なんかね。
先んじて実父には直接伝えたんですよ。どうやら一般的には大ごとっぽいし言っとくのがスジでしょう、くらいのモチベーションで。そんで母にもそうせねばなと思って電話したけどたまたまつながらなくて、まあまた後でかけるか、となったんですけど。
そのときね、我が子の一大事を知らずに母は今のほほんと暮らしているのだよな、というふうに想像してしまって。そこではっきり「あっ伝えなきゃ」となったんですよ。モチベーションが熱と形を得たというか、目的意識が芽生えたというか。まだ伝えていないということにちょっと焦りさえ感じた。
“知っている”状態になってくれ、みたいに思ったんですよ。
伝える情報そのものよりも、知らされた状態になっていることを当事者=伝達者として認識させてほしい、というか。
知ってくれたら、「俺は伝えたのであとはそっちで考えてね」となるし、逆にどんなふうに思うかっていうのも、当事者(俺)の想像でしかなくなる。
ボールはもう渡したから。渡した後のボールの「状態」、相手がどう思ったかとかどういう心持ちになったかとかはもう想像するしかない、となって心を落ち着けることができる。
想像するかしないかっていうのはこっちの勝手だから。向こうからボールが来るまでは。