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新システム「ユニゾン」ファーストインプレッション
Xでもユニゾンに関する情報が出てカードをじっくり読めるようになり、実際にデッキも組めたのでファーストインプレッションを書いてみます。
黒船来航、その意図は
時は2025年1月26日、ゼクストリーム東京会場。いつもの展開発表会が始まりました。直前で発売された爆照!一番星が全プレイヤーを収録した集大成パックであり、また4月に向けて新規も入れる新たなテーマを持つ製品が期待されていたことと思われます。そして突然ぶっ込まれるストーリーの振り返り…と、先のストーリー!そして
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投入されるのは新テーマではなく新システムでした。
IGOB時代からアーク時代への変遷を思わせる、大規模なシステム移行が行われようとしてる。それを如実に語る新商品は、会場内では困惑よりも映された新規カードを分析する声で迎えられました。
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新システムへの移行に合わせて、2種のスタートダッシュデッキの発売、フリーカードの発行と体験会の実施、今後の製品構成の簡略化、と発表が続きます。プレイヤーへも店舗へもアピールできる材料が揃っていたと思います。
まあ言ってしまえばローテーション、いわゆるスタン落ちというやつです。BANとインフレによりコントロールされるゲームでは、こうして定期的にゲームの軸を大きく変えていかないと、キルターンが前倒しになるばかりですからね。しかし、古いカードが使えなくなるわけではありません。システム移行に失敗した時代もありました。新システムはここのところ、しっかりうまくやっているのでしょうか。
新システム「ユニゾン」の解析
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というわけでユニゾンドライブ、略してユニゾンについて詳しく見ていきましょう。ユニゾンは指定のスタートリソース、プレイヤーエクストラ、ゼクスの3種から成立するシステムです。この時点で、IGOBやアークとは同居できないと思われます。
ユニゾンが機能するのは(ライフによる安全弁は用意されていますが)後手3ターン目から、つまり普通に使ったアークゼクスよりも半ターン早く、そして現在よく見かけるリソース加速して早くアークゼクスを使うテーマより半ターン遅れることになります。リソース加速が絡むテーマはここでキルまで行くことは多くないですし、その場合はライフ参照の安全弁が仕事をします。概ね使えないゲームは無さそうですね。
タイミングを迎えるとスタートリソースの効果により自動的にプレイヤーエクストラが重なります。新たなプレイヤーエクストラは、アークに用いられた《P名称+EX》ではなく《P名称+∀》で表されます。ここで耳寄り情報、ターンエーで変換できないiPhoneでは記号から探すと以降サジェストされるようになります。
クライシスすることで、自動的にライフシールド2枚が追加されます。これは新しい概念ですね。剥がれた時にチャージが増やせる、としか説明がありませんでしたが、そこ以外はアセンションが持っていたシールドと同じだと思われます。このシールドはプレイヤーに付加され、消費されるまで残り続けます。
プレイヤーエクストラが重なると、その効果によりユニゾン対象のゼクスを出すことができるようになります。ここでは便宜上ユニゾンゼクスとします。3リソースを支払い、手札からユニゾンゼクスをプレイヤーと横に並べてスクエアに登場させます。登場できるスクエアについては言及が少ないのですが、スクエアという表記から自プレイヤースクエアおよびノーマルスクエアに登場できると思われます。このユニゾンはターンに一度しかできません。この制限はテキストによるものではなくルールによるもので、IGOBの自壊やアークのスタートリソースに絡むあれこれのような裏技が無いよう厳しく制限されています。
ユニゾンゼクスは現在発表されているものは8コストのパワー11000、共通効果としてシールド1を持ち、シールドを消費するまでは絶界を持ち、これがスクエアにある間プレイヤーはダメージを受けず、これに加えて強力な能力を持つ単色のゼクスです。ユニゾン状態でなくても登場はできるようですが、効果のないバニラとなります。コストとパワーはアークゼクス準拠、コスト参照の全体除去に巻き込まれず単体除去は受ける、バトルで倒すには既存のアークを倒せるカードが機能するラインです。アセンション以外のシールド持ちカードは初登場ですが、内容は既にルールで定義されており、ダメージ量に関わらずそのダメージを受ける代わりに1つのシールドが剥がれます。効果があるのはダメージだけで、他の除去効果には機能しません。
また、これらとは全然関係ない話ですが、スタートリソースには色が追加される効果がついています。イノセントスターのみの発表ですが、リソースに指定種族3枚を置くことで、アークで採用されていたサブカラーがスタートリソースに追加されます。
共通効果はここまで。これ以降は個別効果となるので割愛しますが、現在公表されたリゲルとイノセントスターについては「共通効果を無視した上で、おおよそアーク3枚分のカードパワーである」との有識者意見があります。
いろいろと新しい効果が盛られていますがこれらはゲームにどのような状況を与えるでしょうか。
1.ゲームがさらに長引く?
ライフシールドの登場により、さらに多くのダメージを要求するようになりました。さらにはユニゾンゼクスが絶界シールドを持っているわけです。とはいえ最近のゲームではこれで必要ダメージが増えたと単純に言っていいものかは疑問があります。というのも、ATの効果とPEXのクライシスエフェクトにより、終盤でライフリカバリーが捲れる確率がかなり高くなっていたためです。
ライフリカバリーは攻撃2回分、これにライフの再抽選が入るので期待値はそれ以上。これと比べれば2回の攻撃で追加分を失うライフシールドは、かなり脆いと言えます。
とはいえ2回分は2回分、とくに再序盤で先手3キルなど早期決着狙いのお祈りパンチは今後通用しなくなります。
2.レイドが使いにくくなる?
