上場したdelyを大解剖
企業概要
dely株式会社は、「80億人に1日3回の幸せを届ける」を企業理念に掲げ、レシピ動画サービス「クラシル」をはじめとする複数の事業を展開する企業です。2024年12月に東京証券取引所グロース市場に上場しました。dely株式の東京証券取引所グロース市場への新規上場はLY Corporationの連結子会社として承認されました。LY Corporationは、上場子会社・関連会社が中長期的に企業価値を向上し、少数株主やLY Corporationを含む全ての株主の共同利益を最大化させることが重要であると認識しています。
そんなdelyを簡単に解剖してみました。
事業内容
dely株式会社は、以下の主要事業を展開しています。
業績推移
2024年3月期の売上高は前期比44.7%増と大きく伸長しており、2025年3月期も30%以上の増収が予想されています。
kabutanより引用
。
【財務状況】
結論：
2024年3月期では、流動資産が約27%増加しており、特に現金及び預金が大幅に伸びています。一方、固定資産は減少傾向を示しており、無形固定資産の縮小が主要因です。また、流動負債は前期比約4.8%の増加となったものの、利益剰余金の成長により純資産合計は約20%増加し、財務基盤がさらに強固となっています
dely株式会社の2024年3月31日時点の財務状況は以下の通り
資産の部
負債の部
純資産の部
株式の保有状況
上場に伴い、親会社であるLINEヤフー株式会社は保有割合を56.27%に高める方針です。 これは、上場後もdely株式会社を連結子会社として維持し、事業の連携を強化する狙いがあるとみられます。
上場前の2024年10月末時点でのdely株式会社の株式保有状況は以下の通りです。
強みと弱み
強み
強力なブランド力
「クラシル」は国内最大級のレシピ動画サービスであり、高いブランド認知度を有しています。 これは、新規事業を展開する上での大きな強みとなります。dely株式会社は、この強力なブランド力を活かして、食品業界とメディア業界という成長市場において、更なる事業拡大を図ることが期待されます。多様な収益源
レシピ動画サービス、メディア事業、ライブ配信サポート事業など、複数の収益源を有しています。 これにより、特定の事業の不調によるリスクを軽減することができます。成長市場への展開
食品業界とメディア業界は、ともに成長市場です。 dely株式会社はこれらの市場において、高い成長ポテンシャルを秘めています。革新的なビジネスモデル
「クラシルリワード」のような成果報酬型の販売促進支援は、顧客とクライアント双方にとってメリットがあり、今後の成長が期待されます。優秀な人材
スタートアップ企業として、優秀な人材を獲得し、育成することに力を入れています。 また、「最強のデータ分析基盤」の構築を目指し、データ分析にも注力しています。
弱み
競争の激化
食品業界、メディア業界ともに競争が激化しており、競合他社との差別化が課題となります。 例えば、レシピ動画サービスでは、クックパッド株式会社や楽天レシピ株式会社などが競合として挙げられます。
収益性の向上
一部の事業は依然として収益化が進んでおらず、更なる収益性の向上が求められます。人材の確保
事業拡大に伴い、優秀な人材の確保が重要な課題となります。 特に、食品業界は人手不足が深刻化しており、優秀な人材の獲得競争が激しくなっています。市場の変化への対応
食品業界、メディア業界はともに変化の激しい市場であり、市場の変化に対応していく必要があります。
業界比較・競合分析
dely株式会社が属する食品業界およびメディア業界には、それぞれ強力な競合企業が存在します。
食品業界
レシピ動画サービス市場においては、クックパッド株式会社、楽天レシピ株式会社などが主要な競合企業として挙げられます
結論
dely株式会社は、東京証券取引所グロース市場への上場により、更なる事業拡大を加速させることが期待される。強力なブランド力と革新的なビジネスモデルを武器に、成長市場である食品業界およびメディア業界において、ビジネスを牽引できるのか。
しかし、競争の激化、収益性の向上、人材の確保、規制リスクへの対応など、克服すべき課題も少なくありません。これらの課題に対するdely株式会社の対応に注目です。