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外来種問題と移民問題

札幌市の隣り町、江別市を流れる川で外来種のアメリカナマズ生息調査が実施されたニュースが流れていた。なぜ外来種は駆除しなければいけないのか?恐らく、駆除するなんてヒドイ!と疑問に思う人もいるかもしれない。駆除する理由は簡単で、国内各地域で独自に発展してきた生態系を守ることを優先しているから。指定外来種を放置すると国内在来種が駆逐されてしまうのだ。結果多くの種が絶滅し遺伝的多様性が減少する。自然環境に関して、体制や世論は保守の立場をとっている。これは正しい、と私も思う。

では何故、外国人の受入れに国は慎重にならないのか?この移民問題は、生物の外来種問題とほぼ同じ構造と言ってよい。アメリカやヨーロッパで起こっている保守政党のライジングは、移民問題に起因している。移民が自国の生活習慣や価値観や文化を持ち込み、地域の伝統文化が破壊されている。そこに危機感を持った市民が決起し保守政党が力をつけているのだ。移民問題は、移民に悪意があるとかないとか、そういう問題ではない。生物の外来種問題とほぼ同じ、種の違いによって不可避的に起こる問題だ。現に日本国内においても、川口市のクルド人問題を筆頭に地域地域に外国人との軋轢が生じている。安易に全開放して、在来種の自国民が駆逐されても、あとの祭りなのだ。

日本国内でこのことが報道されないのは、当然、国内への移民流入を歓迎する勢力の力が大きいから、にほかならない。安い賃金で雇用できる労働力を企業経営陣は外国人に求めている。そのため、噴出する移民トラブルの不都合な真実は表に出したがらない。コンビニ業界、建設土木、サービス業、製造業。多くの業界がもはや外国人の労働力なしに成立しなくなりつつある。生物の外来種と違って、移民に利用価値を見出している企業が一定数ある限り、この問題は簡単ではない。

ことわっておくが、私は人種主義者でもなんでもない。職場には中国人も韓国人もモンゴル人もいて皆と仲良くやっている。個人的な怨みなど一切ない。国家の盛衰という視点で移民をどう捉えるべきかという話をしている。自分の金儲けしか考えない経済界に忖度する、これまた自分のポストしか考えない器の小さな政治家が、世界中に山積している移民政策の失敗を前に、見て見ぬフリをして、無条件に移民を優遇する。

今、日本人が口にしている野菜。そのほとんどは外来種という。昨日食べたキャベツもトマトもかぼちゃも調べると、西アジアや南米にその起源がある。日本人の食文化にすっかり馴染んでしまったこれらの野菜のように、日本の、日本人の発展に寄与する移民政策であれば、私も前向きに受入れるのだが。


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