に根ざした仕事をしている。
振り替えれば、あの一言は僕の本音だったんだと思う。
不採用はショックだが、自分に気づく転機でもある。

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