中高生のための就職ガイダンス「人間力を高めよう」
人間力を高めよう
今回は、2010年当時、私がヤングキャリアセンター埼玉で行っていた、「高等技術専門校セミナー」の講義メモが残っていましたので、それを紹介します。
ちなみに、高等技術専門校は、学校教育法ではなく、職業能力開発促進法による職業訓練施設です。
就活は人間力を高める絶好の機会、と言われています。
その人間カって、いったいどんな力なのでしょうか?
抽象的でよく分からない言葉の割には、多く使われています。
私が考える人間力とは、「感じるカ=感性」「考えるカ=思考力」「判断するカ=判断力」「行動するカ=行動力」の総合力です。
なぜなら、私たちの行動はすべて、この4つの力に基づいていると考えるからです。
貴方の行動に至るプロセスも、「感じて、考えて、判断して、行動する」となっていませんか?
少し前の朝日新聞に、静岡大学・小桜教授の記事が掲載されていました。
その中に「人間力」についての記述がありました。
書かれていたのは、次のようなことです。
学生は就職活動に直面して初めて、
①世の中には、どんな会社があるのか?
②社会人には、どんな能力が求められているのか?
③会社では、どんな人材が必要とされているのか?
を知ります。
そして、「自分にはどんな能力があるのか?」を真剣に考えます。
社会や経済の仕組みを、自分の生活や将来に結びつけて考えるようになります。
それが、人間力を高める絶好の機会になるのです。
この「人間力」は、県内の高校でも結構浸透しているようです。
私が出前講座で訪れた高校でも、「人間力を育てたい」と言った先生の言葉が多く聞かれました。
高校野球で活躍した某投手も、「高校野球は人間力を高めてくれた」と新聞のインタピューに答えています。
今、「人間力」は、キーワードの一つになっているようです。
さて、高等技術専門校は、社会人を育てるフィールドです。
社会人に必要なのは仕事能力です。
仕事能力とは、「知カ・労力・社会人としての素養」の3つです。
仕事能力は、「習った・解った」ではなく、「習慣的にできる」でなければなりません。
そのために高等技術専門校では、「教える」ということと、「誤りを正す」ということの両面から指導し、仕事能力の高い人材の養成を目指しています。
仕事能力の高い人とは、「感じる力」「考える力」「判断する力」「行動する力」をパランス良く備えている人です。
時代の変化は速く、企業をめぐる環境も変りつつあります。
しかし社会人に求められる素養は普遍で、変ることはありません。
コミュニケーション、身だしなみ、言葉づかい、時間管理能力、自己コントロール能力、問題解決能力、知恵と創造力など、組織人としての基本素養の重要性は、むしろ増す一方にあります。
「企業は人なり」と言われています。
企業が成長していくべースは人材にあります。
特に昨今のような経済状況下では、今程度のマーケット規模でも経営が成り立つような経営戦略へと転換しつつあり、よりコンパクトな経営体制になってきています。
いつの時代でも、企業経営は、「人なし金なしでとれだけの仕事ができるか」が問われているのです。
当然ながら、最小の人員で最大の効果をあげるために、企業はより優秀な人材を求めることになります。
企業としての社会的使命を果たし、企業イメージを高めるために、質の高い社員が求められているのです。
それに応えるのが「技を身につけ、道を切りひらく職業訓練」です。
高等技術専門校では、状況判断が正しくできる人間となり、生きるための知恵を養います。
高等技術専門校は、確実にあなたの人間力を成長させてくれます。
以上が高等技術専門校に関しての説明ですが、書かれていることは、中学校でも高校でも共通のものです。
中学校までは、生活するのに必要な、基本的な知識を学習します。
高校から先は、知識を深め、あるいは専門知識を学び、深めます。
それと並行して、無意識のうちに人間力を身に付け、高めているのです。
それが「人としての成長」という事です。
学生から社会人になるためには、つまり、短期間に就活から就勝へとステージ・アップするためには、多くの人にとって、特別に学習することが賢明なのです。
就活も就勝も、特別な出来事。
特別な出来事には、特別な対応が必要なのです。