ボードゲームとしての「ロンゾロミラー」を考えてみた。
はじめに
こんにちわ。シゲルです。
この記事は、大層な布教記事ではなく、ほんとにただの日記みたいなものです。
現在、新型コロナウイルス感染症(通称COVID-19)の影響で思ったように対面でポケモンカードを遊べない状態が続いており、ポケモンカードへのモチベーションが失われつつある人も多いのではないでしょうか。
僕もそのうちの一人で、『現行スタンダード』へのモチベーションがほぼ皆無と言っても過言ではない状態です。
先日のPJNOに参加し、燃え尽きてしまいました。
そして今、僕にモチベがあるものといえば、そう、「伝説の鼓動」のシールド戦と、所謂『過去レギュレーション』のポケモンカードです。
今回は、後者の過去レギュレーションのポケモンカードの話になります。
1年ほど前に、以下のnote記事を拝見しました。
いや、ガブレンミラー、めちゃくちゃ面白そうだな、と。
僕自身、ポケモンカードBWからまともにデッキを組み始めた男なので、(僕にとっては)知らないカード、知らないルールのなかで、同じ60枚を使って戦うゲームだ!なんて言われたらやりたくなるに決まってるじゃないですか。
といった感じでガブレンに興味を持った私は、少しずつカードを集め、つい昨日現物でガブレンのデッキパーツを揃えることができました。(一緒に遊ぶ友達はいません)
(ちなみに余談ですが、ヤマグチヨシユキさんのゾロアークドラフトもほぼ同じプールで人数分現物で揃えてしまったので、影響受けやすい男です。)
これを機にDP~LEGENDシリーズのカードを集めに集め、WCS2010レギュのデッキはそこそこ組めるようになり、過去レギュへのモチベーションがぐんぐん上がっている僕ですが、それに付随して「他のミラーマッチ」も検索してみました。
やはり話題に上がるのはプラズマ団ミラーや、ルガゾロミラーでしたね。ソードシールドシリーズでも、楽しいミラーマッチができるデッキタイプは現れるのでしょうか。
さて、ここで僕が考えたのは、ガブレンミラーは(友達がいなくて)カードを揃えられる人が少ないためなかなか遊びにくいということです(僕としてはせっかく現物で揃えたので、コピーカードを使用してでもやってくれる友達が欲しいところです)。
じゃぁカードが揃えやすく実現しやすいミラーマッチはなんだろう、と、考えると、やはり最近のレギュレーションで人気(にんき)の高かったルガゾロミラーだな、となったのですが、いざ考えてみるとなかなか難しい。
そもそも2018JCS、XY1~SM6までのルガゾロと、2019JCS、SM1~SM11のルガゾロ(ペルシアン)があり、どっちがいいだろう、と。
僕個人の好みとしては2018なのですが、今のプレイヤー層を考えると2019か?ということで考えましたが、2019のゾロルガは様々な形があり、ミラーにふさわしいゾロルガを組めず、制作を断念しました。
ロンゾロの話
じゃぁ諦めてガブレンのカードコピーして友達に郵送しようか、とおもっていたところ、僕は、とある大会の配信試合を思い出しました。
2017-2018シーズン、Sindelfingen?で開かれたExpanded(日本でいうところのエクストラ、BW1~SM5+たぶん)の大会、Tord Reklev選手とPedro E Torres選手の試合です。
日本でも使われていた、ゾロアーク/タマタマデッキ、いわゆる「ロンゾロ」のミラーマッチです。(ロンゾロ、という名称の由来はよくわからないので誰か教えてください)
この試合実はめちゃくちゃ好きで、僕が2019シーズンのCL新潟でロンゾロを握ったきっかけでもあるのですが、とにかくロンゾロの魅力に取りつかれた試合です。(この記事もう読まなくていいからこの試合だけでも見てほしい、くらい)
この大会、TOP8のうち5人がゾロアーク、TOP16を見ても8人がゾロアーク、というゾロアーク大会でした。この大会で優勝されたTorres選手のデッキレシピがこちらになります。
そもそもロンゾロってどんなデッキ?という話ですが、簡単に説明すると、とにかく「タマタマ(BW9)」が強い、という話なのですが、
・ぞうしょく→とりひきのコンボで実質無償で2×ゾロアーク枚のカードが引ける
・めちゃくちゃ簡単に210点が出せる
・さんざん回した上でオカルトマニアを打ち続けられる
こんな感じでしょうか。当時のExpanded環境では、素の体力でワンパンできないのは「サーナイトGX」のみ、あるいは闘魂のまわしをつけた「ガマゲロゲEX」や「マッシブーンGX」でした。(ゲンシグラードンEXとかもですが流石に組める人多くないので)
