進撃の巨人

【タイトル】進撃の巨人
【概要】
巨人VS壁内の人類
人類は天敵である巨人から身を守るため、巨大な3つの壁を築き、100年の平和を手にしていた。ある日、人類を守ってきた壁の一つが体長50mを超える“超大型巨人”と強固な身体を持つ“鎧の巨人”によって破壊される。壁が壊されたことによって大量の巨人が人々を襲い人類の活動拠点は大きく後退。主人公のエレン・イェーガーの母も巨人に捕食されてしまう。母を失ったエレンはその日、巨人をこの世から駆逐することを誓う。

成長したエレンは壁外の調査を行う調査兵団に入団するため、兵士としての訓練に明け暮れていた。そんなある日、超大型巨人が再び出現し、壁を破壊。大量の巨人が壁内に進入し、訓練兵だったエレンも巨人と闘うことになった。エレンはその戦いの中で自身が巨人になる能力を発現させ、人類の窮地を救う。
だが、人類の天敵である巨人に変身することができる存在であること、その力を十分にコントロールできなかったことからエレンは周囲から危険視されるように。紆余曲折あり、エレンは巨人化の力を自身のコントロール下に置き次第に人類の切り札として活躍するように。そんな最中、エレンを連れ去ろうとする巨人、“女型の巨人”がエレンたち調査兵団の前に現れその正体がエレンの訓練兵時代の同期であるアニ・レオンハートであることが判明。エレンは女型巨人の討伐に成功しますが、同じく知性を持つ巨人である超大型巨人、鎧の巨人も正体が人間なのではないかという疑惑が浮上しました。その疑惑は的中しエレンの同期であり、同じ調査兵団のベルトルト・フーバーが超大型巨人、ライナー・ブラウンが鎧の巨人の正体であることが判明する。二人は巨人の力を駆使し、エレンを連れ去ろうとしますが、調査兵団の妨害によって失敗。ここから物語は人類対巨人の戦いから人類と人類との争いにシフトしていく。

壁内人類VS壁外人類
巨人の硬質化能力を利用して壁を修復できることを知ったエレンたちは、破壊された壁を修復し、ついにエレンたちの故郷に辿り着いた。エレンは自身の家の地下室で壁内の技術では撮影ができないはずの写真を発見。さらに謎のメッセージを目撃することに。そこには「壁外の人類は滅んでなどいない」と書かれている。壁内に住む人類は、「壁外人類は絶滅した」と伝えられていたが、実際には壁内の世界は広い世界のなかの小さな島“パラディ島”という限られた世界でしかなかった。壁外の世界では壁内人類と同じ人種であるエルディア人がマーレ国という国の中で生活しており、巨人になることができる存在として王国でも差別されていた。エルディア人の子供達はマーレ国の巨人兵器となることで“名誉マーレ人”として認められ、家族を差別の対象から外させるために巨人兵士になるための訓練に日夜励んでいます。壁を破壊したライナーやベルトルト、女型の巨人の正体であるアニはこの名誉マーレ人であり、マーレ国の巨人兵器としてパラディ島に侵攻していたことが明らかに。そして、マーレ人はなぜパラディ島に侵攻してきたのか。それは“始祖の巨人”という特別な巨人の力がパラディ島の王家に継承されていたためだった。その力を手に入れ、他国の兵器に対抗するためにマーレ軍はパラディ島に巨人兵器であるライナーたちを投入した。ライナーたちは、エレンが王家に伝わっているはずの始祖の力を持っていることに気がつき、エレンを連れ去ってその力を奪い取ろうと画策していた。エレンの奪還に失敗したライナーたちはマーレ国に帰国。その頃マーレ国では各国首脳を集めた祭典が開かれようとしていた。そんな中、エレンはマーレ国に記憶を失った負傷兵の一人として進入し、その祭典を襲撃。マーレ国が所有していた巨人のひとつ“戦鎚の巨人”の力を奪い、飛行船を使って退却した。世界の首脳が集まる場を攻撃されたことで世界中のエルディア人に対する恐怖心は強まり、壁外勢力VS壁内勢力という構図が生まれていく。さらに壁外勢力の中でもエレンに味方するイェーガー派とそれに対抗する勢力が生まれるなど人と人との争いはここから加速していく。

エレンVS人類
物語終盤では、エレンの異母兄弟であり、名誉マーレ人であるジーク・イェーガーが重要なキーパーソンとなる。ジークはエレンの父であるグリシャ・イェーガーとエルディア人の王家の血を継ぐ女性との間に生まれた子供だった。ジークは幼い頃からエルディア復権派のスパイとして名誉マーレ人になることを両親に強いられていました。そのことに嫌悪感を持ったジークは両親を密告。父であるグリシャを除くエルディア復権派はマーレ国の手によって全て知能を持たない巨人へと変えられていた。グリシャはその後壁内に逃亡し、記憶を失った医者として生活。その中で生まれた子供がエレンだった。エレンが兄弟であることを知ったジークは自身が長年抱いていた“エルディア人安楽死計画”を実行に移そうとしていた。エルディア人安楽死計画とは、エルディア人から生殖能力を奪い、エルディア人に対する差別をなくそうとするものだった。この計画を成功させるためにはジークが持つ王家の血筋とエレンが持つ始祖の巨人の力が必要だった。そのためジークはエレンに協力を要請する。これにエレンも一度は賛同したかに見えましたが、突如ジークを裏切り、エレンは自身の自由を得るために進撃を開始する。
エレンが自由を得るために選んだ行動、それは壁外人類全てを滅ぼすことだった。自身が持つ巨人の力を使い、大量の巨人を操り、マーレ本土へ進行、文字通り世界中を「地ならし」していきます。調査兵団の仲間たちも全人類を滅ぼすという方法には賛同せず、エレンの説得を試みる。しかし「俺を止めたいのなら俺の息の根をとめてみろ」とエレンは無情にもそう告げ、エレンの仲間たちはエレンと闘う覚悟を決める。戦いはエレンがその力で終始圧倒していたがミカサがトドメを刺す。そして世界から巨人の力を消すことに成功したのだった。

【感想】中学校で出会い人生の半分を共に過ごした作品。予想だにしない展開が続いて、モヤモヤしたり、興奮させてもらった。まずはありがとうと伝えたい。伏線回収や細部に込められた想い。圧倒的なクオリティだったと思う。

主人公が途中からダークヒーローに変わり、敵となる。人類と巨人との戦いかと思ったら人と人の戦いに変わり、最後は主人公VSその他。ONE PIECEのように島を転々とするわけではない。しかしここまで細部を見たり、考察しないといけないバトル作品はそうないと思う。人類は戦いと共に生きてきた。その悲しみや憎しみの中でも愛を見つけることができる。そんなことを伝えたい作品のように感じた。

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