いくつになってもワクワクする船旅と18年ぶりの夕陽(2023の旅の振り返り・奄美大島)
5歳までは沖永良部島に住んでいた。しかし、3歳までの記憶はほとんどない。幼稚園でいう年長になるタイミングで奄美大島に引っ越した。以後、父の仕事の都合や進学などで、島内を転々とする。最初は瀬戸内町に7年間住み、龍郷町に3年間、名瀬市(現奄美市)に3年間、といった具合だ。奄美大島にはトータルで13年間過ごしたことになる。今回の帰省では、先に与論島を訪れて船で奄美大島に向かった。
フェリーから想起する非日常
フェリーに乗ったのはほぼ10年ぶり。バンコクに行く直前に、日帰りで沖永良部島を訪れた時以来だ。フェリーに乗ったらワクワクするのは、大人になっても変わらない。
中高生の頃、部活の大会で他の島や鹿児島市内へ向かう場合、基本的に安価なフェリーを利用する。
鹿児島市内への移動時は、往路も復路も船内で一泊することになる。友人たちと一夜をともにしながら、奄美大島より都会な鹿児島市内へ向かう船旅は非日常感満載なのだ。
そのワクワク感を、船室のレイアウトや、塩くさい独特の匂い、エンジンの振動を感じることで思い出すのだろう。
ちなみに、与論から奄美までは約9時間かかる。飛行機で移動すれば、1時間もかからない。レストランでお昼ご飯を食べたり、甲板に出て海を見ながら移動できる。途中で沖永良部島や徳之島に寄港し、島の港の様子も眺められる。
もちろん時間はかかるけど、娘が遊びまわりながら移動できるのは親も楽だし、娘にとってもいい経験になるはずだ。眠くなったら雑魚寝スペースで昼寝もできる。
9時間の船旅はあっという間だった。
18年ぶりの夕陽
大阪に帰る日の前日、家族と一緒に大浜海岸を訪れた。大学生の頃から、帰省したら大浜海岸にはよく行っていた。奄美市の市街地から一番近い海水浴場で、天気が良ければ素敵な夕陽に出会える。
実は、奄美市は日本の中でも特に晴れの日が少ない地域だ。年間降水量も多い。夕陽を見るこちら側が晴れでも、日が沈む西側の海の向こうに雲があれば、水平線に沈む前に太陽が雲に隠れてしまう。
この日は少し雲があったけど、水平線に沈むまで夕陽を眺めることができた。海に沈む夕陽を見たのは実に18年ぶり。初めて地元を離れて帰省した大学1年生の夏に高校の同級生と一緒に見たのが最後だった。以来、何度か訪れても天気に恵まれず海の向こうまでオレンジ色になるような夕陽には出会えなかった。
18年前は友人たちと、今回は家族と一緒に。娘が大人になっても変わらず気まぐれな美しい夕陽が見える場所であることを願う。
次回は八王子編に続きます。
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