このデッキタイプがミラーマッチするとどうなるかというと、先攻が先殴りして210点3連打で試合終了、となるわけではなく、基本的に「オカルトマニアの打ち合い」になり、そもそも特性が使えない、みたいな状態になります。
そもそも基本的にお互いのベンチには「ウソッキー(みちをふさぐ)」がいるので、たとえ「スカイフィールド」があろうとベンチにはポケモンは4体までしかおけません。210点を出すためには、以下の手順を踏む必要があります。
・ぞうしょくでトラッシュからタマタマを「先に」たくさん手札に加える(重要)
・オカルトマニアを使う
・タマタマをたくさんベンチにおく
・こだわりハチマキをつけて殴る
簡単なようで意外と難しいんですよね、これ。
そもそも前のターンに「オカルトマニア」打たれてるわけですから。
「おい、それなら相手のみちをふさぐも発動してないじゃないか」となるわけですが、もちろんそうです。ただその場合は相手のベンチにポケモンが8体いるわけで、こちら側は「オカルトマニア」をあえて打たず「ウソッキー」の「みちをふさぐ」を発動させて・・でもそうすると今度は相手が取引ができるようになるから・・・でも8体ポケモンならべておくと次はなりかわるの「ゾロアーク」の「マインドジャック」が・・・みたいなことが起こるわけです。
なんかうまく言語化できないんですが、とりあえず「オカルトマニア」、「ウソッキー」、「タマタマ」この3枚のカードのテキストと、ポケカのルールがいろいろ組み合わさってそこそこ複雑そうな駆け引きが生まれそうのがロンゾロミラーなんです(あくまで個人の見解です)。まずは丁寧に先ほどの試合を見ていただきたい。
ロンゾロミラーの考察
ということで、「ロンゾロミラーやろうぜ!」みたいな話はほとんどなかったので、ロンゾロミラーやるならどんなデッキがいいんだろう、と少し考えてみました。
そして出来上がったのが以下のレシピです。
基本的にTorres選手のレシピをベースに、ボードゲームとして美しく成立できるように少し改造しました。
なぜこのようなデッキにしたのか、必要なところのみ説明します。
重要
この記事は、ロンゾロミラーやってくれ!!あわよくばロンゾロミラーがひとつのポケカの遊び方として定着してくれ!!という目的で書かれたものではなく、身内で遊びたいから、であったり、もっとエクストラやゾロアークに知見の深い人の意見、アドバイスをいただきたい、という目的で書いています。(そもそもミラー本気でやるなら前述のガブレンミラーやプラズマ団ミラーのほうが多分たのしいし完成度が高い)
・ゾロア
ロンゾロといえば、右のBW-Pのゾロアですが、優勝者のTorres選手のゾロアは左のゾロアでした。
Expandedにおける「ゾロア」がどちらがいいのか、という議論はおいておいて、ボードゲームとしてのロンゾロにふさわしいのはどちらか、という考察になります。
ゾロア(SM3+)のメリット
・「ぶつかる」で20ダメージ、ハチマキつきで50ダメージが見込める
・運要素が発生しない
・簡単にそろえることができる
ゾロア(SM3+)のデメリット
・特になし
ゾロア(BW-P)のメリット
・「にらむ」によるマヒのワンチャンがあり、戦略に幅が広がる
・それゆえ、アセロラとグズマの価値が高まる
ゾロア(BW-P)のデメリット
・コインフリップが必要なので、運要素が絡む
・入手難度が高い
お互いのメリットデメリットを考慮すると、やはり「アセロラ」と「グズマ」の採用理由が濃くなる「にらむ」のほうがいいと感じましたが、どうしてもコインフリップが気になってしまいました。
ドロー、サイド落ち以外での運要素を極力入れたくない、立ち回りでの勝負ができるようにしたい、という目的から、ゾロアはSM3+のほうを選びました。(どくさいみん光線がないので、コインが関わるカードはこれのみ)
正直どちらのゾロアもミラーにおいては技を打つことはさほど多くないので、どちらでも良いと思うのですが。
・カプ・テテフGXとシェイミEX
どちらを3枚にして、どちらを2枚にするか、という議論です。
2枚2枚でいいんじゃないの?という考え方もありますが、5枚目のテテフorシェイミより採用したいカードがなかったので、5枚目の考察です。
カプ・テテフGXのメリット
・アズサに触りやすくなる
・後半好きなサポートに触りやすくなる(トラッシュにある場合も多いが)
・「エナジードライブ」の打点が(一応)110点まで見込める
シェイミEXのメリット