ライフシールド絡みで不安要素はここです。まだ総合ルールも出ていないので確定ではありませんが、今後レイドは機能しないターンが長くなる可能性が高いです。
後手3ターン目から両者にライフシールドが置かれますが、このシールドを剥がしたとてプレイヤーにダメージを与えた判定を得られるかは疑問があります。既存のシールドならダメージを受けていないとされるところです。となると、後手側は2ターン目までに1ダメージを与えないと、レイドをプレイするまでに4回以上の攻撃を要求されることになります。IGと適当なカードで1点取ってレイドでリンク置けばAP絡めて大量展開、という展開は今後機能しなくなるかもしれません。レイドとAPを使用するなら、4コストのゼクスを登場させる方法はレイドがサブプラン、他に方法を用意しておく必要があります。
逆に先手は今までと同じく、3ターン目にAPを絡めた展開が可能です。とはいえ、後述するAPが今後抱えるデメリットはかなり大きく、安定性を大きく損なう可能性があります。これらがデッキ選択にどう影響するかは、今後のメタゲーム次第でしょうか。
3.多色カードが採用しにくくなる?
ゼクスのマナシステムはデュエルマスターズを踏襲していますが、多色カードについてはより緩い制限となっています。これは1枚リソースが使えないことがあまりに致命的であるが故に用意された措置で、出力が使用リソースに制限されないパニッシャーと合わせて多色時代を推し進める重要な要素でした。とはいえ、この制限を実質無にまで緩くするにはスタートリソースの存在が欠かせません。そしてそのスタートリソースが刷新されます。
このスタートリソース、同じ種族でデッキを固めることを要求されていますがデッキによっては条件がかなり満たしにくくなります。とくに今回のスタートダッシュデッキとなるニノについてはデッキに多くのイベントが入るため、かなり気を使わないとリソースに2色を揃えられるのが3ターン目4ターン目となっても不思議ではありません。つまり、今後多色カードには以前にはない致命的な事故の可能性がつきまとうことになります。
これにより、多色の必要なデッキは汎用カードを減らしたり、アイコンの色調整をしたり、いっそ単色に回帰したりとさまざまな構築が登場するでしょう。
4.新システムの特性と作用する注目の効果
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ユニゾンは3リソース支払って起動するテーマです。特に後手3ターン目でユニゾンする場合、残りリソースは2リソース。ANEXをプレイしたらリソースが尽きるくらいには重めのテーマと言えます。現在発表されている範囲ではユニゾンは強力な展開効果を持っており、通常はリソースを多少浪費しても問題はありません。しかし多少の制限でその力を大きく削げます。
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スタートリソースをどかすのは、4枚積まれることもあった旧スタートリソースより致命的になる可能性があり、今後は注意が必要です。
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デフォルトではドローがついていないためハンデスがより効きやすくなります。現在でもさまざまなハンデスカードが使われていますが、今後はより重要になるでしょう。
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シールドはダメージ量に関わらず剥がせて、剥がしてしまえば絶界が消滅し単体除去で倒せるようになるため、全体ダメージの価値が向上します。とくに相手ターンに使えるものは、他のカードと合わせて実質の絶界貫通として機能するかもしれません。
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絶界を付与できなくなった防御寄りカードの価値が低下します。逆に雑な絶界で殴られる心配のなくなるPSの耐久ゼクスの復権はありえます。
5.デュナミス使用権の変化
APが多色カードとレイドの弱体化により使いづらくなると、注目を浴びるシステムがあります。みなさん覚えているでしょうか。そう、ブレイクが再び日の目を見る時です!
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ブレイクはAPの実装によりライフリカバリーの枠を追い出され、実質の死蔵システムとなっていました。そのAPがデッキからいなくなるなら、ライフリカバリーとしてブレイク元が採用される可能性は十分にあり、これに合わせてブレイクはすんなり入りえます。特に後手ではユニゾンに3リソース消費しながら使えるリソース消費なしの行動、展開量が足らず降臨に充てる余裕がないデッキでは十分採用の余地があると言えます。もちろんカードパワーやシナジー、レイドやリソース調整の難易度次第ではありますが、大きな変化として一考の余地があります。
あとがき
とりあえず色々と思いついたことを書いてみましたが他にも疑問はあります。
パートナー不在組
アイドル、竜の姫君、グロリア、美甘がメインキャラでは該当します。ユニゾンが実装されないというのも十分ありますが、何かしらでパートナーを得るという展開にも期待できます。
逆に相馬さん、みさきさんは…。サブテーマでの実装
現在は汎用ユニゾンは何も発表がありませんが、IGOBもPEXも汎用があったのでそちらで実装となると予想されます。その場合専用スタートリソースとの競合問題があるので、どう捌くかは見ものですね。未登場、退場扱いプレイヤー
今回のストーリーパートで未登場であったり退場に近い扱いを受けたプレイヤーの今後が気掛かりです。ちゃんと強化もらえるんでしょうか。エクストラプレイヤーの扱い
リユニオン組、ネクストフロンティア組での実装の問題です。全てとなるとなかなかの大所帯ですね。IGOBの強化継続について
リユニオンだけでなく、女神typeアルパマーヨアニムスと地味にIGOBが強化改修を受けています。この流れは一旦ペンディングでしょうか。マジカルのIGOB強化待ってたんですけど。
これらの疑問にも今後答えは出るでしょう。ひとまずは、ブレイク関連カードは買っておいた方がいいかもしれませんね。
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