大切なのは、子どもたちへの思いやりでした。
2019年に、カオスな1年に出会う。
私は、ご縁があり、2019年から北海道のある町に行くようになりました。ある時、観光のプロの方から、お電話があり「ちょっと遠いけど、行ってみませんか? あなたのためにもなると思うから」。私は、常日頃、お世話になった方からのお声をかけには「はい」か「Yes」で答えるようにしています。ですので、迷わず「お願いします」とお応えしました。
そして1年目が、はじまりました。
わからないことが多く、ビジョン、ミッションが本当にカオスで、面白い一年でした。今思えば、私自身の問題でした。
1年目が終わったあとの春、コロナでないですが、急性のウィルス性胃腸炎になってしまい1週間入院しました。退院の日に電話があり、奇跡的な2年目がはじまりました。電話の主からは「私は誰でもいいのですが、どうですか?」と言われました。色々なことがあって、また声がかかったことは容易にわかりました。お世話になった方からのお声をかけには「はい」か「Yes」で答えることにしていたので、迷わず「ありがとうございます。お願いします。」とお応えしました。妻には「よく受けたね」と言われました。
こうして、2年目がはじまりました。考え方を変えて「皆さんの鞄持ちで行こう」と思いました。そんな年に、私は、とても大切な事を教えていただいたことを記録したいと思います。
何のための観光・地域ブランディングなのか。
北海道のある町の方々に2時間ずつお話を聞きました。T谷さんから、会議体のはじまりから色々と教えていただきました。いろんな方々に、いろんなことを教えていただきました。その時にTさんの声が心に焼き付いています。大きな空と蒼い海を望むロビーで、Tさんのこれまでをお聞きしました。九州・中国地方へ修学旅行の営業でまわっていたこと。合宿誘致もしていたことなど。その眼差しには、「私の前に座っている男は、本物なのか?大丈夫か?」という雰囲気がありました。その眼差しのさらに奥にある大切な事(後述にて)に、気づいた時に、今は、なぜそのような愛のある眼差しだったのかを、とても納得しています。
2年目は、道外に視察にも行きました。Tさんに視察の時に、「添乗員できるんじゃない?」って労いの言葉をかけていただきました。(実際には、ご縁で知り合った大手旅行代理店のHさんと、誠実な新人のSさんのバックアップがあったおかげでしたが。)
そして、みなさんの考えも見えてきて、ワークショップを行い現状分析から戦略分析、KSF(Key Success Factor:重要成功要因)を設定することができました。結果、私は2024年もKSFの「鞄持ち」を行っています。
そんなワークショップの時にTさんの忘れられない言葉を聞きました。
「娘もみなこの町から出ていき帰ってこないかもしれない。しかし、自分と妻に何かあったら、駆けつけてくれるだろう。その時に、道がよくないと大変。だから、私が携わる宿泊業などの観光は大切だ。観光で、町にお客様を迎えるための道を整備できれば、子どもたちの負担を減らすことができる。医者が不足している町だから、観光は必要だ。」
私は、とても深く気づかされました。地域の経済性・社会性をマクロに観るだけでなく、人にとっての意味・意義を考えることの大切を教えていただきました。「医者が不足している町だから」は、あとに女史との出会いにつながります。
いろんな方々の想いと、Tさんのチャレンジにも、少しでも役に立てれば!と思いましたが、秋から会議にもTさんは来なくなりました。
「また、カオスな感じになってきた。私の力不足だったのか。」と思っていました。Tさんの社長にもお声かけしましたが「体調が悪くてね」という答えばかりでした。その後、冬に、突然事務局のMさんから電話があり、すべてを理解しました。「急ですが、Tさんがお亡くなりになりました。秋から急に具合が悪くなっていたそうです」。私は、絶句しました。
地域のたんぼから、お国言葉で、22世紀を語ってみたい。
2024年、奇跡的に北海道のある町で、「鞄持ち」をさせて頂いています。
いろんな人が現れて、専門家も登場してきます。後に、女史に「ちゃんと学位をとらないからダメなのよ。アイデアみんな持って行かれるわよ。」と言われつつ、他人のことはできるのですが、自分ごとになるとブランディング力が落ちることを感じています。実績を積み上げるのも重要ですが、やはり、評価は重要ですね。そんなこともあり、今後のために整理していくことがこのnoteをはじめたきっかけでもあります。
さて、話は戻りますが、2024年、まだ実績が伴っていないと判断していますが、北海道のある町にもう少しお役に立てることがあれば、Tさんの墓前にお参りに行きたいと願っています。
観光立国推進基本法は、観光立国に関する、基本理念、国および地方公共団体の責務、施策の基本事項などを定めた法律です。 21世紀の日本の発展には観光立国の実現が不可欠で重要であるとの位置づけのもと、1963(昭和38)年に制定された観光基本法を全面改訂されたそうです。
21世紀もそろそろ第二クオーターです。地域のたんぼを見ながら、それぞれのお国言葉で、22世紀のことを考えはじめてもいいのではないかと思う今日この頃です。まぁ、毎日が必死ですが。
※写真は、2023年の北海道で移動しているバスからの景色です。
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