・3枚採用で、よりぶん回し度が高くなる(正しい日本語かは怪しい)
・初手で、ゾロアを並べつつ、オカルトマニアを打てる可能性がテテフより高い
・スカイリターンが強い(使いまわせる)
今回、しっかりと「ゾロア」を並べて(場合によってはウソッキーも)ゲームを展開していくことに重きを置いたので、「カプ・テテフGX」を3枚採用ということにしました。
また、「シェイミEX」のメリットに使いまわせる、ということをあげましたが、つまり2枚でも「スカイリターン」を使えば「セットアップ」を使うことができるということなので、2枚に抑えました。
・ガマゲロゲEX
ゾロアークデッキに「ガマゲロゲEX」を採用している選手は、TOP32の中ではTorres選手のみでした。実際に例の試合でも、「ブルブルパンチ」は一度も使っていません。
おそらく、ゾロアークミラーより他のデッキに対するメタとしての採用だと思います。
しかし、ボードゲームとしてロンゾロミラーを考えたとき、選択股、勝ち筋はできる限り数が多いほうが楽しいかな、という限りなく浅はかな理由で「ガマゲロゲEX」を採用しました。(にらむゾロアに関しては運が絡むので無視)
ただし、全く意味のないカードである、というわけでもなく、「ブルブルパンチ」を使うことで「時のパズル」や「バトルサーチャー」「ハイパーボール」の使用を禁止し、「オカルトマニア」と合わせて利用すればこちら側のみ一方的に「オカルトマニア」を打ち続けることができます。
もちろん、大会で勝つため、なら「ガマゲロゲEX」を採用することを深く考えるべきですが、今回はボードゲームとして考えています。
ちょっと使いづらいカードが手札にあってもいいじゃない。
バトル場で置物になってしまった場合の解決札として、「アセロラ」と「グズマ」があります。
こういう困った場面に解決するカードがある、というのも、ボードゲームとして楽しいんじゃないかな、と思いました。
・アセロラ
「グズマ」はホントに試合の締めで意味を持つカードなので良いとして、「アセロラ」の採用は結構迷いました。
試合中「アセロラ」を打つ余裕は実はそんなにないんですよね。やっぱり「オカルトマニア」が強い場面のほうが多いと思います。
ただしそれでも、「アセロラ」は「ゾロアークGX」に対して非常にシナジーのあるカードです。スタンダードレギュレーションで「アセロラ」が入っていないゾロアークデッキはまぁほとんどなかったんじゃないでしょうか。
実際に使う余裕があるかどうかは置いておいて、やはり対戦するカードプールのなかにアセロラが入っていることには意味があると考えました。
もちろん「ゾロアークGX」や「ガマゲロゲEX」の回復、回収に使ってもいいですし、「アセロラ」がお互いのデッキに入っている、ということを意識しながら戦わなくてはならない、というところに目を向けました。
大会では基本的に相手のデッキに何が入っているかは分かりません。
お互いのできることが完全に把握できている同じ60枚のミラーマッチだからこそこういうカードも意味を持ってくるのかな、と思いました。
(あと普通に可愛いので使ってあげたい)
・ポケモンレンジャー
さて、ロンゾロミラーを考えた末、上記のガマゲロゲEXを含めた59枚まで決まりました。あと1枚、何を採用しよう。
候補として挙がったのは、「ポケモンレンジャー」と、「N」、そして「ゲーチス」です。
どのカードも是非採用したいカードでした。
特に「ゲーチス」に関しては、この大会でほとんどのゾロアークデッキに採用されていました。大会での採用率としては、「ゲーチス」>>「N」>「ポケモンレンジャー」といったところでしょうか。
「N」はスタンダードに含まれているうちはもちろんのこと、現行のエクストラでも人気の定番カードですね。
また、おそらく「ポケモンレンジャー」は、ゲロゲダストの「ブルブルパンチ」もそうですが、どちらかというと「ゲッコウガ」の「かげぬい」対策としての採用だったのではないか、と思います。
ということで、それらも踏まえた上で、どのカードにするか考えてみました。
ゲーチスのメリット
・とにかく強い
・ブルブルパンチとのシナジーがあるため、ガマゲロゲEXの価値を高めることができる
・レッドカードと合わせて使うとそのままゲームを終わらせる可能性がある
ゲーチスのデメリット
・初手で試合が終わる可能性がある
・強すぎる
Nのメリット
・終盤相手のサイドが1枚の時に手札を1枚にすることができる(お馴染み)
・初手でどうしようもなく事故ったときに手札をリフレッシュできる
・かっこいい
Nのデメリット?
