講演会レポート あいち国際芸術祭「VRはいかにパフォーマンスの領域を拡張するか?」トークイベント(ゲスト)アピチャッポン・ウィーラセタクン許家維(シュウ・ジャウェイ)

普段は映像のフレームの中で表現をしている2人に、今回初めてあいち国際芸術祭からVR作品制作を依頼。VRを通して知覚をどのように変化することができたか?という問いを元に、作品についてのディティールから、VRと映像作品の違い、制作過程の違いなどについて話が及んだ。

アピチャッポン氏
VRは夢の中にいるようなもので、自在に動くことができる。映像の世界では見て欲しいもの、アングルを固定することができるがVRは観客に自由を与える。観客は自在に動き、見るものを自身で選択する。作り手として、VRは制限が多いと感じる一方で、映像作品制作も制限が多いことを知った。自然は常に変化する一番のアート作品。「太陽との対話」作品も、現在も日々変化をさせている。

ジャウェイ氏
今回コロナ禍ということで、作品制作の際はかなりのリサーチを実施するが、今回作品制作において、一度も現地を訪れることが叶わなかった。今回ゲーム(マインクラフト)制作を行うにあたって、世界各地にいるプレイヤーにログインしてもらい、作品制作にあたった。このように、作品制作もコロナ禍と技術により変化している。web2.0の世界では、FacebookなどSNSの世界で、その媒体を使用することで人々は無意識なのか無償でその世界を作り上げている。その一方でweb3.0の世界ではNFTなど資産作るマーケットができていて技術はどんどん進んでいる。今回のVR制作を通し、今後の活動としてVRを体験している人を見る体験だったり、観客がゲームのプレイヤーとしてゲームの中に入り込みアバターを作り、そのアバターに変わっていく姿を観客同士が見るなどのアイディアが浮かんでいて、今後山口県でも発表する予定がある。

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今回感じたのは、言語の壁と日本語訳の難しさ。

質問を日本語で行い、通訳が2人に英語で伝える。アーティストは英語で答え、それを日本語訳する。

日本語通訳さんは丁寧に話していたけれど、アーティストが込み入った感覚的な話をしているからか、日本語訳となっても「?」となる部分も。

英語を英語として感覚的に理解できればなーと思った。

それはやっぱり、英語訳のAIでは難しい部分なのかもなとも思った。

どれだけ芸術に精通している通訳者であっても、難しいんだなとも思う。

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