解像度について
前項「RGBとCMYKについて」で
ディスプレイを電子顕微鏡で拡大した動画を紹介しましたが
デジタルイメージの基本的な考え方は
あのようなタイル状の色の集合です。
このタイルはピクセルと呼ばれていて
ピクセルの量を表しているのが解像度です。
ピクセルの量が多ければ、細部まで多くの情報を持っている高画質なデータ
ピクセルの量が少なければ、細部の情報がない低画質なデータとなります。
こう考えるとピクセルは多ければ多いほど良いように思われますが
ピクセルが多いとデータ量も大きくなりますので
パソコンでの処理が重くなったり
ハードディスクを無駄に占有したりといった欠点もでてきます。
デジタルでイメージを扱う場合は、用途に合わせた適切なピクセルの量
つまり解像度を選ぶ必要があります。
1|適切な解像度の目安
解像度の単位として主に使われるのがdpiです。
数字の目安としては
・家庭用プリンター:180dpi〜
・商業印刷用の画像:300〜350dpi
・大判ポスター:180〜240dpi
一方で、映像やWebにdpiはあまり使用しません。
紙媒体に出力せず、デジタルで完結する場合は
ピクセルで直接指定することが一般的です。
・映像(フルハイビジョン):1920×1080pixel
・映像(4K):3840×2160pixel
・Web(パソコン向け):横幅 1000pixel など
・Web(スマホ向け):横幅 750pixel など
さて、そもそもdpiとは何なのでしょう?
2|ピクセルについて
dpiについて説明する前に、少しピクセルについて補足をします。
映像の一般的な解像度は 1920×1080pixel なのですが
これをセンチに変換すると 何cm×何cm になるでしょうか?
映像を出力するテレビには、リビングで見る大きなものもあれば
カーナビで見れるポータブルなテレビもありますね。
実はピクセルには、サイズという意味での大きさがありません。
そうです。ピクセルには大きさがないのです。
ピクセルはデータの量を数字にしたものなので
出力する装置によって大きさは自由に変えることができます。
映像やWebなどは、それを見る環境が
ユーザーに委ねられているため
ピクセルで作り、ピクセルで流通させるのです。
一方で、紙媒体の場合は
どんなサイズで、どんな紙に印刷するのか
最終的な出力まで含めて、作り手が設計します。
その時、デジタル世界の量の単位であるピクセルと
現実世界の大きさの単位であるインチを結びつける
新しい単位が必要になります。
そこで持ち出されるのが dpi なのです。
3|dpiとは
車の速度を表す時に 60km/時 などといいますが
これは距離と時間という2つの単位から速度を定義しています。
dpiは、dots per inch(ドット・パー・インチ )の略で
時速的に言えば、ドット毎インチ
つまり1インチ の中に何ドット(ピクセル)が入っているか?
という密度を表したものです。
ここで重要なのは
dpiはピクセルとインチ を橋渡しするだけの単位ということです。
ですから、実際の画面サイズを決める場合、
dpiと合わせて、ピクセル、もしくはインチ (センチ)の
どちらかを合わせて設定する必要があります。
例えば
・10インチ(25.4センチ)の印刷物を、300dpiで作るためには、、
→3000pixelのデータが必要だ
・1200pixelのデータを、300dpiで出力すると、、
→4インチ (10.16センチ)になる
という具合です。
4|まとめ
ここでは、解像度とその単位であるdpiについて説明しました。
dpiは少しややこしく
社会人でも誤った理解をしている人を見かけます。
しかしデジタルイメージを扱う上では
基礎的な知識になるので、正しく理解しておきましょう。