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勝てば官軍負ければ賊軍
「なんでもいい」って言葉ありますよね。
例えばファミレスで、「何注文したろかな」「おれハンバーグかな」「じゃおれはオムライスにすっかな」「ええやん、工藤お前は何にするんや?」「悪い服部!ちょっとトイレ行ってくるわ、なんでもいいから注文しといて」「なんでもいいってお前!おいちょ待てや工藤!」
こんな会話を一度は交わしたという人もいることでしょう。
ところで彼は今、なんでもいいって言いましたよね?もう一回強調しますが、「なんでもいい」っておっしゃいましたよね?
では例えばですが、「お待たせいたしました、サラダとライス大でございます。」「お、来たで工藤これお前のや」
となったとします。工藤君は服部君に文句が言えるでしょうか?いいえ、言えません。なぜなら彼は、なんでもいい、と言ったのだからです。でも工藤君はきっとこう言うでしょう「それはないやん!APTX4869飲ますぞ!」と。
本来であれば、その返しはおかしなわけです。なんでもいいといったのに勝手にキレ散らかしてるわけですからね。
でもそもそもおそらくですが、皆さんが服部君の立場に立ったらこんな注文はしないはずです。それは無意識のうちに「空気を読む」ということをしているからです。
「なんでもいい」の言葉の裏には、「普通に考えて」「常識的な範囲で」「言わなくてもわかるだろ?」みたいなのが含まれているわけですよね。発言者はこの「空気を読む」ということを勝手に相手に強要しているわけです。
勝手に期待しといたくせに、それはないだろ、などと言うくらいなら最初からなんでもいいなんて言ってはいけないわけです。
「卑怯」「ずるい」は敗者の戯言なのです。相手の想像を超えていったやつの勝ちなのです。
だから例えば、好きな子にじゃんけんで勝ったら付き合って!みたいな状況にも持ち込めるわけです。
「ねぇねぇ、じゃんけんしよう!負けた人は勝った人の言うこと1つなんでも聞かなきゃいけない!」「いいわよ」「「じゃんけん、ポイ」」「はい、私の勝ちね、じゃあなた一生私の奴隷ね」
…負けました。