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緒方洪庵に学ぶ

少し前に日経に掲載された緒方洪庵の天然痘との闘いの記事をご紹介します。

現在のコロナパンデミックに通じるものがあり、考えさせられます。洪庵は英国のジェンナーが開発した牛痘苗を使用した種痘の普及に努めていました。しかしながら、「種痘をすると牛になる」、「小児の身体に害がある」などというデマが広まり、また漢方医からの妨害もあり、最初はなかなか進まなかったようです。

この記事が教えてくれた大事なポイントは以下のとおりです。
・洪庵がくじけず、粘り強く正しい情報の発信を続けたこと
・多くの蘭医書を読み、正しい知識を基に正しいことをしている信念があったこと
・大坂商人の資金援助があったこと
・適塾の塾生のネットワークがあったこと
・感染症に対してスピード感のある対応をしていたこと
その結果、彼の設立した除痘館(今風に言うなら天然痘ワクチンセンター)は、江戸の施設より2年早く官許(幕府の公認)を得ることができました。

「牛になる」という荒唐無稽な話をなぜみんな信じたのだろうと疑問に思われるかも知れません。しかしながら、未知のものに対する恐怖から情報が歪められてしまうことは今もかわりません。新型コロナウイルスワクチンに関するデマを信じてしまうことは、「牛に変身」を信じてしまうことと本質的には変わらないことです。

ネットなどを通じて情報を得た時には反射的に信用せず、一回深呼吸して「これは真実なのだろうか」、「他の考え方はないのだろうか」、「書いた人は信用できるのだろうか」、「いつの情報だろうか」などと立ち止まって考える必要があると思います。

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