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福島第一原子力発電所 風景印と記念碑

 福島県双葉郡双葉町にある双葉ふたば郵便局の風景印には福島第一原子力発電所が描かれていました。双葉郵便局は東日本大震災により長らく閉鎖されており、2024年3月に再開しましたが風景印は使用されなくなってしまいました。

 原子力発電所はもちろん記念碑ではありませんが、この風景印は発電所が地域を代表する施設であったことを示しており、大地震による過酷な災害の象徴となってしまったものです。

福島第一原子力発電所

 1967年(昭和42年)に大熊町北部の夫沢地区と双葉町にまたがる海岸に東京電力福島第一原子力発電所の建設が着工され,1971年(昭和46年)から操業を開始,1979年(昭和54年)には6号炉が完成しました。

 2011年(平成23年)3月11日発生の地震により、稼働中であった1号機から3号機はディーゼル発電に切り替え運転停止したものの、50分後に到達した大津波により電源が停止、冷却・除熱ができず炉心損傷、放射性物質の漏洩、水素爆発に至りました。

 国は3月11日に原子力発電所から半径3キロメートルの範囲に避難指示を出し、翌12日には範囲を半径20キロメートルまで拡大しました。この警戒区域には富岡町、大熊町、双葉町はそれぞれ全域が含まれました。

 現在はこれらの町の一部の避難指示が解除され、双葉町でも郵便局が再開されました。

 原発敷地の面積は350平方キロメートルほどあります。現在も廃炉作業のため約4500人が働いています。


地図

 福島第一原発は双葉町と大熊町にまたがる海沿いの場所にあり、現在廃炉作業が進められています。敷地内には殉職者の慰霊碑が建てられていますが、一般の人が見ることはできないようです。


碑文

 敷地内に建てられた記念碑の碑文を紹介します



福島第一原子力発電所は、東京電力初の発電所として、昭和四十六年三月に一号機が営業運転を開始して以降四十二年余の長きにわたり、六機総出力四六九万六千kW、累計約九四三〇億kWhの電力を発電した。
この発電所の建設や運営にあたり、殉職された方々の霊を永久に慰めると共に、再び災害による犠牲者をださないため、我々は常に安全を最優先に作業を進めることをここに誓う。

平成二十六年三月建立
東京電力株式会社
協力企業一同


双葉郵便局

 風景印は郵便局で押してもらえる絵入りの特別な消印で、色は赤茶色です。郵便窓口に「風景印を押して出してください」とお願いすれば、差し出す手紙やはがきに押してもらえます。また、63円以上の切手を貼ったカードなどに押してもらえます。その場合、差し出さずに持ち帰ることができます。

 風景印は1978年(昭和53年)5月1日から使用開始されたものです。2011年3月11日東日本大震災で営業を休止、2024年3月7日に移転し再開しましたが、風景印は使用されておりません。


史跡である清戸迫横穴(きよとさくおうけつ)の壁画が描かれていますが、今は公開されていないようです

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