目黒川の桜と天空広場
昨日、花見の場所に迷った挙句、目黒川に見に行くことに決めた。
実は、昨年、中目黒から目黒川に行ったところ人手が凄かったので躊躇した。しかし、池尻大橋側はそれほど混んでいないとの情報があったので、池尻側から川沿いを中目まで歩くことにした。
池尻側から歩き出し、花見をしながら少し歩くと、コンクリート打ちっぱなしの巨大な壁が目の前に現れ、「天空広場」という聞きなれない名前のプレートが貼ってある。
そのコンクリート打ちっぱなしの一番上の空に繋がるあたりを見上げると、そこには植栽が連なっているのが見えた。
ああ、あの遥か上の方に、天空広場という名前の公園か何かがあるのだろう。ちょっと覗いてみるかという軽い気持ちで、奥まったところにあったエレベーターに乗り込んで上部を目指した。
かなり大型のエレベーターがスーッと滑る様なスピードで大きなコンクリートの造作物の上階層について扉が開くと、視界が広がり芝を張った広場の一角が目前に広がった。
エレベーターを降りて、十数メーター歩くと左右にその全体の広がりが見えてきた。
なんだこれは、想像していた大きさを遥かに超えるスケール。とてもちょっとしたビルの上にある植栽が申し訳程度に植えられたありがちな屋上広場の比ではない。
山や高原の一角といっても過言ではない様な、アンジュレーションと珍しい花や木々。
まず、図書館があるという高層の建物の方に歩いていくと、芝生ながら、これはゴルフのグリーンじゃたまらないというほどかなりゆるくではあるが凸凹している、コンクリートの建造物の上とは思えない豊かな自然。途中には、芝桜が植えてあったり、築山があったりで、上の方には見晴らし台の様な場所もあり、あちこちに椅子やベンチが十分というほど備わっている心遣いがうれしい。
上部からは、隣に隣接する別の屋上庭園の水田が見える。多分、水田だと思う。
遥か下には、人工芝と思われる広場が見えて、だんだんと空中庭園の全貌がわかってきた。
まさに、春爛漫の花の宴。桃色と紅色の2色が混じり合った不思議な八重桜の様な花びらを持つ桜種の樹木だろう、美しい花をつけた特徴的な木が季節感を演出している。
図書館の方向に歩いて今度は下りながらエレベーターまで戻ると、反対側にも同じぐらいの広がりと道が更に下る様に続いている。
広場では、昨日は、花を活けて、畳の上で和服の男女が野点をやっていた。素敵な光景だった。
そうそう、下界は混みこみなのに、別世界の様に、野点がゆったりとできるぐらい空いているのだ。
そこからしばらく歩いて、管理事務所脇の写真の展示してある部屋に行って、この巨大空中庭園の正体は、首都高3号線と中央環状線を結ぶ巨大な4層構造の円形の大橋ジャンクションという構造物上部を利用して作られたドーナツ状の円形空中庭園ということがやっと理解できた。
わが町にもほしい素晴らしい構想の建造物だ。いや有効利用施設だ。
6年も前に作られていたなんて全く知らなかった。
隣接してクロスエアタワー、プリズムタワーという超高層マンションがあり、天空広場とつながっている。また、図書館、フットサル広場、じゃぶじゃぶ池などが整備されていて、目黒川にも隣接しており、年齢層問わずなんともうらやましい限りの設備だ。
特に、桜の季節などはもってこい、いや、夏もまたいいかな。都心にも抜群のアクセス、富士山も一望できる。
渋谷でも、三茶でも、中目でも歩いて行ける。
流石お金持ち区?目黒区。
ブドウ園もあって、ワインの品種を育てて、甲府でワイン造りしているとのこと。
勿論、バリアフリー。
なんともうらやましい限りと思って天空公演を後にした。
それから、この目黒天空庭園から、目黒川を、中目方面に。
中目黒に近づくにつれだんだんと人混みが増してくる。
中盤あたりの桜のボリュームは満開に近くとても見事で、特に橋の上から橋のセンターに立って川を見ると見事な遠近法で川の遠方がだんだん細くなっていくのが先まで見通せて、零れんばかりの満開の桜と川のコントラストも見事だった。
昨日は、中目黒で、日本各地の日本酒の飲み比べのイベントが催されていて、終了時間に近かったので、3,500円のところ1,000円でかなりの蔵元の、日本酒が楽しめて、ラッキー!天空公演、川沿いの桜、大吟醸とまさに春爛漫の一日だった。
最後に、皆様に、花見の時期に東京に来たら、おすすめコースとして、目黒川は最高です。しかし、中目黒側はとても混み合うので、池尻大橋からスタートして、目黒天空公園で出来ればシートを敷くか、テーブル付のベンチの場所があるのでそこで弁当持参でランチをとり、それから中目方面に抜けるコースをお勧めします。
皆さま良き春の日を・・・。