・手札1枚にしたところで「ぞうしょく」「とりひき」ですぐ回復される
・そもそもその場面はオカルトマニアのほうが強かったりする
・初手以外はアクロマでいい
ポケモンレンジャーのメリット
・ブルブルパンチに対する対策札として存在でき、ボードゲームとして美しくなる
ポケモンレンジャーのデメリット
・ブルブルパンチにしか使い道がないため、かなり使用用途が絞られる
どれもいいところと悪いところがあります。
強いて言うなら「ゲーチス」になるのですがやはりどうしても「レッドカード」とのコンボがチラついてしまう・・・
BO3ルールで遊べば、このコンボによる1回の事故はリカバリーできるとはいえ、あまりにも強すぎるのではないか、という思いが強いです。
ボードゲームとしてのバランスを壊しかねない・・・
ただ、逆にこの「レッドカード」「ゲーチス」のコンボって、そこまで決まるものでもないんですよね。
初手に「レッドカード」と「ハイパーボール」があったとき、わざわざ「ワンダータッチ」で「ゲーチス」をもってくるでしょうか?
基本は「アズサ」か「オカルトマニア」優先になるはずです。
そもそも現物のサポートや「カプ・テテフGX」、「シェイミEX」は山に戻せませんからね。
実は「ゲーチス」を使う場面ってそう多くない、と判断しました。(それを言うと「ポケモンレンジャー」も使う場面はそう多くないのですが・・・)
ということで、ボードゲームとしての美しさを優先するために、最後の1枚は「ポケモンレンジャー」ということになりました。
やっぱり、このカードにはこのカード、みたいな定石?があるのはゲームとして美しいですよね。
ボードゲームには一発逆転のカードがあるべきだ!なんて思う人は、ここを「ゲーチス」にして遊んでみてもいいかもしれません。
07/13追記
とはいったものの、オカルトマニアの打ち合いにおいて、オカルトマニアを打たないターンにゲーチスをはさみ、バトルサーチャーを消す、という動きもアリなような気がしてきました。
つまり、山札からオカルトマニアを現物で拾ってくる(手札に抱えたワンダータッチ)ことを念頭においてプレイしなくてはなりません。
ゲーム性を高めるためにゲーチスのほうがやっぱりいいのかも・・・
おわりに
ということで「ボードゲームとしてのロンゾロ」というものを考えてみました。何試合もしてゲームバランスを調整したわけではないので、いろいろ粗があると思います。ですので、何か意見、改善案があればTwitterまで是非アドバイスをいただけたらと思います。
https://twitter.com/sgr_tonpoke
今僕は過去レギュレーションのモチベーションがハイテンションなので、ガブレンのみならず、WCS2010レギュ、BWレギュ、XYレギュなど、過去レギュのモチベがある人は是非オンラインでもいいのでお誘いください、お待ちしております。(対面でやるならそれこそこんなロンゾロミラーより普通にゾロアークドラフトがやりたい)
ちなみにこれはミラーロンゾロです。ミラーマッチをするのならば、カードはできるだけミラーのものを採用しましょう。
以上となります。ここまで読んでくださりありがとうございました。
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画像引用元
ポケモンカードゲーム公式ホームページ
https://www.pokemon-card.com/
情報元
Limitless
https://limitlesstcg.com/