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ヒーローになりたい!鬼太鼓 - 厄災をもたらす悪魔を払い除ける鬼【鬼退治】

古今東西、鬼は“悪者”扱いされていました。
赤鬼、青鬼、酒呑童子、天邪鬼、獄卒、悪鬼、夜叉...何十種類もの鬼が日本には存在しております。

確かに、「鬼は福の反対で、悪しきもの」という印象ですが、鬼たちだって、「ヒーローになりたい!」って思っているはず。

(鬼)でもヒーローになりたい!



「かっこよくて、楽しくて、鬼は“あこがれの存在”」
新潟県佐渡市には“五穀豊穣、大漁、家内安全を全身全霊で祈りながら、厄災をもたらす悪魔を払い除く”鬼が存在します。

その名も「鬼太鼓」
“佐渡の宝”とも呼ばれてる「鬼太鼓」は、「門付け(かどづけ)」といって集落の家々すべてを回って、悪魔を払う神事に登場する鬼。
125前後の集落で行われており、それぞれが独自に発展し、継承も口伝のため“同じ鬼太鼓がふたつとない”ほど。

神社の神様から集落を守る役目を与えられた鬼たちは、太鼓に合わせて独特の振付で踊りながら、厄災をもたらす悪魔を払いのけていきます。
踊ることを「舞う」「打つ」ともいい、朝から夜まで丸一日踊りっぱなしというハードな集落(鬼太鼓)が存在するとか。

鬼太鼓の起源(定かでありませんが、登場する最初の文献は)延享3年(1746)の『相川例祭絵巻(仮称)』と言われており、その絵巻には“片足で立って太鼓をたたく鬼”が描かれており、これが鬼太鼓の原型と考えられています。文字としては安永元年(1772)『町年寄伊藤氏日記』の一文。中央で偉い人が亡くなったので太鼓などの鳴り物が禁じられていたのに、佐渡金山の職人たちが鬼太鼓をやってしまった旨が記されています。

佐渡の鬼太鼓博士と呼ばれるNPO法人佐渡芸能伝承機構理事長の松田祐樹さん(島内120以上の鬼太鼓団体とつながれる唯一の人物)は「父が鬼の名手で、子供心にかっこよくてあこがれました。身近な人が鬼面を付けてヒーローのように悪魔を払う。今でいう戦隊モノのようですね」とコメントを残しております。

鬼太鼓は「佐渡祭ワールドツアー」と呼ばれる「世界で門付けを」が合い言葉の鼓童の海外公演を2017年3月から開始。ニューヨークにある新潟県のアンテナショップを管理している現地県人会会長と佐渡の米作り農家が発起人となり、自然あふれる佐渡とは正反対、世界一のビルの島であるマンハッタンで披露(公演)。想像を超える称賛を浴びて「いつかタイムズスクエアで鬼太鼓をやろう」という大きな夢(目標)ができたとか。
 2018年2月には総勢10名の鬼太鼓が渡欧。ドイツ・ミュンヘン、フランス・パリ、イタリア・ミラノの3都市で披露(公演)。フランス・パリのCaféAでは3回の公演で約500人が集まりました(立ち見が出る程の盛況ぶり)。

松田さんいわく、「鬼とは力が強いものの象徴。強い鬼が敵になるか、味方になるかで人に与えるものが大きく変わります」


ということで、鬼太鼓はヒーローなんです。
邪悪な鬼さん、転職する(ヒーローになりたい)なら“鬼太鼓”ですよ!


以上、書くンジャーズ日曜日担当のコモリが、仮面ライダー響鬼という「ぼくたちには、ヒーローがいる」がキャッチフレーズの“ヒーロー鬼”が存在するんだよ、とボソッと呟きながら、113週目のテーマ【鬼退治】について書かせていただきました。


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