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15年経っても忘れられない師の教え

私は結婚する前、ケーキ屋でパティシエとして働いていた。

字面だけ見ると「わ~なんてかわいいお仕事♡」となりそうだが、実際はかなりの長時間労働&体力仕事だ。

朝7時に出勤して夜20時に帰宅する。ざっと13時間労働。休憩は1時間もらえていたし、クリスマス時期の徹夜は数えるほどしか経験したことがなかったから、他のケーキ屋に比べたらまだマシな方だったと思う。

そのケーキ屋が一発目の就職先になるのだが、ここではたくさんのことを教わった。

ケーキの作り方はもちろん、接客や段取りの良い進め方、礼儀作法など。

小さなお店だったのでキッチンで働くスタッフは3人ほど。人間関係はかなり良かった。シェフは怒るとめちゃめちゃ怖いが、基本的に気さくな人だったのでよく冗談を言い合った。

このケーキ屋をやめてから15年ほど経つが、お盆休みやお正月にはいまだに顔を出している。

今の家から近いわけでもなく、実家に帰ったタイミングでしか行けないのになぜいまだに顔を出しているのか。
それは人間関係が良かったから、と一言で済ませてしまえばそうなのだが、仕事をする上での心構えを教わったことがかなり大きい。

1つ目は、上司に対する口のきき方

専門学校を卒業して初めての就職。楽しい職場で好きな仕事をする。故に調子に乗ってしまうこともあった。シェフに舐めた口をきいたこともある。今思い出してもかなりやばい。私がシェフの立場だったら30分お説教だ。(30分は長いな……)

いわゆる若気の至りをやらかしたときはシェフからお叱りを受け、それが「いけないこと」ときちんと理解し、「やってしまった」と反省することができた。

令和の時代は、こういう舐めた口をきいた部下に対してどう対応するのかな。スルーする上司も多そう。とやかく言ったらすぐパワハラ認定されちゃいそうだよね。知らんけど。


2つ目は、仕事に対する姿勢

基本的に真面目なので、どうやったら仕込みがスムーズに終わるか段取りを考えながらもくもくと作業していたのだが、仕事がひと段落してあとは閉店待ちみたいなとき、キッチンの棚?のような場所に座りながら過ごしていた時期があった。いやー非常に良くない。

数回はシェフも見逃してくれていたが、あるとき「まだ終わってないねんからダラダラすんな」とお叱りを受けた。そらそうだ。一言一句間違っていない。

時間があるなら備品の補充やナッペ(スポンジに生クリームを塗る作業のこと)の練習など、できることを探すべき。特に新人のうちはね。

ダラダラ座りながら閉店を待っていたのは、まさに新人のとき。おめぇぇ、それだけはやめとけ。。。。。


3つ目は、お金をいただきながら仕事をしているということ

これだ。このお店で一番印象に残っていることは。

当時、このお店では給与は現金手渡しスタイルだった。

毎月給料日の仕事終わりにシェフの前に並び、1人ずつ「お疲れさま」と言って手渡してくれる。

初めての給料日、私がシェフの前に行き受け取ろうとしたら「片手じゃなくて両手を出せ。両手で受け取らないやつには渡さん」と言われた。

なんて昭和スタイルなの???とお感じの方もいるかもしれない。でもこれが今の私に根強く残っている「めちゃくちゃ大事なこと」なのだ。

1ヵ月働いて賃金が発生する。私たちはお金をいただきながら仕事をしていることを、シェフとのこのやり取りでめちゃくちゃ感じていた。

名刺交換のときも基本は両手で受け取るよね。それと同等の礼儀作法だとも思っている。


いま、私はライターさんに一部のお仕事を依頼しているのだが、ライターさんたちに振込する際は必ず「今しがた振り込みました。先月もありがとうございました🌸」と一報を入れる。

私が報酬を振り込まれる立場にいるとき、こういった連絡をもらったことはほぼない。だけど直接手渡しすることはできないから、せめてチャットで伝えたい。そう思いながら日々仕事をしています。

一発目の就職先がここでよかった。たくさんのことを教えていただき、本当にありがとうございます。


最近ではライター案件以外にも視野を広げていて、オンライン秘書や在宅秘書などのお仕事も承っています。

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※信頼できるライターさんと繋がりもありますので、どのような案件でも一度ご相談ください。


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