情報の偏りを防ぐために必要な複数のコミュニティとの関わりが大事
情報収集の方法について聞かれることがあります。自分は無意識のうちに常に情報に接しているため、具体的な方法を説明するのは難しいのですが、一つ気をつけていることがあります。それは、情報の蛸壺に陥らないことです。
特定のコミュニティ内だけで情報を得ていると、そこで共有されている情報が常識になってしまい、いつの間にか外の世界との接点が失われてしまいます。これは客観性を損なう危険性があります。特にメディアの仕事で情報を伝える立場にある者にとって、これは避けるべきことだと考えています。世間一般の人々がどれほどその出来事に興味を持っているのか、その判断を正確に行うことは容易ではありませんが、できる限り確度を上げる努力が必要不可欠です。
この問題はテレビ、ラジオ、書籍、新聞などあらゆるメディアに共通していると思います。それぞれのメディアに携わる人々と話をすると、外の世界から遮断されている状況を感じることがありますが、同時に新しい刺激を受けることもあります。一概に良し悪しは言えませんが、メディアという枠組みからは逃れられないのが現状です。
そのため、自分はメディアとは全く関係のない緩やかなコミュニティとつながりを持つことが大切だと考えています。例えば、習い事がそれに当たります。以前はウクレレを習っていましたし、英会話の先生から受ける話も新たな気づきを与えてくれました。
繰り返しになりますが、特定のコミュニティだけで過ごすことはそれ自体楽しいものです。しかし、情報を扱う仕事に携わる者にとって、いかに多様なコミュニケーションのバリエーションを持っているかが情報収集において重要な点だと自分は常に意識しています。これこそが、情報の蛸壺から抜け出す方法だと信じています。
具体的には、自分の専門分野とは異なる領域のコミュニティに参加することが有効でしょう。ITエンジニアであれば、アートのワークショップに参加してみるのも面白いかもしれません。政治に関心があるなら、スポーツのサークルに加わってみるのも良いでしょう。多様な背景を持つ人々と交流することで、自分の視野を広げ、情報の偏りを防ぐことができるはずです。
情報の蛸壺から抜け出すためには、意識的に自分の居心地の良いコミュニティから一歩踏み出し、未知の世界に触れる勇気が必要です。それこそが、情報を扱う者に求められる姿勢なのではないでしょうか。