著書紹介「細川興秋と月圭山芳證寺」
「細川興秋と月圭山芳證寺」パンフレット(小冊子)について
芳證寺様所有の寺宝開示のお礼として中村社綱氏が「芳證寺のパンフレット」の作成を発案されたので喜んで協力させていただきました。興秋がキリシタン宣教師として生き、『長興寺薬師堂』がキリシタン寺であり、興秋が「天草の乱」の時に地元御領周辺のキリシタンたちを乱に参加させなかったこと。すべての歴史事実を集約した芳證寺様独自のパンフレットが完成しました。この様な機会を頂き、禁教時代に多くのキリシタンを受け入れ檀家として保護した寺の存在を詳しく調べることにより、その地域におけるキリシタンの存在を把握できることに繋がりました。「キリシタン寺」と言われている地域の寺の過去帳と、その地方のキリシタン史(イエズス会史料)の両方を照らし合わせて調査することが、これからのキリシタン研究のひとつの道筋であり新しいキリシタン研究の方向性を示しています。
御領の東禅寺(キリシタン寺)もこれから詳しく調査していきたいと願っています。1617年には天正遣欧使節だった中浦ジュリアン神父がこの東禅寺に長逗留して「コーロス徴収文書・天草地域」を担当し、天草のキリシタン庄屋と信徒代表者から署名をもらい「徴収文書」を作成しています。
遠藤周作著「沈黙」にも描かれている転びバテレン・クリストファン・フェレイラ(Cristovãó Ferreira)神父が1629年から1633年の5年間、この東禅寺に匿われていたことがわかっています。また同時期ジャコモ・アントニオ・ジャンノネ(Giacom Antonio Giannone)神父も、東禅寺に匿われていて、1633年(寛永10)島原に宣教中に逮捕され、島原の今村処刑地で火あぶりの刑で殉教した。フェレイラ神父は、同年、長崎で宣教中に逮捕され、10月に中浦ジュリアン神父と共に、長崎の西坂に於いて穴吊りの刑に処されたが、5時間後に棄教した。
申し込み先
〒860-2201 熊本県天草市五和町御領6610 曹洞宗・月圭山芳證寺
☎ 0969・32・0359
定価 1000円 送料 210円(スマートレター)