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深まる秋とストーブ

今朝、リビングでポータブルストーブに火を点けた。つけてしまった。寒い季節の始まりは、少し冷えるからといって安易にストーブに頼ってはいけない。1度頼ってしまうと、そこからは、なし崩し的にストーブ依存の暮らしが始まってしまうからだ。

今朝、そんな自分を抑制する意識がはたらく以前に点火スイッチが押ささった。押ささる、これは北海道弁だった。自分の意識とは無関係に、体が勝手に動くことを、◯◯しささる、という。

北海道民は自然を目の前にして、自分一人がいかに無力であるか、ということを知っている。多分、都会の人に比べると、間違いなく、あきらめが早い。比較的都会である札幌の住人も、ドカ雪の朝に絶望的な気持ちで雪かきをしたことのある人なら、その無力感を知っている。

だから、自分の意志を前に出すことを避ける。自然と遠慮の気持ちが働く。自分が自主的に行動を起こしたのではなく、なにかの力でもってカラダが勝手に動かされてしまう。無意識のうちにそう認識する。

とにかく今朝は、ストーブのスイッチが押ささった。思えば、今月頭、肉離れした日曜の朝は、灼熱の太陽だった。夜もまだ寝苦しかった。

3週間で真夏から、ストーブを点ける季節に様変わりしてしまった。これが、北海道の9月。思い出した。毎年、そうだった。自動販売機のコーヒーやお茶が、青い冷たい表示のままになっているのが気になって、早く、あたたかいヤツ入れて!という気持ちになる時期なのだ。

雪が降って、春まで地面が雪で覆われてしまうのは12月後半。いつもなら。これから10月いっぱいまでは秋。秋のうちに、冬の準備をしなければならない。

築30年を過ぎた家は、窓の気密性が低下していた。今年はさすがにその工事を秋のうちに完了させなければならない。昔子ども部屋だった2つの部屋に無駄に分散させていた荷物もまとめなくては。燃料費高騰の今、開かずの部屋を作って暖房効率を上げなければならないのだ。やることが色々ある。放っておくと、妻の逆鱗に触れる。恐ろしい。

鍋と温泉の季節がやってくる。もっとテンション上げて楽しもう!と自らを鼓舞してみる。

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