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【映画note】『スオミの話をしよう』三谷幸喜 脚本・監督

僕の「ドリームツリー」には
趣味を謳歌するとのことで
『月に1回映画館で映画を見る』と書いている。

ここ半年近く見たいと思った映画がなかったことから
劇場での映画を見ていなかった。

久しぶりに劇場で映画を見た
三谷幸喜作品の映画である。

三谷幸喜作品の映画は
『THE 有頂天ホテル』
『ザ・マジックアワー』
『記憶にございません!』

どれもとても面白かったので
今回もかなり期待をして見に行った。


(あらすじ・ネタバレ)
スオミという名の女性が行方不明となり
そこに2人の刑事がスオミの夫の豪華な家を
訪ねるところから物語りが始まる。

著名な詩人である夫は
「大ごとにしたくない」と、警察への捜索依頼は拒む。

刑事のひとりは行方不明になった
スオミの元夫である。

スオミの現在の夫の豪邸で働く庭師に話を聞くが
よくよく聞くとスオミの1番目の元夫であった。

なぜかその豪邸に刑事の上司もやってくる。
その刑事の上司はスオミの3番目の元夫である。
最初に豪邸を訪ねた刑事はスオミの4番目の元夫という事になる。

スオミの元夫を含む4人は
誰もが一番自分がスオミを愛し愛されていると思っており
それぞれがスオミの話を始める。

スオミの性格は夫によってまるで別人である。

そうしているうちに
犯人からの電話で身代金3億円が要求される。

そのお金を工面するために元夫たちで金を作ることになるのだが
さらにもう1人の元夫がいることをが分かり
その男にも金を工面してもらうために呼ぶことになる。

それは、ユーチューバーで売れている
2番目の元夫である。

つまり、スオミには元夫と現在の夫を含め5人いることになる。
そしてその5人は、誰もが自分がスオミにとって一番の夫と思っている。

5人の男たちは
はたしてスオミを救出することができるのか…。


(感想・ネタバレ)
三谷作品は今回もキャストは豪華だ。

スオミ役は長澤まさみで主人公
5人の元夫と夫役には
遠藤憲一、松坂桃李、小林隆、西島秀俊、坂東彌十郎

そして神出鬼没な女に宮澤エマ
刑事の部下役に瀬戸康史
今やっている朝ドラ「虎に翼」の轟弁護士役の
戸塚純貴は、現在の夫役の世話係役

ストーリーは現在の夫の豪邸のリビングがメインとなり
そこで話が展開される。

この映画のHPにもあるが
舞台人間としての三谷幸喜の
『「長まわし」と「ワンシチュエーション」の物語が好き』
がたっぷりと表現されている。

「ワンシチュエーション」
舞台の中心になっている、詩人である現在の夫である
寒川邸のセットにもかなりの豪華さが見られ
そのリビングはかなりのこだわりのある家だった。

そのこだわりの細部を見せたいがために
俳優をやたらに室内を歩きまわしている
脚本にもなっているとか…。

「スオミ」という名前はフィンランドのことを
フィンランド語で「スオミ」と言うらしい。
ここから主人公の生い立ちも考案されたようだ。

夫によって性格が全く違うスオミを演じている
長澤まさみが面白かったし
俳優としての演技の素晴らしさも感じた。

そして、それぞれに特徴があり癖のある俳優人たちの
演技は、「舞台劇」を見ているように感じさせる。

ラストシーンはミュージカルを思わせる。

劇場を出るとラストシーンの
「ヘルシンキ、ヘルシンキ」を口ずさんでいる自分がいた。

う~~ん・・・

とても楽しいストーリーではあったのだが
過去の三谷作品と比べてしまうと、ちょっと物足りなさも感じてしまった。

これは映画も良かったけれど
「舞台劇」として観れると良かったなとも感じた。

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